Exhibitions展覧会
婦木加奈子・丸山のどか「眼差しの手入れ」
「眼差しの手入れ」展は、キュレーター・河村清加による、二人の彫刻家―婦木加奈子と丸山のどかの企画展です。両作家それぞれの見近な風景を見つめる視点を知ることで、風景の背後にある人々の営みを重層的に捉え直すことを促します。
※本展は、京都芸術センターの公募型展覧会事業「Co-program」の2024年度カテゴリーB(共同開催)採択企画です。これは、公募で採択されたアーティスト及びキュレーターと京都芸術センターが共同で展覧会を主催するもので、独自にの実践を続ける注目のアーティストの紹介や、作家とキュレーターの新たな実験等を行うプラットフォームとなっています。
ステートメント
眼差しの赴くところに、そしてその趣を感じとるときに、目の前にある「風景」は日常とは異なるものとして捉え直されます。それはまるで使い込んだ眼差しの仕方が手入れされる体験とも言えるのではないでしょうか。
しかも風景は我々が心づくと否とに拘らず、絶えず僅かづつは変わっていこうとしている。おおよそ人間の力によって成るもので、是ほど定まった形を留め難いものも他には無いと思うが、更にはかないことには是を歴史のように、語りつぐ道がまだ備わっていないのである。(柳田國男)
人の生活や労働、作為がつくる風景と、その果敢無さに目を向けた民俗学者の柳田の眼差しにならい、本展示では二人のアーティストが捉えた光景を一時的・仮設的に立ち上げます。婦木は、日常生活の行為を読みかえ、身近な場面に作品を介在させます。丸山は、風景の表層のみが切り取られた立体作品を現実の場に配し、景色を異化させます。長い歳月をかけて使い込まれてきた京都芸術センターの「うち」と「そと」を二人は行き来しながら、建築の特徴や痕跡と呼応するようにして手入れを展開します。
間断なく、時に劇的に変化し続ける風景。素朴な光景に異質さを見出す眼差し、その差異を際立たせる手入れによって、眼前に広がる風景と背後にある人々の営みを多層的に捉え直します。
参加作家
婦木加奈子
1996年生まれ。金沢美術工芸大学美術科彫刻専攻卒業後、2020年チェルシーカレッジオブアート(イギリス)・グラデュエートディポウロマファインアートコース修了。現在、神奈川県を拠点に活動。
主な展覧会に、2022年「第1回MIMOCA EYE/ミモカアイ」(丸亀市猪熊源一郎現代美術館/香川)、「TOKAS-Emerging 2022『ストレンジャー』」(トーキョーアーツアンドスペース本郷/東京)、2024年「BankArt Life7 UrbanNesting:再び年に棲む」(BankART Station/神奈川)などがある。
■ 作家ウェブサイト:https://www.kanakofuki.com/
丸山のどか
1992年生まれ。2018年愛知県立芸術大学大学院美術研究科美術専攻彫刻領域修了。現在、愛知を拠点に活動。
主な展覧会に、2020年「アッセンブリッジ・ナゴヤ2020」(旧名古屋税関港寮/愛知)、2022年「資材館」(YEBIS ART LABO/愛知)、2023年「味/処」(神奈川県民ホールギャラリー/神奈川)、「アートサイト名古屋城2023 想像の復元」(二之丸庭園/愛知)などがある。
■ 作家ウェブサイト:https://www.nodokamaruyama.com/
企画者
河村清加
1999年生まれ。公立文化施設勤務の傍ら、静岡文化芸術大学文化政策研究科修士課程在籍。キュレーション、グラフィックデザインを通じて現代美術のアートマネジメントに取り組む。
展覧会概要
期間 | 2024/07/31(水) 〜 2024/09/01(日) |
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会場・開催場所 |
京都芸術センター
ギャラリー北・南、他 |
時間 | 10:00~20:00 |
休館日 | 8/16(金) |
料金 | 無料 |
注意事項等 | 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。最新情報は京都芸術センターのホームページをご確認ください。 |
お問い合わせ |
TEL:075-213-1000075-213-1000
FAX:075-213-1004 |
info@kac.or.jp | |
ホームページ | https://www.kac.or.jp/ |
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