Exhibitions展覧会

20世紀前半のパリやロシアで前衛芸術の洗礼受けながらも、あらゆる芸術理論や主義主張を超越した作品を生み出したマルク・シャガール。彼は近代絵画史において、ほかにないユニークな位置を占めています。
帝政ロシアのユダヤ人居住区に生まれ、パリで学び、世界第一次・第二次大戦の勃発した過酷な時代を生き抜いたシャガールは、色彩豊かな独自の幻想世界を語り続けました。世界で最も愛されている20世紀の巨匠のひとりといえます。

この展覧会は、スイスの個人所蔵家からお借りした日本未公開作品を中心に、この画家に特有の図像世界が展開され始めた1930年代以降に力点を置き、多くのファンから愛されるシャガール･ワールドの秘密に迫ります。
その秘密とは、ひとつには、男女の愛、家族間の愛、ときに宗教的な色彩をも帯びる隣人愛や人間愛など、世界をよりよいものにする「愛」について思いを馳せる画家の耐えることのない問いかけにあるのではないでしょうか。
シャガールが作品に表現した、様々な「愛」を探ります。