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京遊×橋本関雪記念館 白沙村荘の庭から 第十三回

京遊×橋本関雪記念館 白沙村荘の庭から 第十三回  京都市左京区白沙村荘橋本関雪記念館

京都には大小さまざまなミュージアムがありますが、その中には現在も人が暮らしている家の一部をそのまま公開しているようなところもあります。そんなミュージアムのひとつが、日本画家・橋本関雪の建てた邸宅である白沙村荘 橋本関雪記念館。その副館長で関雪の曾孫である橋本眞次様に、普段はちょっと分からない、美術館での日々を徒然と綴っていただくコラムです。

 今から130年前の明治16(1883)年と言えば、どんな年であったのでしょうか。明治天皇が先日京都市に寄贈の決まった岩倉具視邸に行幸し、その後具視が甍去した年であったり、かの有名な鹿鳴館が竣工・開館したり、天気図が初めて発行されたりした年であったようです。激動の明治維新から16年が経ち、西洋の文明に国の何かしらを委ねながら日本が何処かへ向かっていた時代。そんな年に橋本関雪は生まれました。

 本年2013年は、橋本関雪の生誕130年にあたります。因みに関雪の父である海関はペリー来航の年である嘉永6(1853)年に生まれ、今年が生誕160年となります。大体において画家の回顧展などは、10年刻みで行なわれることが多いです。しかし毎10年という訳でもなく、数10年かヘタすれば100年刻みの場合もあったりします。

そんな経緯で、今年は橋本関雪展が開催予定となっています。10年前はと言えば、京都国立近代美術館で行われる筈であったものが某新聞社の背信により、なぜか横山大観展が開催されていました。島根の足立美術館は10年毎に独自に橋本関雪展をやって下さっています。

なので今年も足立美術館での館蔵品による橋本関雪展と、こちらは初めてですが兵庫県立美術館における代表作品の饗宴的な橋本関雪展が開催されます。兵庫県立美術館は関雪の生誕した神戸市中央区にありますので、諸々の関連した場所なども今回の展覧会でピックアップ出来れば良いのではないかと思っています。

足立美術館
足立美術館
兵庫県立美術館
兵庫県立美術館

それぞれのスケジュールは以下の通りです。

□足立美術館 春季特別展  生誕130年 橋本関雪
 2013年3月1日(金)より5月31日(金)まで開催
 足立美術館HP:http://www.adachi-museum.or.jp/ja/index.html

□兵庫県立美術館 橋本関雪展
 2013年9月14日(土)より10月24日(日)まで開催予定
 兵庫県立美術館HP:http://www.artm.pref.hyogo.jp/

 3年前に4都市巡回展というのはありましたが、それぞれ別の動きで同年開催というのは初めてではないでしょうか。ともあれ、関雪に縁の深い兵庫県神戸市での開催によって、これからの橋本関雪を巡る色々な動きに期待の高まる1年となりそうです。

施設情報

白沙村荘(橋本関雪記念館)
京都市左京区浄土寺石橋町37
公式ホームページ

施設の概要はこちら

著者プロフィール

橋本眞次(はしもと・しんじ)
1973年、京都生まれ。
大正・昭和にかけて活躍した日本画家、橋本関雪の曾孫にあたる。
23歳の頃、関雪に興味を持ち父の仕事を手伝いながら資料編纂などに携わる。
現在は白沙村荘 橋本関雪記念館の副館長として活動中。

公式ブログ「京都の庭ブログ」はこちら↓
http://hakusasonso.kyo2.jp/

「白沙村荘の庭から」過去のコラム


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