1. 京都で遊ぼうART
  2. スタッフブログ
  3. 「京遊こぼれ話」アーカイブ

京都で遊ぼうART スタッフブログ

京都地域の美術館・博物館の情報サイト「京都で遊ぼう ART」のスタッフによるブログです。

RSSで最新情報をお届け

「京遊こぼれ話」アーカイブ

ノンバーバルパフォーマンス「GEAR」を知っていますか?
ノンバーバルとは言語に頼らないという意味。具体的な言葉でセリフを話すことなく、キャストのパフォーマンスや光・音などの演出でストーリーを伝えるもので、世代も国籍も関係なく楽しめる舞台エンターテイメントです。

2011年からART COMPLEX1928を会場に公演を開始、現在同会場を専用劇場とし、ロングラン8年目を迎えています。
こちらにご招待を頂いたので、京都で遊ぼうARTのスタッフが行ってきました!

***

20190301_205604.jpg
GEARの物語の舞台は、近未来のとある廃工場。
おもちゃの人形を作っていたのですがそれも昔のこと、既に人々には忘れ去られ、今は4人の人間型ロボット「ロボロイド」だけが工場が廃業していることも知らずに働き続けています。
そこに、かつてこの工場で作られていたおもちゃの人形「ドール」が現れて
...というもの。

会場になっている「ART COMPLEX1928」は、元々戦前に建てられた新聞社の建物の屋根裏スペースを利用した劇場、GEARの公演が始まってからは内部の装飾もGEARの世界観にあわせたスチームパンク風の作りになっています。扉も工場っぽさが出ていますね!

GEARは1日2回、基本的に火曜・木曜以外の毎日行われています。
キャストは5名が日替わりで登場。
それぞれがパントマイム、マジック、ジャグリング、ブレイクダンスと、専門の異なるパフォーマーで構成されています。

キャストが違えば動きやパフォーマンスも違ってくるので、その違いを身にに来られる方や、お気に入りのキャストの日を狙って来られる方もいるなど、リピーターさんも楽しめる仕様になっています。

20190301_204232.jpg
中に入ってみると、舞台と客席の近さにびっくり!(;゚Д゚)
本当に至近距離で、それこそキャストさんに手を伸ばせば触れられるほど。こんなに間近でプロのパフォーマンスアートを見られるところもなかなかないのでは...(パフォーマーさんは皆世界大会優勝者やメディアで注目される気鋭の方などプロフェッショナル揃いです!)

劇中では、光や音の演出が入ったり、突然突風が吹いてきたり、時にはキャストさんが自ら客席に近づいてきて観客を巻き込んでくるような場面も!すっかり物語の住人、見学者というもう一人のキャストになったような気分で夢中になってしまいました。

物語も笑えるコミカルな場面からホロリとくるようなところまであり、表情やしぐさだけでキャラクターの感情も伝わり、セリフがなくとも十分話を追える仕様になっていました。
人間の動きや感覚は言葉を超える、これぞノンバーバル!

公演で使った小道具には一部持ち帰り可能なものもあったり、誕生日などの記念日の人には撮影サービスやプレゼントがあったりと、終わった後にも楽しめる要素が用意されているところもありますよ(((o(*゚▽゚*)o)))

***

GEARは、元々小さな劇場で舞台を行う可能性、観劇の機会と人口を広げることを目標にした企画だったそうです。

確かに、工場の中に入ってしまったような、物語世界自体に観客が取り込まれるような没入感は、小さな劇場空間の特性が活かされています。また、決まった場所で同じ内容の公演を長い期間毎日のように行うというスタイルもあわさって、テーマパークのステージショーのような感覚に近いものを感じます。
それは、「街に根付いた観光名所としての舞台」、「日常的に楽しめる劇場コンテンツ」という、現代における舞台芸術の在り方の提示のように思えました。
肩ひじ張らず、舞台芸術の世界に親しむには、最高の機会なのではないでしょうか!

8年という長い期間を経たGEARですが、これまでも少しずつ様々な部分でアップデートを重ねてきました。2019年は京都だけでなく千葉でも公演を行うなど、活動の幅を広げています。
もちろん、京都での公演は今後も継続。京都にお越しの際は、GEARで舞台に触れる時間も旅の日程に含めてみてはいかがでしょうか?

■ ART COMPLEX1928(GEAR専用劇場)についてはこちら
GEAR公式ホームページはこちら
DESIGN WEEK KYOTO 2019|工房見学レポート
「京都をよりクリエイティブな街に」をコンセプトに、京都在住の職人やクリエイター有志により開催されているプロジェクト「DEDIGN WEEK KYOTO」。
今年も1週間限定で実際のモノづくりの現場を公開するオープンファクトリー企画を開催されました。

DESIGN WEEK KYOTOに広報協力している「京都で遊ぼうART」では、そのうち4つの工房をスタッフが実際に見学!その様子を改めて、少しですがご紹介します。

***********


【2】三浦仏像彫刻所(仏像制作・修復)

DSCF2289.jpg2件目は「三浦仏像彫刻所」の三浦耀山さん。木彫仏像の制作や修理を行う仏師さんです。

場所は京都市役所にほど近い一角。京町家の奥に工房があります。
玄関から工房までの周辺には、材木が山と積まれていました。

仏像には金属性の鋳造仏像や塑像(粘土で造った像)、乾漆像(麻布を漆で塗りかためた張子形式の像)など様々ありますが、仏像が大量に求めらられた平安時代からは数が作りやすい木彫が中心となりました。現在新たに作られる仏像も殆どが木彫で、三浦さんも木彫を専門としています。

DSCF2166.jpg木の種類は加工しやすく香りも良いヒノキを中心に、ケヤキ、カヤ、クスノキ、カツラなど多彩です。仏像修復の際には元の仏像と同じ素材の木が必要になるほか、お客さんから素材を指定されることもあるので、様々なオーダーに応えられるよう常に多くの種類をストックしているそうです。
また、木材はそのままでは中に水分が残っていて加工に適さないため、2,3年以上は乾燥させなければいけません。そのため常に周辺は木材が山積みの状態だとか。

「大きなものや古くて良い木ほど早い者勝ちになるので、材木屋さんで良い木を見つけるとすぐに購入してしまうんですよね」と笑う三浦さん。

DSCF2214.jpg工房に足を踏み入れると、木の良い香りが部屋いっぱいに漂っていました。
工房は材木を像のサイズにカットする加工場と、彫刻作業をする部屋に分かれています。
現在はお弟子さんと2人体制で作業されているそうです。

DSCF2194.jpg壁には図面(設計図)や資料写真がびっしり!図面は基本的に全て手描きだそう。この図面を基に仏像の大まかな形や大きさを決め、パーツごとに材木をカットし組み合わせていきます。

これは現在の仏像の主流である寄木造の手法。一本の木から彫りだす一木造の場合、仏像がすっぽり収まるほどの大きな木が必要となりますが、大きな材木は手に入りにくいこと、そして小さな木材まで無駄なく使うため、寄木造が主流となっていきました。また、頭や腕などパーツごとに分けて制作することで、各部位を複数で分担して作業でき、より効率もあがるそうです。

DSCF2224.jpg「木材には限りがありますから、手持ちの木を見て、どの木をどのパーツに、どのように組み合わせるか考えるところも、腕が問われます」

この仏像の場合、左右の腕と頭・体の前半分・後ろ半分でパーツが分かれています。体を前後に分けることで内側をくりぬき、軽量化も図られています。内側にお経などを収めることもあるのでこのような作りになっているとか。
DESIGN WEEK KYOTO 2019|工房見学レポート
「京都をよりクリエイティブな街に」をコンセプトに、京都在住の職人やクリエイター有志により開催されているプロジェクト「DEDIGN WEEK KYOTO」。
今年も1週間限定で実際のモノづくりの現場を公開するオープンファクトリー企画を開催されました。

DESIGN WEEK KYOTOに広報協力している「京都で遊ぼうART」では、そのうち4つの工房をスタッフが実際に見学!その様子を改めて、少しですがご紹介します。

***********


【1】洸春陶苑(陶磁器)


DSCF2147.jpg


1件目は「洸春陶苑」の高島慎一さん。
工房は東山は今熊野エリアから細道を少し奥に行った、いくつか陶芸工房が立ち並ぶ場所にあります。

DSCF2106.jpg高島さんが手掛ける陶磁器の特徴は、京焼で用いられる技術の一つ「いっちん」。いっちんとは、ペースト状にした粘土を器の表面に絞り出し、まるでデコレーションケーキのように細かな模様を付ける装飾技法です。
「元々先代の父がやっていたんですが、今ではあまりよそでやられていないんですよね」と高島さん。お父様が早くに他界されたため、最初は技術の習得に苦労されたそうです。

DSCF2098.jpgいっちんでつけた装飾は、表面に凹凸ができるのが特徴。凸凹した模様は型で作ることも可能ですが、まるでレースがけのような繊細な文様や、その文様に沿った丁寧な色付けは手作業でなければできません。その分、細やかで複雑な装飾を美しく施すことができるのが、いっちんの利点です。

DSCF2111.jpg主な文様は七宝繋ぎなど伝統的なもの、使っている釉薬の色も所謂「三彩」と呼ばれる昔から京焼で用いられてきた色が中心です。しかし配色の妙もあってか、どれもモダンな印象を受けます。

DSCF2117.jpg白主体の作品もあり、こちらはいっちんの凹凸模様の繊細さが際立って、まるで洋食器のような風合いになっています。

「以前は色有りの作品が主体だったんですが、最近はそれにこだわらず、色味の少ない白主体のものも増えましたね。食洗器やレンジにも対応していますし、洋食器のような感じだと今のライフスタイルで使ってもらいやすいでしょうから、それを意識しています」と高島さんは言います。

高島さんの手掛ける作品は、技術的には昔から受け継がれてきたものばかりです。しかしそんな伝統の技を現代のライフスタイルや需要にあわせた使い方に適応させることで、今に活かしておられます。



  • 京都で遊ぼう総合TOP
  • 京都で遊ぼうART
  • 京都で遊ぼうMUSIC
  • 京都で遊ぼうSTAY
  • 京都の銭湯
  • 京遊本舗