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京都で遊ぼうART スタッフブログ

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「投稿レポート」アーカイブ

実際の展覧会の様子をご紹介している展覧会レポート。
今回はボランティアライターのkeiko.hさんに、こちらの展覧会の感想レポートをお寄せいただきました!keiko.hさん、どうもありがとうございます!

「モーリス・ユトリロ」展 @美術館「えき」KYOTO
(2010/09/09-10/17)


flyer_utorillo.jpg秋深まる今の季節にぴったりな展覧会に行ってきました。
美術館「えき」KYOTOで行われている「モーリス・ユトリロ展」です。

日本でも非常に人気のあるフランス近代の画家、モーリス・ユトリロ。
重要な個人コレクションが日本で一度に公開されたことはなく、今回の展覧会は全ての作品が日本初公開だそうです!





ユトリロの絵画と、その人生。

少し薄暗い会場に入るとすぐに、ユトリロの描いた風景がいくつも目にとびこんできます。
塗り込められた油彩画に圧倒されるとともに、不思議とどこか懐かしい風景を見ているような気もしました。

作品は、「モンマニーの時代」と「白の時代」、そして「色彩の時代」という3つの時代に区分され、展覧会はその時代の移り変わりに沿って構成されていました。
作品の横にはユトリロにまつわるエピソードが添えられており、合わせて見るとより深く理解できるようになっています。


モンマニーの時代は、ユトリロが画家として初期の段階であった時代です。
アルコール依存症だったユトリロは、パリ北部のモンマニーで祖母と二人で暮らしながら、治療のために絵を描き始めました。
ユトリロは正規の美術教育を受けていないのですが、モンマニーの風景を描いた堂々とした筆遣いを見ると、それが独学によるものであることに驚かされます。
色鮮やかで厚塗りされた画面からは、ユトリロが過ごした日常の空気が伝わってくるようでした。それは、画家の描く風景が自然そのものではなく、街並みを主役にしているからなのかなと感じました。


白の時代は、ユトリロが画家として最も充実していた時代です。
少年時代、忙しい母親のもとで孤独だったユトリロは、漆喰と遊んで気を紛らわせていたそうです。この時代の作品は名前の通り白が基調とされています。ユトリロは漆喰の質感を表現するために、石灰や鳩の糞、卵の殻などを絵の具に混ぜていたそうです。確かに、普通の絵の具では出せないような白色と質感でした。

白の時代の作品の傍らに、あるエピソードが添えられていました。
後年、詩人・小説家のフランシス・カルコが、「パリの思い出に何かひとつを持って行くとしたら何にするか」とユトリロに尋ねました。ユトリロは迷わずこう答えたそうです。

―― 「漆喰」。

このようなエピソードを知ってから作品を見ると、ユトリロの描いた白がより一層、色々な思いが込められた、深みのあるものに見えてきますよね。


色彩の時代は、白の時代の重い感じとは打って変わって、明るく軽快な印象の作品が並んでいました。
人物が画面に描き入れられていることもありますが、完全に脇役という感じです。ここでもやはり、主役は街並みでした。気がついたのは、教会を描いた絵が多くなっているということ。ユトリロのカトリック信仰の表れとも考えられているそうです。


これぞユトリロ!のモンマルトル。

carbonele_utirillo.jpg
『カルボネルの家、トゥルネル河岸』(1920年頃、油彩)の
この展覧会では、ユトリロが暮らしたモンマルトルをテーマにした作品がたくさん展示されています。

たとえば、「ラバン・アジル」。「はね兎」という意味の、モンマルトルにあるシャンソン酒場です。ユトリロをはじめ、若き日のピカソや詩人アポリネールも出入りしたとか。

ユトリロはこの酒場を晩年まで繰り返し描いており、ここでは白の時代から晩年まで、同じアングルで描いた作品4点を見ることができました。
色調もタッチも、年代によって様々で、同じ建物でもこんなに見え方が変わるのだなと、違いを楽しみました。
自分が一番好きなラバン・アジルはどれか、探してみるのも面白いかもしれません。

また、「一日に一度酩酊し一点の傑作を制作した」と言われるユトリロですが、母シュザンヌ・ヴァラドンの死後、晩年は自室の小礼拝堂にこもって祈ることが増えたそうです。
ユトリロの妻リュシーは、白の時代の作品の複写を基に絵を描くことを、ユトリロに強く勧めました。白の時代の作品が最も素晴らしいと感じていたのでしょう。
しかし、晩年の作品は白の時代の作品とはまた違った印象を受けました。白の時代らしい重厚な作品は、白の時代にしか描けなかったということなのでしょうか...。

2つの年代の作品を見比べてみると、違いがよく分かるはずです。


展覧会全体を見て、ユトリロが街並みにこれだけ執着していたのはなぜだろうと考えました。そして、アルコールから抜け出すために絵筆を取ったユトリロは、お酒に酔って昔話をするように、絵を描くことを通して懐かしい街並みに思いを寄せていたのかもしれないなと思いました。
何度も繰り返し描いた風景は、画家にとって大切な存在だったに違いありません。

伊勢丹7階の「えき」は、別世界へ小トリップという感じでした。画家の人生が塗り込められたような街並みに囲まれて、ノスタルジックな世界をぜひ味わってみてください。


文責:keiko.h 編集:京都で遊ぼうART

モーリス・ユトリロ展は、10/17(日)まで開催されています。
残り期間も少なくなってきましたが、レポートを読んで「気になった!」という方、まだ間に合います!こちらをご参考に是非足を運んでみて下さいね。
keikoさん、素敵なレポートをどうもありがとうございました!

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関連リンク

モーリス・ユトリロ展
美術館「えき」KYOTO

実際の展覧会の様子をご紹介している展覧会レポート。
今回はボランティアライターのsachihoさんに、こちらの展覧会の感想レポートをお寄せいただきました!sachihoさん、どうもありがとうございます!

「2010年NHK大河ドラマ特別展 龍馬伝」 @京都文化博物館
(2010/06/19-07/19)


flyer-ryomaden.JPG今年の大河ドラマの主人公は、現代に多くのファンを持つ坂本龍馬。大河ドラマの放送と連動して行われている特別展を見に行ってきました。

特別展は京都文化博物館の3階4階で開催されています。チケットを買ったらエレベーターで4階へ。4階が第一会場、3階が第二会場です。



予想以上のボリュームで辿る、龍馬の波乱万丈の生涯。

平日の午前中でしたが、なかなかの込み具合。
龍馬ゆかりの展示品を目の前にして、大河ドラマまたは龍馬のファンが、連れの人とあれやこれやと議論を交わしながら、興奮気味にガラスケースを覗き込んでいました。盛り上がりすぎて「もう少し小さな声でお願いします...」と注意される人もいるほど。
京都は龍馬がもっとも活躍した地であり、また暗殺により命を落とした地でもあり、非常にゆかり深い土地です。ですから、彼の出身地である高知に負けないくらい熱い龍馬ファンが多いのでしょうね。

入場すると、壁一面の大きな龍馬の写真がお出迎え。
展示は龍馬が土佐に誕生してから、京都・近江屋で暗殺されるまでを、時代の流れに沿って紹介されているので、龍馬の人生を順番にたどることができます。幕末という時代や彼にかかわった人物についても説明があり、龍馬の波乱に満ちた複雑な人生を理解しやすいようなっています。

予想以上に展示品が豊富で、4階を見ただけでかなりの充実感。
そして、あまりにも心ときめく展示品が多く、一つひとつじーっと覗き込んでいたことによる疲労感。
でも、気合を入れなおして3階へ。

ryomakinenkan.jpg近江屋を再現した部屋
参考写真:高知県立坂本龍馬記念館
第二会場へはチケットの半券を見せて入ります。少し進むと、龍馬の人生を10分にまとめたドラマ(※福山雅治さんは出演していません!)が流れていました。
観賞用にいくつか椅子が用意されているので、疲れた人はほっと一息つくのにいいかもしれません。ドラマを見ながらこれまで見てきた展示内容を頭の中で整理するのにもちょうどいいでしょう。
また、実物大で復元された龍馬と盟友・中岡慎太郎の暗殺現場「近江屋」の一室を見られるのも第二会場です。


手紙から、彼らが確かに生きていたことを実感できました。

ryoma-letter.jpg重要文化財《坂本龍馬書簡》(部分)
文久3年(1863)6月29日付 姉・乙女宛 京都国立博物館蔵
※展示期間:6月19日~7月4日
展示品には手紙が多く、龍馬が乙女姉さんに対して勝海舟に気に入られたことを自慢した手紙や、龍馬の名言として有名な「日本を今一度せんたくいたし申候」という言葉が実際に使われた手紙(左写真)も見ることができます。
乙女姉さんへの手紙が多いことや、同志の活躍を伝える手紙をその家族に書いていることなど「龍馬らしいなぁ♪」と思わずにっこりしてしまうエピソード満載!

龍馬のまわりには、個性豊かで魅力的な人物がたくさんいました。
特別展で、私が特に気になった人物は、武市半平太です。
飄々としていて自由な龍馬とは対照的に、痛々しいほどに生真面目で、その性格ゆえに悩み多き男。肖像画の中で背筋をしゃんと伸ばして正座している彼の姿を見つけて、本当にドラマに描かれていたような人だったんだろうなぁと納得。

さらに、半平太が獄中からお姉さんと奥さんに宛てて書いた手紙を見て、思わず声を挙げそうになりました。大きく勢いのある龍馬の字と比べれば、四分の一ほどの細かい字がびっしり!それでいて、字はとても丁寧で読みやすく、彼の生真面目さをそのまま反映しているように思えました。

特別展を通して感じたのは、手紙がとても生々しい史料だということです。
歴史上の人物は、実在の人物だと言われても、どこか現実味がない、遠い存在のように思いませんか?
特に、龍馬のように人気があり、小説化・ドラマ化されている人物は、特に作り上げられたキャラクターのように思えてなりませんでした。
しかし、喜びや不安、気遣いや励ましなど、手紙に込められたさまざまな想いに触れることで、彼らが確かに生きていたことが実感できたのです。


展示を見に来た人を出迎えてくれた龍馬の写真。展示の最後にもまた龍馬の写真を見ることができます。
展示を見た後は、ぐっと龍馬に近づけたような気分になって、写真の中の龍馬がしゃべり出しそうな気さえしました。

次回の「龍馬伝」が楽しみになるような特別展です。ぜひ龍馬に逢いに行ってくださいね!

文責:sachiho 編集:京都で遊ぼうART

大河ドラマ特別展「龍馬伝」は、7/19(月・祝)まで開催されています。
残り期間も少なくなってきましたが、レポートを読んで「気になった!」という方、まだ間に合います!こちらをご参考に是非足を運んでみて下さいね。
sachihoさん、素敵なレポートをどうもありがとうございました!

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関連リンク

大河ドラマ特別展「龍馬伝」(京都文化博物館)

■注目の展覧会
 坂本龍馬の生涯を辿る 特別展「龍馬伝」(特集ページ)

■京都の歩き方「幕末そぞろ旅」
 坂本龍馬編 第一回 東山・伏見
 坂本龍馬編 第二回 河原町周辺



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