Exhibitions展覧会
キュレーションを公平(フェア)に拡張する vol.1「私はなぜ古谷渉を選んだのか」
HAPSが「公立美術館における障害者等による文化芸術活動を促進させるためのコア人材のコミュニティ形成を軸とした基盤づくり事業」の一環として開催する展覧会。滋賀県立美術館館長(ディレクター)の保坂健二朗氏をゲストキュレーターに招聘し、HAPS HOUSE内のギャラリーを会場に、画家・古谷渉の個展を開催します。
障害のある人が関わる文化芸術活動を拡張する基盤をつくる本事業の先駆的な取り組みとして、気鋭のキュレーターとともに開かれたアートシーンの形成をめざします。ぜひご高覧ください。
古谷渉の作品にはじめて出会ったのは、2016年のポコラートの審査の時だった。それは物干し竿にかけられたタオルを描いたドローイングだったのだが、黒い模様が、タオルのそれなのか、それとも風になびくタオルの起伏に生まれた影を表現したものなのか、もし影だとしてなぜそれを濃厚に表現したのか、それとも単に技術が稚拙なだけなのか、わからないことだらけだった。でも、余白の取り方は他の作品も見てみたいと思うほどにうまく、それゆえ私は自分の名前を冠した賞に彼を選んだ。
それから6年経った2022年、彼の自宅を訪れる機会があった。今描いているのは競走馬で、それを今度のポコラートの公募に出すのだと嬉しそうに語っていた。しかし彼は他にもたくさん描いていた。スケッチブックの中には「陰鬱さん」というキャラクターや、相撲取りの絵、絵がうまくなるために手掛けているヌードデッサンなど、さまざまなものがあった。この多様性、あるいはとりとめのなさは、いったいなにゆえなのか。それを判断できる人はいるのか。彼の個展をするとしたら、そのキュレーターはなにをどうすべきなのか。そんなことを考えていたところにHAPSからの連絡があって、この展覧会に至る。(保坂)
古谷渉
本展出展作家。1974年生まれ。東京都在住。幼少から変わっているのかいじめられ自信を失い病がありつつも2010年頃から絵を描き始める事で今にいたる。 ポコラート全国公募Vol.6(2016年)にて保坂健二朗賞を受賞。
保坂健二朗
本展キュレーター。1976年茨城県生まれ。2000年慶應義塾大学大学院修士課程修了。2000年から2020年まで東京国立近代美術館に勤務。2021年より現職。主な著作に『アール・ブリュット アート 日本』(監修、平凡社、2013)など。文化庁および厚生労働省による障害者文化芸術活動推進有識者会議の委員も務める。
会場・アクセス
HAPS HOUSE
〒601-8004 京都市南区東九条東山王町1
【JR】「京都」駅、【地下鉄】烏丸線「京都」駅より徒歩約10分
【市バス】「河原町東寺道」下車、徒歩約2分/「京都駅八条口アバンティ前」下車、徒歩約3分/「九条車庫前」下車、徒歩約10分
展覧会概要
期間 | 2023/01/07(土) 〜 2023/01/29(日) |
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会場・開催場所 | HAPS HOUSE |
時間 | 11:00〜19:00(入場は18:30まで) |
休館日 | 月~木曜日(祝日を除く) |
料金 | 無料 |
注意事項等 |
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お問い合わせ |
TEL:075-525-7525075-525-7525
※一般社団法人HAPS FAX:075-525-7522 |
info@haps-kyoto.com | |
ホームページ | http://haps-kyoto.com/extend_curation_fairly_1/ |
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