Exhibitions展覧会
頂相(ちんそう)ー祖師たちの絵姿
禅宗において、師にあたる僧侶の姿を描いた「頂相(ちんそう)」は、代々師から弟子へと受け継がれてきた禅の教えの象徴としてとても大切な存在です。本展では、相国寺とその塔頭に伝わる「頂相」の数々を、2期に分けて一挙公開します。
達磨を初祖に仰ぐ禅の教えは、その弟子である二祖・慧可(えか)、そしてそのまた弟子へと連綿と受け継がれ、現代までその法脈が続いています。
相国寺は室町時代の創建の折、夢窓疎石(むそうそせき)を開山として勧請しました。その夢窓疎石の教え、つまり法は、鎌倉時代に日本へやってきた中国の禅僧・無学祖元(むがくそげん)から日本の高峰顕日(こうほうけんにち)へ伝えられ、夢窓疎石に受け継がれたものです。
師から弟子が法を受け継ぐ際、禅宗では師の絵姿(肖像画)である頂相、身に着けていた袈裟を弟子に渡し、その象徴・証とします。また、頂相は回忌法要の際にも師の写し身として掲げられます。
現在でも相国寺では、夢窓疎石の遺徳を仰ぐ開山忌、その跡を継いだ第二世・春屋妙葩(しゅんおくみょうは)の普明忌などは重要な仏教行事とされ、頂相を法堂に掲げ厳粛に執り行われています。
本展では、開山忌・普明忌をはじめとする年中行事の際に掲げられる歴代祖師の頂相や、相国寺の各門派・塔頭に伝わるさまざまな禅僧の頂相を多数初公開します。
特に第1期では、相国寺本山に伝わる禅宗の歴代祖師を描いた《列祖像三十幅 狩野派》を三十幅すべて一挙に展示。第2期では相国寺派の寺院・大應寺に伝わる《列祖像二十八幅 古筆了佐寄進》二十八幅を初めて一般公開します。第一展示室を囲むように約30もの僧侶の頂相が並ぶ光景は圧巻です。
また、頂相には絵姿の上に賛文が書かれたものが多くみられます。散文からは、それを書いた着賛者は誰か、その頂相を誰に与えたのか、といった情報が込められています。本展では、主に17世紀に活躍した禅僧の複数の頂相を一緒に展示し、それぞれの頂相がいつ、どのように描かれたのか、そしてそれを描いた絵師はどんな人物だったのかを探ります。
展示品には、狩野派や住吉派などの職業絵師や、相国寺に属する画僧によるもの、なかには中国の元時代に制作された頂相もあります。同じ禅僧を描いたものであっても絵師によって描き方はさまざま。その差異を比較しながらご覧いただけます。
相国寺本山と相国寺の塔頭、それぞれに育まれた禅僧の営みをぜひご覧ください。
※本展は2期制となっています。時期により大幅な展示替えがございます。
【第1期】2024/3/17(日)~5/12(日)【第2期】2024/5/26(日)~7/21(日)
展覧会概要
期間 | 2024/03/17(日) 〜 2024/07/21(日) |
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会場・開催場所 |
相国寺承天閣美術館
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時間 | 10:00~17:00(入場は16:30まで) |
休館日 | 展示替期間(5/13~5/25) |
料金 | 一般:800円(700円) 65歳以上・大学生:600円 中高生:300円 小学生:200円 ※()内は20名以上の団体料金 ※障碍者手帳をお持ちの方と介護者1名は無料 |
注意事項等 |
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お問い合わせ |
TEL:075-241-0423075-241-0423
FAX:075-212-3585 |
ホームページ | https://www.shokoku-ji.jp/museum/ |
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