KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023 のメインプログラム。ジャーナリストのアルノー・ロベールと写真家のパオロ・ウッズが5年間にわたり取り組んだプロジェクト「Happy Pills(幸せの薬)」の展覧会です。">

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© Paolo Woods / Arnaud Robert
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【KYOTOGRAPHIE2023】パオロ・ウッズ&アルノー・ロベール「Happy Pills-幸せの薬-」With the support of the Embassy of the Kingdom of the Netherlands and the Embassy of Switzerland in Japan

2023/04/15(土) 〜 2023/05/14(日)

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2023 のメインプログラム。ジャーナリストのアルノー・ロベールと写真家のパオロ・ウッズが5年間にわたり取り組んだプロジェクト「Happy Pills(幸せの薬)」の展覧会です。

「幸せ」を定義する役割は、これまで長い間、宗教や哲学、あるいは政治が担ってきました。しかし今日、この普遍的なミッションは、次第に製薬業界の手に委ねられているようです。「幸せ」を追い求める人間の究極な願望に対して、すべての人々に標準化されたオートマチックな答えを提供すべく、製薬会社は現代のあらゆるツール(科学、マーケティング、そして通信)をフル活用しています。それは幸せであることが、いまだかつてないほどに強い義務感を伴うものとなっているからです。

「不思議の国のアリス」から「マトリックス」まで、集団的な無意識やポップカルチャーの中心的なモチーフとなっているのは、「薬」です。薬は、困難や抑うつ、人間という生き物に課せられる受け入れ難い制約に対して、魔法のように素晴らしい解決策をもたらします。化学による変身と治癒を約束する薬は、効率、権力、若さ、成果だけを信じるプロメテウス的な社会の完璧なメタファーです。つまりそれは、幸せであるように見えることが実際に幸せであることよりも重要であるということなのです。

ロベールとウッズの二人は、この幸福と薬の関係性、「Happy Pills」を追求すべく世界中を旅しました。
薬は目に見えない傷を治し、人々にアクションを起こす勇気を与え、仕事を続けさせ、うつ病患者の重症化を防ぎ、家族を養うために働き続けるワーキングプアの人々を痛みから解放します。
ニジェール(アフリカ)、アメリカ、スイス、インド、イスラエル、ペルーのアマゾンまで、かつて永遠に解決しないと言われていた問題をあっという間に「解決」するべく、薬が使われているのです。

このプロジェクトは、先に出版された書籍、この展覧会、そして先日公開された映画による3部構成となっています。
人々を「Happy Pills」に導く、人々に「幸福を売りつける」システムとは何かについて問いかけます。

パオロ・ウッズ

オランダのデン・ハーグ生まれ、イタリア育ち。ロンドン、パリ、ハイチ、コートジボワールでの活動経験を経て、現在はフィレンツェを拠点とする。写真専門のギャラリー兼ラボの経営後、自身もドキュメンタリー写真に専念。写真と研究を融合させた長期プロジェクトに従事している。
これまでに八冊の著書を出し、彼が携わったプロジェクトは、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『ル・モンド』紙、『ガーディアン』紙などの国際的な主要メディアで定期的に発表されている。
また、フランス、アメリカ、イタリア、スイス、中国、スペイン、ドイツ、オランダ、ハイチなどで個展が開催され、世界各地で数多くのグループ展に参加。ウッズの作品はエリゼ写真美術館、ユニポール社、フランス国立図書館、国立現代アート基金機構(FNAC)、シェイク・サウド・アル・タニコレクション、セルヴェコレクションなど、プライベートおよびパブリックコレクションに所蔵されている。
これまでに二度の世界報道写真賞をはじめ受賞多数。写真表現の限界を探求するコレクティブ兼出版社のRIVERBOOMの共同創設者でもある。
2022年、イタリアの国際フォトフェスティバル「Cortona On The Move」のアーティスティックディレクターに就任し、「Me, Myself and Eye」(コルトーナ、イタリア 2022)と題した展覧会をキュレーションした。

アルノー・ロベール

1976年スイス生まれ。ジャーナリスト、映画監督、作家。
執筆記事は『ル・モンド』紙、『ル・タン』紙、『ラ・レプッブリカ』紙、『Néon』誌、『Les Inrockuptibles』誌、『Vibrations』誌をはじめとする多くの国際的な主要メディアに掲載。また、スイス放送協会フランス語放送番組へ定期的に寄稿している。
これまでに「Bamako is a Miracle」(2002)、「Bondyé Bon」(2011)、 「Gangbé!」(2015)の三本のドキュメンタリー映画を監督。ロベールの映画作品は、モントリオールの映画祭「Vues d'Afrique」やパリの映画祭「Jean Rouch」で賞を受賞した。
画家フレデリック・クロとの共著による全7巻『Hors-Bord』(art&fiction 2010)、パオロ・ウッズとの『STATE』(Photosyntheses 2013)、そしてハイチの『Le Nouvelliste』紙で発表されたコラムをまとめた『Journal d'un Blanc』(Editions de l'Aire 2014)などの多くの著書がある。
さらに、「Vodou, un art de Vivre」展(民族学博物館、ジュネーブ、スイス 2008)の参画者の一人であり、同展はその後10カ国に巡回した。ジャン・ドゥミュール賞、フランス公共ラジオ放送賞受賞。また、2020年には世界中のトイレ革命に関する調査でスイス報道写真コンテストで大賞を受賞した。

展覧会概要

期間 2023/04/15(土) 〜 2023/05/14(日)
会場・開催場所 くろちく万蔵ビル
時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 4/17(月)、4/24(月)、5/8(月)
料金 【単館チケット】
大人:1,000円
学生:800円(要学生証提示)

※中学生以下・障害者手帳をご提示のご本人様と同伴者1名は無料
※パスポートでの入場は会期中1回のみ有効(エクスプレス・パス利用者を除く)
注意事項等
  • 発熱などの風邪症状がおありの方・体調がすぐれない方は来場をお控えください。
  • 混雑時には入場制限を行う場合がございます(エクスプレス・パス利用者を除く)混雑状況については、KYOTOGRAPHIEの公式サイト、公式SNSアカウントを随時ご確認ください。
  • 状況により、やむを得ず予定が変更となる場合がございます。ご来場前にKYOTOGRAPHIEの公式サイトや公式SNSにて最新情報をご確認ください。
E-Mail info@kyotographie.jp
ホームページ https://www.kyotographie.jp/programs/2023/paolo-woods-arnaud-robert/

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