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京都で遊ぼうART スタッフブログ

京都地域の美術館・博物館の情報サイト「京都で遊ぼう ART」のスタッフによるブログです。

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「お知らせ」アーカイブ

引き続き、「川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに」(京都国立近代美術館)のレポートをお送りします!

→(1)川西英と竹久夢二の交流と絆


デザイナー、アーティスト...近代の芸術家・竹久夢二の真の姿。

記者発表の際に、企画担当の山野学芸課長が強調されていたのは、

「この展覧会を通して、「近代美術史における竹久夢二」をきちんと位置づけたい」

ということでした。

実はこれまで、竹久夢二の展覧会は国立のミュージアムで開催されたことがなかったそう。
デパートなどではよく展覧会は行われていますし、私立の美術館もある竹久夢二。正直意外です。
というのも、夢二はあまり大掛かりな絵画作品を残していなかったため、画家としてはきちんとした評価をされていない傾向があったからなのだそうです。

竹久夢二と聞くと、やはり美人画や、女性をモチーフにしたイラストレーション(挿絵)作品のイメージが一般的ですし、現在も多くのファンを集めています。
しかし、竹久夢二はそれだけの作家ではない。単なるイラストレーターでも美人画家でもない。
一人の近代日本美術を代表する芸術家である。
今回の展覧会では、そんな、今までの一般的な夢二像とは違った作品も展示されています。

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例えば、今回の展覧会の目玉のひとつともなっているのが、夢二の肉筆画。
こちらの三点は今回が初公開となるのですが、イラスト風の作品に見慣れていると少し驚くのではないでしょうか。
少ない線描でとしっかりした筆のタッチで描かれた作品は、まさに日本画の技法。
イラストだけではない、「画家」としての竹久夢二が見えてきます。

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また、面白いのがこちら。
「これが竹久夢二の作品!?」と驚かされるような、まさに西洋画然とした作品です。
実は夢二は西洋画にも興味をもち、積極的にその技法を会得しようとしていたのです。



逆に夢二は日本画の技法をヨーロッパの美術学校でレクチャーしていたこともありました。
こちらはドイツのバウハウスを創立したヨハネス・イッテン氏に招かれて彼の美術学校を訪れた際に描いたもの。同じモチーフを様々な技法で描き分け、違いが分かるようにしています。


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こちらは、夢二がパターンをデザインした千代紙。
鮮やかな色使いが印象的。とてもモダンで、今市販されていてもすぐ手にとって使いたくなるようなものばかりです。

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ずらっと並んだ本!本!本!
これ、全部夢二が装丁や表紙デザインを担当したもの。立派な作品です。

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夢二は晩年の頃、榛名山の麓にアトリエを設け、そこで産業デザイン(インダストリアル・デザイン)の研究を行おうとしていました。(上写真はその計画時に描いた作品)

夢二は早くから本の挿絵や広告デザインなども手がけていたこともあって、早くから産業デザインの重要性を意識していました。そこで、自分のデザインした実用品...千代紙やポストカード、小物入れといった雑貨類を自分のプロデュースしたお店で販売する、というところまで計画していたのです。
(実際には夢二が病没したために実現しませんでしたが)

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現在、ミュージアムショップや雑貨のセレクトショップなどで、アーティストデザインの商品などは取り扱いがされていますが、夢二は戦前に既にそれを計画していたのです。
一人のアートプロデューサーとしての夢二の顔が、素敵なデザイン作品のなかから見えてきます。

夢半ばで没してしまった夢二。もう少し彼が長く生きていたら...彼の評価はまた違っていたものになっていたかもしれません。

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きっと今回の展覧会は夢二の展覧会に通い詰めている!なんて大ファンの方にも、きっと新たな発見や驚きを感じることができるものになっていると思いますよ!


関連リンク

川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに (11/11-12/25)
京都国立近代美術館

アートを支える人たちのことば。ART STAFF INTERVIEW Vol.1:山野英嗣(京都国立近代美術館)
(今回の展覧会の企画担当・学芸課長の山野さんへのインタビューです!展覧会のお話も詳しくお伺いしていますのでぜひご一読ください。)
京都の秋も本番!まだまだ序盤ですが、京都の木々も少しずつ色づいてきた感じです。
秋といえばやはり芸術の秋でしょう。
というわけで、今回は今年の秋の京都の注目展、「川西英コレクション収蔵記念展 夢二とともに」に行ってきました!

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美術館前も夢二カラーになってます!

今回の展覧会は、版画家の川西英さんがコレクションした約1000点の「川西英コレクション」のお披露目も兼ねた展覧会。

川西英さん(1894-1965)は神戸を拠点に活躍した創作版画家。カラフルな色使いで神戸の町の風景を表現した代表作の「神戸百景」は現在も人気が高く、ファンを集めています。
神戸市:神戸百景 川西 英 -百の風景をたどる旅

そんな川西さんは竹久夢二の大ファンであり熱心にその作品を収集していました。その数、コレクションの約3分の1。その中心を占めています。
また、自身も作家であった川西さんは親しいアーティストともよく作品を交換したり購入したりしていました。そこで集まった貴重な同時代の作家たちの作品も多数含まれています。

会場には川西英さんの息子さんの祐三郎さん(1923- )もいらっしゃっていました。ご自身も版画家として活躍されているのですが、神戸土産としてお馴染みの神戸風月堂のゴーフル缶に描かれているカラフルな神戸の風景版画は彼の作品です。(見覚えのある方も多いのでは?)

京都国立近代美術館では、川西さん自身の作品も所蔵しており、以前から歴代の館長さんや学芸員さんが、川西家とは交流を持っていました。そのご縁もあって、今回のコレクションの収蔵にいたったそうです。
元々は作品調査を行っていた神戸市立美術館に寄託されていたそう。しかし特に親しくしていた以前の近代美術館の館長さんがこのコレクションの価値にほれ込み、大変熱心に譲ってほしい、とお願いされていたそうで、「熱意に負けました(笑)」(祐三郎さん)とのこと。

「でも、これほどのスケールの展覧会となり、英も大変喜んでいることでしょう」(祐三郎さん)

ちなみに今回の展覧会は美術館自身のコレクションを主体とした展覧会です。いわば「収蔵品展」。

「自らのコレクションはいわばその施設そのもの、生命線です。それをいかに魅力的に見せるか、は美術館にとってもとても大きな意味があります」(企画担当・山野学芸課長)

美術館の熱意と気合もたっぷり、の展覧会!これは期待してしまいますね!

展示の見所や様子についての詳しいレポートは随時掲載していきます。まずは続きをどうぞ!

「京都で遊ぼうART」では、「夢二とともに」展の企画を担当された、山野学芸課長へのスペシャルインタビューをさせて頂きました!
もっと詳細な展覧会についてのお話はもちろん、美術館とコレクションの大切さなど、なかなか聞けないスタッフの本音を教えていただいています。
近日公開予定。お楽しみに!

2011年10月20日(木)より、京都精華大学ギャラリーフロールにて開催予定でした
「中島 伽耶子 展」 は、
主催者の事情により、開催が中止となりました。

それに伴い、展覧会情報ページも削除させていただいております。
ご理解頂きますよう、お願い申し上げます。

なお、常設展示室・2階の展示スペースは通常通りの開館となっておりますので、鑑賞可能です。



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