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京都で遊ぼうART スタッフブログ

京都地域の美術館・博物館の情報サイト「京都で遊ぼう ART」のスタッフによるブログです。

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2012年4月アーカイブ

okazaki100ten.jpg3月に開催された「京都・岡崎百人百景」。
100人の参加者がそれぞれなつかしのインスタントカメラ「写ルンです」を手に、思い思いに岡崎の風景を写真に収めるというユニークなイベントで、話題となりました。
詳細はこちら!

このときに撮影された写真、一人27枚撮り×100人分=2,700枚の岡崎の風景を展示する展覧会が、いよいよ4月18日(水)から開催されます!

100人の、2,700通りの岡崎。その向けられる視点は人それぞれ。
ファインダーを通して浮かび上がった、普段見過ごしがちな町の魅力を、写真を通して味わってみてください。

※この展覧会は、4月に上賀茂、5月に岡崎と会場を変えて開催されます。
※上賀茂会場では2,700枚の写真すべてをひとつの会場に展示。優秀作品の表彰も行います。
※岡崎会場では特に優れた作品を選び、3箇所に分散しての展示となります。

100人のカメラマンによる、2700通りの岡崎
京都・岡崎百人百景(上賀茂展/岡崎展)


上賀茂 展

【日時】2012年4月18日(水)~24日(火) 10:00~17:00

【会場】総合地球科学研究所(〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457-4)
TEL:075-707-2340

【アクセス】
《地下鉄》烏丸線「国際会館」駅にて下車、国際会館駅バスターミナル2番乗り場から京都バス40番系統(「京都産業大学」行)もしくは50番系統(「市原」行)にて(約10分)「地球研前」下車、すぐ。
【《叡山電鉄】》鞍馬線「京都精華大前」駅、または「二軒茶屋」駅にて下車、徒歩10分。
※公共交通機関の利用をお願い致します。

シンポジウム「100人が見た京都・岡崎まち環境」

日時:2012年4月22日(日)14:00~17:00
会場:総合地球科学研究所 講演室
※定員120名・参加無料・予約不要
※優秀作品の表彰式も行います。
※終了後には、併設のダイニングにて記念パーティを開催します。(要予約/会費3,000円)
申し込みはこちら


岡崎 展

【期間】 2012年5月16日(水)~21日(月)
※好日居 会場のみ、20日(日)まで。
※開催時間は各会場によって異なります。

【会場】
Gallery Ort Project(12:00~20:00)
〒606-8341 京都市左京区岡崎西天王町84 1F
TEL:075-201-9631/MAIL:contact@gallery-ort.info
《バス》「京都会館美術館前」より徒歩3分

アートスペースカフェ メトロポリタン福寿創(11:00~19:00)
〒606-8334 京都市左京区岡崎南御所町18
TEL:075-204-8257/MAIL:metropolitan@metro.ne.jp
《地下鉄》東西線「東山」駅より徒歩10分
《バス》「動物園前」より徒歩3分/「岡崎道」より徒歩5分

茶房 好日居(13:00~18:00)
〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町91
TEL:075-761-5511
《バス》「神宮道」より徒歩すぐ
※展示は数点のみ。カフェ利用の方のみご覧いただけます。

岡崎展オープニングトーク

日時:2012年5月16日(水)18:00~20:00
会場:Gallery Ort Project
ゲスト:石川奈都子(写真家)
会費:2,000円(1ドリンク&軽食付)
※定員30名・要予約 → 申し込みはこちら

茶話会

日時:2012年5月19日(土)、20日(日) 18:00~19:30
会場:茶房 好日居
会費:1,500円(お茶・お菓子付)
※定員各日12名・要予約 → 申し込みはこちら


詳細・お問い合わせ

京都・岡崎百人百景 事務局
URL: http://okazaki100.geo.jp
MAIL:oka100@atelier-michaux.com
4月10日より細見美術館にて始まった「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展。
琳派関連作品の展示に定評のある細見美術館ですが、今回の展覧会は千葉市立美術館、姫路市立美術館との3館合同による特別企画展!
いつも以上に盛りだくさんのボリューム&豪華内容の展覧会になっています。
スタッフさんも大変気合の入ったこの展示の様子をでご紹介します!

【1】琳派と出会った大名子息・酒井抱一 はこちら
【2】江戸のマルチアーティスト・抱一 はこちら

光琳をもっと知ってほしい!キュレーター・抱一の奔走

「酒井抱一の最大の功績は、尾形光琳のフィーチャーだったといえます」
と、企画担当の岡野さんはおっしゃっていました。

というのも、尾形光琳は抱一が紹介をするまで、ほぼ忘れられた存在になっていたのです。

光琳に私淑(直接教えられたわけではないが、師として尊敬し学ぶこと)した抱一は、光琳の作品の収集と研究を熱心に行います。それは、絵を描くことだけではなく、落款やサインを年代別に調べていったり、尾形家の家計図を取り寄せてその人となりや略歴を調べたりと、まさに美術の研究者さながらだったそうです。
そしてその調査は光琳だけでなくその前の世代にあたる俵屋宗達や本阿弥光悦らにも及んでいます。

同時に抱一は、光琳の作品を集めた展覧会を開催することを考えます。

「光琳の百年忌に合わせて、光琳の作品を100点集めてお寺に展示して見てもらおう!」

抱一は方々に手を尽くし、自ら作品の借主になって光琳の作品を借り集めに奔走します。
今回の「酒井抱一展」にも、展覧会を開催したいので世話人として手助けしてほしい、急いで江戸まで会いにきてくれないか、と友人の豪商に懇願する抱一の手紙が展示されています。

その思いは報われ、1815年の6月2日、光琳の百回忌の記念法要と遺墨展が開催されました。

抱一は展覧会のために、今まで調べた資料をまとめた本の出版を準備したり、展示品や自分の知っている光琳の作品の縮図をまとめた一種の展覧会図録の作成もしていました。
結局展覧会には間に合わなかったそうですが、後にその図録は「光琳百図」として出版され、ベストセラーになります。

これは日本初の「個人の画集」でもありました。
言ってみれば、抱一は、今でいう展覧会の企画者、学芸員やキュレーターといった人の役目を担ったのですね。
本当にマルチな活動をしていたこと、そしてその情熱がよく伝わってきます。

抱一とその弟子たち

展覧会には、抱一のほかにも、彼の弟子筋にあたる絵師たちの作品も併せて展示されています。
酒井の工房は大変お弟子さんが多く、一時は100名近くの在籍者がいたといいます。

抱一の弟子といえば、一番有名なのは鈴木其一(すずき・きいつ)でしょうか。
最近人気が増してきた彼ですが、抱一に比べ、其一の方がよりグラフィカルで平面的なタッチが強く感じます。

houitsu2012-10.jpg



こちらの作品は、屏風の裏面を飾っていたものだそうですが、「これ、現代の作家の作品ですよ」といってもしっくりきてしまいそう。本当にモダンなデザインになっています。

こちらの右端の「描表具」の技法を使った作品。これは、掛け軸の本来は布を貼っている部分もすべて絵として描いてしまうというもの。隣の通常の掛け軸と見比べると、違いがよくわかりますね。

houitsu2012-6.jpg


雨の中の紫陽花(あじさい)、そして赤とピンクが鮮やかでかわいらしい撫子の花。描かれている鳥は水辺に住む水鶏(くいな)。皆、夏場のモチーフです。全部夏づく しで単体の絵を描くことは少ないそうで、おそらくは春夏秋冬の4枚シリーズだったのでは、とのことです。まるで着物の絵柄のようなデザインからが印象的です。

彼のほかにも、池田弧邨(いけだ・こそん)などの様々な弟子の作品が展示されています。抱一の「江戸琳派」がどのように受け継がれたのか、共通点や違いなどを見比べながら見るとより楽しめるかもしれません。

houitsu2012-9.jpg


特に注目したいのが、こちらの酒井鶯浦(おうほ)の作品。
あまり知られていない彼ですが、抱一が大変大事にした弟子であり、養子です。抱一が亡くなった後には、彼のアトリエだった寺院を受け継いでいます。

彼はもともと寺院の住職だったこともあり、早いうちから仏画を描いていたそうで、この作品も仏画。
小さな画面に、非常に緻密な筆致で丁寧に仏様の姿が描かれています。
しっかりお経の文も描かれており、その技量に驚かされます。
この絵の作業が元で、鶯浦は目を悪くしてしまうほどだったそうで、抱一がそんな弟子を案じる手紙も残されているのだとか。本当にそんな心配をしたくなるほどの細かさ!ぜひ現物を見て確認してみてください。


**********

最後に、企画担当の岡野さんにお話を伺いました。

「今回の展覧会では、江戸琳派だけでない、酒井抱一のさまざまな面を見てもらいたいと思い、いろいろな作品を集めた構成にしました。細見美術館の所蔵品も琳派のイメージが強いですが、実は抱一の作品は琳派的な作品もたくさんコレクションに含まれているんですよ。
小さな作品、プライベートな作品に素晴らしいものが多いので、ぜひ実物を見に来てください」

ちなみに、岡野さんのお勧め作品は後期(5/2-13)に登場予定の「四季花鳥図巻」。
めくるごとに次々に四季の草花が広がっていき、その中に無視や動物の姿がちりばめられている色鮮やかな絵巻です。
「まるで植物園のようなにぎやかさです。作風も、琳派らしいものもあればとても写実的な筆致のものもあって、抱一らしさの詰まった作品だと思います」
なんとせみの抜け殻まで描いてあるとか。(しかも気合が入りまくりだそう...)
登場が楽しみです!

(取材にご協力いただいた岡野さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました!)


***********

【番外編:ミュージアムショップ】

houitsu2012-11.jpg


今回は特設「酒井抱一&琳派コーナー」がミュージアムショップに登場!
絵巻全部をそのままミニチュア化したものなど、ユニークなグッズがそろっています。
一筆箋やクリアファイルの種類も普段よりずっとたくさん取り揃えられていますよ!
また、今回は特別にハードカバーの立派な図録も用意されています。
普段はあまり図録を出すことがない美術館なので、これは大変レアものです。

展覧会の後はぜひこちらもチェック!

展覧会情報

酒井抱一と江戸琳派の全貌(細見美術館)4/10~5/13(三期構成・展示替有)

※ 途中で展示替がございます。ご紹介している作品が展示されていない場合もございますので、あらかじめご確認下さい。

4月10日より細見美術館にて始まった「酒井抱一と江戸琳派の全貌」展。
琳派関連作品の展示に定評のある細見美術館ですが、今回の展覧会は千葉市立美術館、姫路市立美術館との3館合同による特別企画展!
いつも以上に盛りだくさんのボリューム&豪華内容の展覧会になっています。
スタッフさんも大変気合の入ったこの展示の様子をでご紹介します!

【1】琳派と出会った大名子息・酒井抱一 はこちら

江戸のマルチアーティスト・抱一


琳派だけじゃない、抱一の人間像。

尾形光琳の画を熱心に学んだ抱一が、自分のアレンジを加えて生み出した画風は、「江戸琳派」として京都のそれとはまた違った流れとなります。
しかし、「江戸琳派」のイメージが強い抱一ですが、彼は琳派以外にも様々な流派の画を学び、自分の中に取り入れていた「マルチアーティスト」でもありました。

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たとえば、抱一はあまり知られていませんが、仏画も手がけています。37歳で出家した抱一は、その後アトリエと住居を兼ねた小さな寺を持ち、そこで画業に励みます。仏画は抱一にとって大切な仕事のひとつだったことでしょう。
もちろん、抱一らしい、やわらかく繊細な線のタッチは健在です。
そしてもうひとつ特徴的なのは青や緑などの色の鮮やかさ。

「とにかく絵の色が素晴らしくいい。物凄く高価で質のいい絵の具を手に入れていて、それを惜しげもなく使っているんです。これはやはり実家が裕福だった抱一だからこそできること。出家したとはいえ、やはり大名家の出であることは抱一にとって大きなバックボーンになっていたんです」(企画担当・岡野さん)

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そんな装飾的な絵を描いたかと思えば、こんなユーモラスな作品も。
こちらは「吉原月次風俗図」(の一部)。吉原の行事やかかわりの深いものなどを、十二ヶ月分に分けて描いたもので、さらりと勢いあるタッチはなんとも楽しげです。
装飾美あふれる大作も良いですが、ささやかな小品には抱一の人間味があふれています。

「若いころから吉原の遊郭に頻繁に出入りしていた抱一にとって、吉原はとても心地よい、素の自分を出せる場所だったのでしょう。だからこそ生まれた作品といえるかもしれません」(岡野さん)

ちなみに抱一は後に吉原の花魁を身請けして妻としています。当時、花魁と初めとした位の高い遊女は舞や芸事の他にも文芸にも長け、大変に知的な人たちでした。小鶯女史(しょうらんじょし)と名乗った抱一の妻もとてもできた人で、しばしば抱一の絵に書や漢詩を書いて合作をしています。
(その作品も見ることができます)

また、吉原は江戸時代において文化サロン的な役割を果たしていました。抱一も豪商や漢学者、料亭の主人など様々な人と交流しており、その出会いによって生まれた作品も数多く展示されています。
まるで絵巻物のような、雅なやまと絵(平安時代の風俗行事を描いた月次図)は豪商からの注文品。
面白いものとしては、料亭・八百善の出版した料理本にはハマグリやわさびの絵を描いています(この本には抱一のほかにも、葛飾北斎や谷文晁など当時の売れっ子絵師が数多く参加しています)。

抱一の交友関係の広さが伺えます。

「抱一が様々な画風の作品を描くことができたのは、一つの流派に弟子入りというわけではなく、自分の興味のあるものを自由に学ぶことができたからこそでしょう。
江戸琳派、としてのイメージが強い抱一ですが、それだけではない抱一の姿を知ってもらいたいと思います」(岡野さん)

デザイナー・酒井抱一

実は抱一は数多く、デザインの仕事も受けていました。
細見美術館の展示では主に第三室で抱一のデザインによる工芸作品を見ることができます。

houitsu2012-7.jpg

こちらの「蔦梅擬目白蒔絵軸盆」は、知り合いの豪商の注文で作成されたもの。
作品本体のほか、注文票や抱一が描いた下絵も残された、由緒のはっきりとした品です。
「これはもともと、別注の巻物2点の収納用に依頼されたものです。ちゃんと巻物2点分のサイズにぴったりと合うように寸法がとられています。右半分、左半分だけが見える状態でも、絵的に成立するように計算されたデザインになっているんですよ」(岡野さん)

確かに、下絵の真ん中には黒い線が引かれています。左側を隠すと、蔓の絵に。右側を隠しても枝にとまった目白の絵としてしっかりと成立っています。巻物を置いて使うことを前提に、それをうまく利用したデザインになっているんです。巧い!と思わず唸ってしまいます。

houitsu2012-8.jpg

ほかにも、こんな小さなかわいい作品も。これも皆抱一のデザインによるものです。
抱一のデザインによる工芸品、特に漆器類は塗師の原羊遊斎とのコラボレーションで多数製作され、人気を集めたといいます。「抱一デザイン」は江戸において一種のブランドとなっていたのです。
抱一は、絵師としてだけでなく、デザイナーとしての才能も素晴らしかったのがわかります。

<つづく>

展覧会情報

酒井抱一と江戸琳派の全貌(細見美術館)4/10~5/13(三期構成・展示替有)

※ 途中で展示替がございます。ご紹介している作品が展示されていない場合もございますので、あらかじめご確認下さい。



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