Exhibitions展覧会
伊賀美和子「Narrative & Non-Narrative」【KG+】
写真を中心とした作品で国内外から高い評価を受け、近年は絵画・ドローイングにも取り組む美術作家・伊賀美和子。その京都初個展を開催します。
伊賀美和子は、既製品の玩具や人形、手作りの小道具などを用いて、ドラマの一場面のような物語性を感じさせるシーンや、無意味で奇妙な光景などをジオラマのように構成・演出し、写真に収めます。子供時代に見た映画やテレビのチープな合成映像から影響を受けたそれらの作品は、「ステージド・フォトグラフィー」の一種にも、また「レディメイド」の変種としても位置付けられますが、ときに辛辣に、またときにユーモラスに、不思議な現実感をまとって観る者に迫ります。
本展では、近年特に取り組んでいる、小説などの文学作品にインスピレーションを受け、その一場面を再現したシリーズに加え、ナンセンスなおもちゃ遊びに徹した旧作(《弄ばれた玩具》シリーズ)も併せて展示することにより、「演じる人形」と「演じない人形」の対比を通じてリアリティとフィクションの複雑な関係性を提示します。
私たちの人生は「Narrative(物語的)」なのか、「Non-Narrative(非物語的)」なのか? パンデミックや戦争など、にわかには信じがたい、非現実的とも言えるような出来事が続く現在の社会状況ともリンクしながら、生を取り巻く様々な思考が交錯する伊賀美和子の作品世界をぜひお楽しみください。
※この展覧会は KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2022 サテライトイベント「KG+」の参加展覧会です。
紙芝居のようにショートストーリーを持つ組写真から始めた写真作品から、最近は物語のクライマックスシーンを1枚の写真の中で表現する写真に変わってきました。
人は、混沌とした社会や私生活の中で「抑圧」と「解放」、「隠すこと」と「見えること」、「期待」と「絶望」など二極間を絶妙なバランスを取りながら漂っている一方で、ともすれば「極端」という流れに身を委ねることもあります。「極端」に「ドラマ」があり、そのドラマの中で、満足しない自分の役でさえ陶酔して演じる姿は悲しくも滑稽です。当たり前と捉えている日常の至るところに「極端への起爆剤」があり、昨今では人形と同じく何かに操られているような人間の脆さを感じながら制作をしています。(伊賀)
※作家在廊予定日:4/17(日)(他の在廊日についてはギャラリーのホームページ、SNS等をご確認ください)
伊賀美和子
1966 東京都生まれ
1999 キヤノン写真新世紀 優秀賞(南条史生選)
個展
2000 「A STORM IN THE LIFE-台風一家-」セゾンアートプログラムギャラリー(東京)
2007 「マダムキューカンバ」ベイスギャラリー(東京)、イヒョン・ソウル・ギャラリー(韓国)
2010 「悲しき玩具」ベイスギャラリー(東京)
2015 「That's not enough」ベイスギャラリー(東京)
2019 「Metropolitan Syndrome」Diginner Gallery(東京)
グループ展
1999-2000 「写真新世紀展」P3(東京)
2000 「フィリップモリスアワード」恵比寿ガーデンホール(東京)
2003 「Futuring Power」東京都写真美術館(東京)、せんだいメディアテーク(仙台)、京都造形芸術大学ギャラリーRAKU(京都)
「女の遊戯」z platz
2004 「プリティー?」小出由紀子事務所(東京)
2012 「PHotoEspaña 2012」マドリッド(スペイン)
「Asia Serendipity」マラガ、バリャドリッド(スペイン)
2013 「Summer show」Poetic scape(東京)
2018 「女系家族 The Family of Woman」Digginer Gallery Workshop(東京)
2019 「女系家族パート2」世田谷美術館 区民ギャラリー(東京)
「百人一首って」人形町ヴィジョンズ(東京)
2021 「描きたい」伊賀美和子とあいとうの作家による人物画展 POPKE(北海道)
展覧会概要
期間 | 2022/04/14(木) 〜 2022/06/04(土) |
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会場・開催場所 |
HRDファインアート
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時間 | 【木曜日】11:00~15:00 【金・土・祝】11:00~19:00 |
休館日 | 日・月・火・水曜日 ※ただし、5/3(火・祝)と5/4(水・祝)はオープン |
料金 | 無料 |
注意事項等 |
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お問い合わせ | TEL:090-9015-6087090-9015-6087 |
info@hrdfineart.com | |
ホームページ | http://hrdfineart.com/exb-iga22.html |
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