京都で遊ぼうART スタッフブログ

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「展覧会レポート」アーカイブ

関西初開催!文化庁メディア芸術祭・京都展に行って来ました!

mfes01.jpg京都で遊ぼうARTのスタッフが実際に行った展覧会をレポート!
今回は、文化庁メディア芸術祭 京都展 アート展示 (京都芸術センター)に行ってきました。

毎年開催されているこの「文化庁メディア芸術祭」ですが、関西では今年が初めての開催。
今回は、主にメディアアートを中心とした作品を展示している京都芸術センター会場にお邪魔してきました。


レトロな元学校の建物の中でメディアアートとは、一体どんなことになるんでしょうか?
ちょっとドキドキしつつ入ってみると...

mfes02.jpgなんと第一会場は和室!(芸術センターには広い和室スペースがあります)
畳の上にハイテクな作品が並んでいるというのはちょっと不思議な光景です...。

しかし、靴を脱いで畳に上がって、というのはかえってリラックス感が出ていて、展覧会に来ているというよりは、まるで遊びに来ているような感覚で、気軽に楽しむことができました。
作品も、実際に触ったり動かしたりして楽しめるものばかり!

mfes03.jpgたとえば、これは香りに反応して花が咲く木。
紙に香水を振りかけてセンサーにかざすと、反応して光の花が咲きます。
香りの種類や強さによって色や濃さも変わります。
どの香りがどんな反応になるのか、ついつい夢中に...

mfes04.jpgこちらはキャラクターを映し出したミニボード。
キャラクター同士を近付けるとあいさつをしたりおしゃべりをしたりします!
しかも相手によって反応が変わるという芸の細かさ。つい夢中になって色々並べ方を変えて遊んでしまいます。

オブジェに触ると場所によって色々な形の影が出たり、色が変化するといったものや、タッチパネルに反応して画面が変化する作品(しかもただのタッチパネルではなく、触ると音や振動が変わります)もありました。どれも高い技術を応用しているものなのですが、どれも誰でも親しみやすいように工夫されています。光や音で楽しめるので、小さな子供でも大丈夫。実際、子供たちは夢中になって遊んでいました。

展示室はもう一つあり、こちらには皆で楽しめるゲームタイプの作品が。

mfes08.jpg左写真は画面がリング状になったシューティングゲーム!片方からだけでは画面全体が見えないので、周囲をぐるぐると動き回りながら操作する必要があります。画面の形を輪にすることで「人が動き回る」という要素が加わるというのが面白い作品です。

mfes09.jpg右は、音と光で点字が学べる作品。駅などでよく見かける点字ですが、知らないとさっぱり何が書いているかわからないもの。でもこの作品は、穴に玉をはめ込んで点字を作ると、音声で読み上げてくれます。色の変化もとても綺麗!これなら楽しく遊びながら点字を学ぶことができますし、目が不自由な方も触ったり音を聞いたりして使うことができます。
障害がある人もそうでない人も、誰でも一緒に楽しめ、学ぶことができる。アートはバリアフリーにもつながっているんですね。

他にはシンプルな光の対戦ゲーム(片方は上から落ちてくるものを撃ち落とし、もう片方は弾をよけながらゴールまで辿り着く...とそれぞれの側では別のゲームをしているのですが、実はお互いの操作が見事に関係している...というもの。先述したリング状画面のシューティングゲームと同じ型の作品)や、持っていると体が楽器になってしまう(体を叩いてもらうと色々な音が出て来ます!)作品が。ゲームという入り口を通して、体を動かしたり「誰かと繋がる」という要素が必ず込められているところが印象的でした。

もうひとつの展示室・南ギャラリーでは、特別展示のBEACON 2010が行われています。
こちらは部屋をひとつまるごと利用したインスタレーション。
ゆっくりと回転する映写機から、どこかで見たような、そうでないような...そんな町の風景が少しずつ変化しながら部屋全体に映し出されます。
ここだけは他と毛色が違い、まるでこの部屋だけが時間の流れが違っているような、そんな不思議な感覚が味わえます。
カーペットの敷かれたスペースなので、座って足をのばしながら...ということもできます。休憩がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

こんな、体験型の作品がずらり。
メディアアートと聞くとちょっと難しそう、とかついていけなさそう...と思う人もいそうですが、実はずっと敷居が低く、自分で触れて、感じて、素直に楽しめる。そんな内容の展覧会でした。
本当に年齢問わずだれでも楽しめるので、家族でいらっしゃっている方も多かったのも納得です!
今回、展示会場はどちらも「昔の小学校の建物」を利用したところだったのですが、
「楽しみながら最先端技術に触れられる」というところ、ここはぴったりの会場だったのではないでしょうか。
(それに、学校を利用した展示スペースが多いのは京都の特徴らしいですよ!)

このほかにも、映像作品の上映(半ばちょっとした映画館感覚)もありますし、京都国際漫画ミュージアムでは漫画作品部門の展示も行われています。
期間が短いので、気になる方はどうぞお見逃しなく!


関連リンク

アート部門(京都芸術センター)についてはこちら
マンガ部門(京都国際マンガミュージアム)についてはこちら
文化庁メディア芸術祭 京都展 公式サイト
いよいよ8月も終わり。猛暑と呼ばれたこの夏ですが、朝晩は幾分涼しくなってきたようです。
そんな夏の終わりの週末、京都では様々なイベントが開催されていました。
今回はそのひとつ、東山・鹿ケ谷の法然院で開催された「electronic evening 2010 電子音楽の夕べ」に行って来ましたので、その様子を簡単にご紹介します。(一応、「京都で遊ぼうART」なのでアートなところを中心に...)

100828_1757~01.jpgこのイベントは1日目は哲学の道近くにあるお寺・法然院(左写真。こちらは入口のところ)、2日目は北白川の複合アートスペース・Printzでの開催でしたが、今回は1日目の方にお邪魔させて頂きました。

一応中心は電子音楽のライブコンサートではあるのですが、ライブ会場の周辺には、様々なインスタレーション作品が展示されていて、ライブ演奏をBGMに作品を眺める...なんて楽しみ方もできます。

100828_1812~01.jpg今回はお寺の中のあちこちには小さな行灯風のライトが置かれていました。基本、灯りはこれと小さなライトがぽつぽつとあるだけ。見慣れた電灯の光は殆どありません。
日が落ちてくると、暗闇に浮かぶぼんやりとした行灯の光が、よりいっそう幻想的な雰囲気を作り出していました。(ライブ会場もそんな感じ)
電気の灯りなどなかった頃の、日本の夜は、きっとこんな感じだったのだろうな...と妙にしみじみとしてしまいました。

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会場内ではお茶席もあり、お菓子とお薄を頂けました。

ここにも実はインスタレーションが!

ふと廊下の方に目を向けると、障子がスクリーンに見立てられ、映像作品が映し出されています。
時間の経過とともに障子を魚が移ろい、月が満ち欠けする。
遠くからはライブ会場の音がうっすらとBGMのように聞こえてきます。
時々廊下を歩く人影も写り込み、お茶席を不思議な異空間へ変えてしまっていました。

100828_1832~01.jpg因みに戴いたお菓子とお茶はこちら。お菓子は演奏された電子音楽のイメージで和菓子屋さんが作られた特注品だそう。寒天の中にきらきらとした金箔が星屑のように入っていました。和菓子も、ある種一つの「アート」ですよね。美味でございました~。

ライブ演奏の方は、歴史ある寺院の中で現代的な電子音楽を聞くというちょっと不思議な組み合わせですが、そうとは思えないほど馴染んでいて、とても新鮮でした。
心なしか、周辺から聞こえてくる虫の声と電子音の響きが近いのか、とても馴染みがよく、まるで一体化しているような感覚を覚えます。
(実際、演奏が始まると虫が鳴きだしたような気もしました)

100828_1850~01.jpgそれをバックに庭を眺めると、まるで星空のように庭に無数の光が。これは空間プロデューサーとして参加された灯道家・粟倉久達さんのインスタレーション。発光ダイオードを蛍に見立てて庭に配置したもの(左写真)で、まさに夏の終わりのこの季節にぴったりです。
これを縁側で眺めつつ、もよし。畳に寝転がって夜風にあたりながら、もよし。(実は思ったより建物の中は涼しかったのです。和建築って実に理にかなっているのですね...)何ともまったりとした雰囲気で皆さん楽しんでおられました。

夜のお寺で楽しむ、インスタレーションと電子音楽。まさに歴史ある京都の街ならではのイベントだったのではないかと思います。
まさに現代の夕涼み、といった趣のひとときでした。

【イベントの詳細はこちら!】
21世紀の文人墨客が集う電子の夕涼み。「electronic evening 2010 電子音楽の夕べ」(8/28,29)

杉本家住宅の屏風祭、一足早くお邪魔して来ました!

sugimotoke1.jpg「時代香袋扇面散二枚折」(作者・年代不詳)
通常、屏風祭は14日~16日の宵山に併せて行われるのですが、7月12日に一足早く「杉本家住宅」の屏風祭にお邪魔してきました!

多くは家の玄関先などに飾ってそこだけを公開しているのですが、中にはこのように建物の中まで入れてくださり、あちこちの部屋に作品を飾って、室内と合わせて公開しているところもあります。

飾られる作品も煌びやかな金屏風から、美しい花鳥画まで様々。どれも非常に貴重なものばかりです。

sugimotoke2.jpg熊代繍江(くましろしゅこう/1712-72)
「蘆雁図屏風」(1752)
今回のメインのひとつは、長崎出身の画家熊代繍江(くましろしゅこう/1712-72)筆「蘆雁図屏風」。21羽の雁がアシの茂る水辺で羽を休める姿を活き活きと描いた花鳥図です。

「鳥の羽の触感まで伝わってきますよね。自然を見る目、特徴をしっかりと抑えた確かな画力が感じられます」
と仰っていたのは、作品をご案内下さった学芸員で、この家に実際に暮らしていらっしゃる杉本歌子さん。確かに、一羽も同じように描かれた雁は絵にいません。どれもそれぞれ違った表情をしていて、見ていてとても楽しい作品でした。

他にも、祇園祭らしい、山鉾の図柄をあしらった扇面図(こちらは土佐光吉の作で、後陽成天皇の所持品とも言われる品だそう。400年以上も前のものとはわからないほど、鮮やかな色合いでした)など、祇園祭を題材にしたような時期にぴったりの作品も見ることが出来ました。

sugimotoke3.jpg「時代菊図屏風」(江戸初期)
白い胡粉を盛り上げて描いた白菊が、金箔の光によく映えています。
この屏風祭の素晴らしいところは、通常の展覧会と違って、部屋の設えとして自然な形で楽しめるところ。普段、展覧会でこのような作品を目にするとガラスケース越しや蛍光灯の光で見ることになりがちですが、もともと屏風は少し薄暗い、室内で飾るために描かれたもの。
自然に差し込む光が生み出す、薄暗い陰影。そして、その光を柔らかく反射して見える、薄ぼんやりとした金の光...これが、絵師が考えた「本来の絵の姿」。
それに近い状態、しかも展示するのではなく部屋の一部として鑑賞することが出来るのです。

「今では、屏風を前にしてくつろぐこともあまりできなくなってしまいましたが、ここではその屏風の空間に流れる空気感を感じてもらって、「ハレの空間をくつろぐ」感覚を味わって欲しいと思っています」
と歌子さんは仰っていました。

sugimotoke4.jpg屏風の向こうには、鮮やかな緑が美しい中庭。庭や玄関先から通り抜ける風、そして涼しげな氷柱...ついつい、居心地が良すぎて時間を忘れて長居をしてしまいそう。
全てが相まって、とても穏やかな、そしてなんとも贅沢な空間がそこには広がっています。

14日からは、同じ建物の「表の間(店の間)」で伯牙山のお会所飾りも行われます。
普段はなかなか見学が出来ない施設です。是非この祇園祭の機会に、ご覧になってみて下さい。


リンク

京都で遊ぼう1周年・特別企画 「祇園祭 GION-MATSURI 〜京都の街中がミュージアム!〜」
「屏風祭」のコーナーはこちら!

夏の特別一般公開「祇園会 屏風祭」展(杉本家住宅)