Exhibitions展覧会

2024年秋季特別展「— 多彩な抹茶の器 — 茶入」

野村美術館の2024年秋季特別展では、茶道具のひとつで抹茶を入れる器「茶入(ちゃいれ)」に注目し、様々な作品を通じてその変遷をご紹介します。

13世紀の日本に登場した抹茶を入れる器「茶入」は、茶の湯の成立・発展の歴史とともに大きく変化してきました。

茶の湯で呈される茶が濃茶・薄茶に分かれると、抹茶を入れる器も濃茶用と薄茶用に分化し、主に濃茶では焼物(陶磁器)が、薄茶では塗り物(漆器)が用いられるようになります。当初は中国産の唐物が主流でしたが、茶の湯人口の拡大と、中国での小壺類の生産が停止したことに伴い国産の茶入が求められ、主に瀬戸地方で多く生産されるようになり、次第に京都など他の地域でも作られるようになっていきました。

唐物の茶入は15世紀ごろからその形態によって分類が行われていましたが、国産の多くを占めた瀬戸茶入では生産時期と形態を組み合わせた「窯分け」「手分け」による分類が行われました。そして大名茶人として知られる松平不昧が発刊した『瀬戸陶器濫觴』により、瀬戸茶入の分類法が確立しました。
しかし、近年瀬戸地方の窯跡などの発掘調査が進展したことで、松平不昧が行った生産時期分類は否定され、現在では瀬戸茶入の多くは17世紀前半に生産されていたことが判明しつつあります。

本展では、そうした近年の発掘調査結果を踏まえながら、茶入を唐物・瀬戸・国焼の主に3つの系統に分け、従来の分類にはこだわらず産地別に展示・ご紹介します。また、前期の会期中には、地階展示室にてさまざまな塗り物茶器も陳列いたします。
ぜひこの機会にじっくりとご鑑賞・お楽しみください。

※本展は前後期制です。一部展示替となる作品がございます。
【前期】9/7(土)~10/20(日)【後期】10/26(土)~12/8(日)

主な展示作品

前期

種村肩衝茶入/瀬戸茶入 銘 松島/織部茶入 銘 餓鬼腹/仁清 長肩衝茶入 銘 存命/紹鴎在判大棗/利休大棗/高台寺蒔絵棗 /初代中村宗哲作 凡鳥棗/原羊遊斎作 秋虫尽蒔絵棗 等

後期

上杉瓢箪茶入/長谷川文琳茶入/瀬戸茶入 銘 思河/瀬戸茶入 銘 藻塩/利休茶入 銘 地蔵/新兵衛肩衝茶入/北野茄子茶入の次第 等

地階併設展

地階展示室では、後期はさまざまな現代の作家による個展を週替わりで開催いたします。併せてご高覧ください。(各個展は最終日は16:00までの開催となります)

  1. 内村慎太郎 展「茶盌ー深淵をのぞくー」
    会期:10/26(土)~11/4(月)
  2. 村田浩一郎 茶垸展「笈の小文」追うて…
    会期:11/6(水)~11/10(日)
  3. 田端志音 展「歌のかたち」
    会期:11/12(火)~11/24(日)
  4. フランス人陶芸家 エマニュエル・アレクシア 個展「狂草窯 Le four des ”Herbes folles”」
    会期:11/26(火)~12/1(日)
  5. 朴相彦 陶磁器展 ー梁山法基里の土でつくるー
    会期:12/3(火)~12/8(日)

展覧会概要

期間 2024/09/07(土) 〜 2024/12/08(日)
会場・開催場所 野村美術館
時間 10:00~16:30(入館は16:00まで)
※呈茶席は16:00まで
休館日 月曜日
※ただし、9/16(月)、9/23(月)、10/14(月)、11/4(月)は祝休日のため開館。9/17(火)・9/24(火)・10/15(火)・11/5(火)は休館。
料金 大人:800円
高大生:300円
中学生以下無料

【呈茶席】1客 700円
※展覧会観覧者の方は、椅子席の茶室にて、抹茶(上生菓子付)をお召し上がりいただけます。
注意事項等 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。最新情報は野村美術館のホームページをご確認ください。
お問い合わせ TEL:075-751-0373075-751-0373
ホームページ https://nomura-museum.or.jp/

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