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京都で遊ぼうART スタッフブログ

京都地域の美術館・博物館の情報サイト「京都で遊ぼう ART」のスタッフによるブログです。

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2010年12月アーカイブ

ライターさんからの投稿レポートをご紹介。
今回は此糸さんより、ちょっと毛色が違う、京都の名所と古典の関係を紐解くレポートを頂きました。
京都の名所に秘められた、歴史と雅なエピソード。京都の旅もより楽しめます!
今回のテーマは「恋の作法」。平安の昔の「イイ女」から、恋のお作法を学んでみるのはいかが?現代にも通じるテクニックもきっとあるはずです。
(此糸さん、どうもありがとうございました!)

誓願寺と誠心院~和泉式部日記から学ぶ恋の作法


京都の繁華街、新京極通と六角通が交わるところに、誓願寺というお寺があります。
また、そこから少し南に下ると誠心院というお寺があります。
ふたつとも、平安時代の歌人である和泉式部にゆかりの深いお寺です。

和泉式部は恋多き女として知られ、道長からは「浮かれ女」とからかわれ、同僚の紫式部からも「けしからぬかたこそあれ」(『紫式部日記』)と評されています。

夫ある身でいながらの為尊親王、続く弟・宮敦道親王との和泉式部の恋愛は、京の都をだいぶ騒がせたようです。とりわけ、敦道親王との恋愛は『和泉式部日記』に詳細に描かれ、私たちは二人の恋がどのように始まったのかを知ることができます。それはまるで恋の作法のお手本のような、女と男のやりとりです。
『和泉式部日記』から学ぶ、恋の作法を見ていきましょう。

 

その一 「恋はあきらめから。」


「夢よりもはかなき世の中を、嘆きわびつつ明かし暮らすほどに、四月十余日にもなりぬれば」

これは『和泉式部日記』の冒頭になります。
この前の年の六月、和泉式部の恋人であった為尊親王は病のため亡くなっています。
夏の終わりに最愛の人を失った式部は悲嘆に暮れて日を過ごし、季節は巡り、また夏がきたのです。夏になって草木は再び生い茂り生命力を漲らせるけれども、亡きあの人は帰って来ない。女の眼は草木の陰が広く濃くなっていくほうに向き、自らの暗い心を眺めています。
男女の仲のはかなさを痛感した女の喪失感。日記を通して、女はどこか恋に対してのあきらめの態度を見せながら、だからこそ相手を強く求め、また受け入れています。

「もう恋愛はいいや」と思った時ほど、男の人が近づいてくることってありませんか?
それは女が無意識に醸しだす人恋しさや、相手への寛容さがあるからです。

その二 「恋は共感から。」


そんな女のもとに、為尊親王の弟君である敦道親王から橘の花が届けられます。

「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」(『古今和歌集』)を踏まえ、敦道親王もまた、夏になって亡き兄為尊親王を思い出しているというメッセージです。
あなたもまだ兄の死を悲しんでいるのではありませんか?
そうした思いやりもみえます。

一年近くの月日を孤独に嘆き悲しんでいた女にとって、同じ悲しみを共有する人がいてくれたことがどれほど救いに感じられ、慰められたか知れません。

二人の心が近づくために一番必要なものはこの「共感」ではないでしょうか。誰にも分からない、でもこの人なら分かってくれるかもしれない。そう思ったときに恋は始まるのです。


chiren.jpg京都で遊ぼうARTに、新たに連載コーナーが誕生します!

京都出身の若手小説家木爾チレンさんをお迎えし、
エッセイ形式でアートを語って頂くブログ「チレントアート。」を新たに公開することになりました。

木爾チレンさんは京都生まれ京都育ち、新進気鋭の若手女性作家さんです。
新潮社主催の「第9回女による女のためのR-18文学賞」にて、優秀賞を受賞されました。
※この文学賞は、女性作家限定の「性」をテーマとした女性のための新たな作品を募集した文学賞です(R-18のタイトルがついていますが官能小説の賞ではないので年齢制限のあるものではありません)
選考委員はいずれも直木賞作家の角田光代さん、山本文緒さん、唯川恵さん!(豪華!)
過去の受賞作家さんには、「花宴道中」で書店でも話題となった宮木あや子さんなど、活躍されている作家さんが多数いらっしゃいます。
文学賞についてはこちら(新潮社公式ホームページ)

元々芸術鑑賞がお好きということで、時間があればよく展覧会やアートスポットに足を運ばれているそう。作品の中にも生かされているとか。
そんな彼女が日々の中で見つけたアートを、徒然と綴っていきます。

因みに、第1回は先日12月12日まで何必館・京都現代美術館にて開催されていた
ロニスの見つめたパリの自由 WILLY RONIS 展」がテーマです。

現役の京都女子によるアートのお話。
随時ブログは更新、記事が連載されていきますので、是非チェックしてみて下さい!

木爾チレン・ブログ「チレントアート。」はこちら

木爾チレン プロフィール

1987年京都生まれ。
2009年に短編「溶けたらしぼんだ。」で第9回女による女のためのR-18文学賞を受賞、本格的に作家デビュー。現在は小説・エッセイなど、様々に執筆活動を行っている。
趣味は芸術鑑賞。現在も京都在住。


「京都で遊ぼうART」では、他にもここだけの連載記事・特集を数多く掲載しています。
色々な切り口から京都のアートをご紹介しておりますので、こちらも併せてご覧下さい!

kan trip.jpgかつて、日本の家では屏風や掛け軸などは皆、夜は蝋燭の僅かな灯りで眺めるものでした。
現在ではなかなか機会のないそんな楽しみ方ができる日本画展が、12月15日~26日まで開催されます!

この展覧会では、水をテーマに金箔を用いた絵を制作されている日本画家・菅かおるさんによる作品を展示。
今回の展示作品は「蝋燭の光で見る」ことをコンセプトに作られているそう。
ギャラリーの開館時間もあえて夜間にし、和蝋燭の灯火の中で、作品を鑑賞することが出来ます。
ゆらゆら揺れる橙色の蝋燭の灯りを、金箔がやんわりと反射し、たゆたう水の表情もより一層引き出してくれるはずです。

日本の障壁画が金箔張りでよく作られているのも、蝋燭の灯りの効果を高めるためとも言われています。
日本古来の幽玄な空間で、蝋燭の暖かな光、金箔と水の織り成す世界を楽しんでみては?

※この展覧会は、全国各地で冬至(12月22日)前後に開催される「100万人のキャンドルナイト」の関連イベントです。


菅かおる展 「水中トリップ」

日時:2010年12月15日(水)~26日(日) 17:00~20:00
※入場無料

菅かおる プロフィール

1976年、大分生まれ。2000年京都造形芸術大学美術科日本画コース卒。
2001年に第5回公募新生展にて新生賞受賞。
2004年からは京都造形芸術大学の国際藝術研究センター研究員を務める。
他、個展・グループ展多数。千住博に師事。

菅かおるオフィシャルサイト http://web.me.com/kaorukan/kan


■ 展覧会によせて(作者コメント)

私は、水を主題に絵を制作しています。
水の表現に金箔を使用するにあたっていつも考えさせられることはその絵を鑑賞する時の光の状況です。

絵画の素材として、金箔は古代より使用されてきました。日本で箔は、雲や空、空間としての象徴であったり、様々な言葉にできない「間」の表現として使用されてきたように思います。
そして電気がなかった時代、薄暗い屋敷内で油や蝋燭の灯で観ていた絵画は、今とは全く違った表情をみせたであろうと想像できます。
蛍光灯、白熱 灯、または自然光、それぞれ光の状況によって箔の見え方は違い、他の絵画素材よりも光の影響を受けやすく、また、それこそが箔の魅力です。

今回展示する絵は蝋燭の灯りを前提として制作しました。蝋燭の灯りのもと、私の水の絵がどのような表情を見せるのかを観てみたい、という考えが事の始まりです。そしてそれならば、公開して皆様にも見て頂こうという試みになりました。


《会場・アクセス》
ギャラリーアンテナ
 (〒600-8332 京都市下京区五条堀川東入ル中金仏町215-6増田屋ビル2階D)
京都市営地下鉄烏丸線「五条」駅下車、西へ徒歩約7分
京阪「清水五条」駅下車、西へ徒歩約20分
 
※会期中には同ビル内5階A室にある、作者・菅かおるさんのアトリエをオープンスタジオとして作品展示が行われます。観覧をご希望の方はギャラリーアンテナにてお申し出ください。


《お問い合わせ》
GALLERY ANTENNA
TEL:075-353-6788
URL:http://www.antenna-re.info/




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