Exhibitions展覧会
嵯峨嵐山文華館×福田美術館 共同開催 企画展「芭蕉と蕪村と若冲」
京都・嵐山にある二つのミュージアム、嵯峨嵐山文華館と福田美術館の共催展。「俳聖」松尾芭蕉自筆の《野ざらし紀行図巻》の初公開を中心に、芭蕉に憧れた俳人・絵師の与謝蕪村、そして蕪村と同年に生まれた伊藤若冲の作品を展示し、三人の足跡をたどります。
松尾芭蕉自筆《野ざらし紀行図巻》初公開!
俳諧を和歌と並ぶ文学的地位に高めたことで知られる松尾芭蕉。《野ざらし紀行》は、その芭蕉が40代の頃に自書したとされる紀行文です。貞享元年(1684)8月~貞享2年(1685)4月にかけて、江戸から伊勢、伊賀、大和、近江、尾張、京都などを巡り江戸へ戻るまでの行程と道中に詠んだ歌を記しています。芭蕉にとって初めての文学的な旅といわれるこの旅は、芭蕉の俳風が完成されるきっかけとなったと考えられています。
今回公開されるものは約50年ぶりに再発見されたもので、本作以外には天理本(天理大学附属天理図書館蔵)しか確認されていません。全体にわたって挿絵が描かれている点が大変珍しく、冒頭には芭蕉と交流のあった俳人・山口素堂の序文も添えられています。
本展では、芭蕉が旅の中で見たものを生き生きと伝える貴重なこの作品を、福田美術館にて通期で全場面公開します。
芭蕉と蕪村、そして若冲の足跡を辿る
芭蕉の死後50年が経過した1743年頃から、芭蕉を顕彰する動きが盛んになりました。この運動を京都で牽引したのが与謝蕪村です。蕪村は20代から江戸で俳諧を学んだ後、およそ10年間をかけて、北関東から東北地方を僧侶として遊歴。各地の歌枕や芭蕉が訪ねた場所を巡りました。42歳頃から京都に定住した蕪村は、中国の南宗画に学びながら山水図を描き、以後絵に発句を書き添えた「俳画」という新しいジャンルを確立しました。
本展では、芭蕉と蕪村のつながりを作品を通じて紹介します。
嵯峨嵐山文華館では、芭蕉自身の俳句や絵画とともに、与謝蕪村のほか伊藤若冲や呉春、中村芳中など後世の画家たちが描いた《芭蕉図》の数々を展示します。また、蕪村の手による俳画や、パトロン・弟子たちとの関係が伺える蕪村直筆の手紙、蕪村の弟子たちの作品も、丁寧な解説と共に紹介します。
福田美術館では、伊藤若冲の《蕪に双鶏図》や与謝蕪村の《猛虎飛瀑図》など、二人の代表作を多数展示します。若冲と蕪村は同年に京都に生まれ、四条通界隈の非常に近所で暮らしていましたが、互いの交流を示す史料は確認されていません。しかし二人とも、当時の最先端の絵画技法を真摯に学び取り、己の画風に取り込もうとした姿勢は共通しています。二人の努力の跡を作品を通じてご覧ください。
※この展覧会は前後期制です。会期中、一部展示替えとなる作品がございます。
【前期】10/22~11/28【後期】11/30~1/9
展覧会概要
期間 | 2022/10/22(土) 〜 2023/01/09(月) |
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会場・開催場所 |
嵯峨嵐山文華館
福田美術館 |
時間 | 10:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 11/29(火)、年末年始(12/30~1/1) ※会期中は通常と休館日の設定が異なります |
料金 | 【嵯峨嵐山文華館・福田美術館 二館共通券】 一般・大学生:2,000円 高校生:1,000円 小中学生:550円 障がい者と介添人1名まで:1,000円 【嵯峨嵐山文華館のみ】 一般・大学生:900円 高校生:500円 小中学生:300円 障がい者と介添人1名まで:500円 【福田美術館のみ】 一般・大学生:1,300円 高校生:700円 小中学生:400円 障がい者と介添人1名まで:700円 |
注意事項等 |
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ホームページ | https://fukuda-art-museum.jp/exhibition/202205242365 |
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