Exhibitions展覧会
あつまれ!朝鮮王朝の動物クリム
「クリム」とは韓国語(ハングル)で「絵」を意味します。この展覧会では、朝鮮王朝時代の動物が描かれた絵を中心に、動物をモチーフとした美術作品を集めて紹介します。
朝鮮半島は、昔から野生動物の生息によい条件を備えています。世界の動物地理的分布上ではシベリア亜区と中国亜区に朝鮮半島は分類されます、北部あたりまでは標高が高く気候もアムール地方とよく似ていますが、北部以外の大部分は地勢が低く気候も温和で、中国大陸や日本の気候とほぼ変わりません。そこには共通の哺乳類と鳥類が沢山生息しています。
また、実在しない動物も古くから信仰されてきました。朝鮮半島では、龍や鳳凰など国の守護神とされる四神が王室の紋章に使われました。朝鮮王朝時代の民画では、栗鼠(リス)などの身近な動物を子孫繁栄のモチーフにしたり、虎や猿を山の神として描きました。
干支の銃にの動物たちの中には架空の動物や朝鮮半島には生息しなかった動物も含まれています。龍は勿論、サルは元々朝鮮半島には生息していない動物です。しかし、中国から孫悟空の説話が16世紀ごろにもたらされると、朝鮮半島でも猿は縁起のいい守り神となりその石像は王級の屋根に置かれ、厄除けとして今も宮殿の屋根に飾られています。
朝鮮半島独自の信仰の中にも動物は登場します。例えば、長寿を願う「十長生(じっちょうせい)」の図案として、鶴や鹿、亀が屏風、陶磁器、家具や刺繍に取り入れられています。十長生とは、天界・地界・水界の3つの世界から成り立つ陰陽五行説から生まれたとされます。具体的には鶴、鹿、亀、松、竹、日、雲、岩、霊芝、水からなる10の紋様を併せて描くことにより健康と長寿を願うというものでした。天界には日が射し、雲間を飛翔する鶴が飛び、地界には松や竹、霊芝が生い茂り鹿が歩き回る。水界には亀が岩から流れ出た清水に身を置きながら、地界に気を送る。このように三界を象徴する動物として、鶴・鹿・亀が雌雄のつがいで描かれ、庶民の健康長寿を願う紋様として親しまれました。
動物たちを大胆愉快に描く眼差しが特徴的といえるでしょう。
生活の身近にあった動物クリムを通して、その地に暮らした人々の希望や祈りの世界をご覧ください。
展覧会概要
期間 | 2022/04/01(金) 〜 2022/08/21(日) |
---|---|
会場・開催場所 |
高麗美術館
|
時間 | 10:00~16:30(入館は16:00まで) |
休館日 | 水曜日(ただし、5/4(水・祝)は開館) |
料金 | 一般:500円 大高生:400円 中学生以下無料 ※65歳以上の方、及び20名以上の団体は2割引 ※障害者手帳をお持ちのご本人と付添者1名は無料 ※10名以上の団体観覧を予定の方は、事前にご連絡をお願いいたします(新型コロナウイルス感染症の状況によっては、人数・日程調整のお願い、またはやむを得ずお断りする場合があります) |
注意事項等 |
|
お問い合わせ |
TEL:075-491-1192075-491-1192
FAX:075-495-3718 |
ホームページ | https://www.koryomuseum.or.jp/ |
関連アートイベント
関連記事
該当する記事はございません。