Exhibitions展覧会
没後40年 鴨居玲展 見えないものを描く
「人間とは何か」を描き続け、戦後の奇才と称された洋画家・鴨居玲(かもい・れい/1928-1985)。その没後40周年を記念した回顧展を美術館「えき」KYOTOにて開催します。
鴨居玲は金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)で絵を学び、大学卒業後に関西で服飾学校の講師を務めた後、1959年にフランスへ渡ります。その後帰国を挟みながらブラジル、イタリア、スペインと世界各国を訪れ、その旅の中で「おばあさん」「酔っぱらい」などの後の鴨居を代表するモティーフに出会い、自身の画風を確立させていきました。
鴨居は自身にとって「写実」とは見えないものを描くことであるとし、人間の内面、己の理念を人物像などのモティーフを通して描き出しました。本展では、鴨居芸術において重要な要素であったモティーフに着目。自画像の画家と呼ばれるほど鴨居が数多く描いた初期から晩年までの「自画像」、スペイン滞在時に生まれた「酔っぱらい」、帰国後に新たな挑戦として取り組んだ「女性像」、そして自身の信仰に対する問いを表現した「教会」まで、鴨居が描こうとした人間の心と心の関係、鴨居の芸術像を紹介します。
また、模索の時代といわれる1960年代以前の初期作や、1978-80年代にかけて鴨居が手掛けた『弥縫録 中国名言集』(著・陳舜臣/『週刊読売』連載)の挿絵原画の一部もあわせて展示します。
目には見えない人間の苦悩や心の闇、人の生と死に向き合い続けた鴨居玲。その作品世界をこの機会にご高覧ください。
鴨居玲
1928年石川県金沢市出身。金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)にて画家・宮本三郎に学ぶ。卒業後は兵庫県芦屋の田中千代服装学園の講師を務める傍ら二紀会を中心に活動を開始。1959年にフランス(パリ)へ渡り創作活動を行うものの行き詰まり、南米やイタリア(ローマ)など各国を巡った後1965年に帰国する。1968年に初個展を日動画廊(大阪)で開催。翌69年に昭和会展優秀賞、安井賞を受賞したことで画家として一躍有名となる。
その後再び渡欧し、1971年にスペインにアトリエを構え、マドリード、バルデペーニャス、トレドなど各地で制作を行なった。パリ、ニューヨークなどで個展開催の後、1977年に帰国。以降は神戸の自宅兼アトリエを拠点とする。1984年兵庫県文化賞受賞。1985年、神戸の自宅で亡くなる。享年57歳。
展覧会概要
期間 | 2025/05/30(金) 〜 2025/07/06(日) |
---|---|
会場・開催場所 |
美術館「えき」KYOTO
|
時間 | 10:00~19:30(入館は19:00まで) |
休館日 | 会期中無休 |
料金 | 一般:1,100円(900円) 高・大学生:900円(700円) 小・中学生:500円(300円) ※()内は前売料金 ※高・大学生の方は学生証をご提示下さい。 ※「障害者手帳」をご提示のご本人様と同伴者1名は()内の料金で入館いただけます |
注意事項等 | 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。最新情報は美術館「えき」KYOTOのホームページをご確認ください。 |
お問い合わせ | TEL:075-352-1111075-352-1111 |
ホームページ | https://www.mistore.jp/store/kyoto/museum.html |
関連アートイベント
関連記事
該当する記事はございません。