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京都で遊ぼうART スタッフブログ

京都地域の美術館・博物館の情報サイト「京都で遊ぼう ART」のスタッフによるブログです。

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2010年10月アーカイブ

yukososha-kirikamimushi.jpg京都北山にある古民家を利用したアートスペース「遊狐草舎(ゆうこそうしゃ)」。ここで10月25日(月)より切紙作家・小林和史さんの展覧会「切紙虫の家」が開催されます。

小林和史さんは、イッセイミヤケのファッションデザイナーを務めた後、独立。アーティスト・デザイナー・空間演出家と多彩な活動をされていらっしゃいます。
特に、ハサミと紙で作り出すリアルな虫は、いわばライフワーク的な作品。
3歳の頃から制作をはじめ、小学二年生の頃には、その形はほぼ完成していたそうです。
あまりのリアルさに、カマキリ(本物)が切り紙で作ったハエを、食べようとして吐き出してしまった、なんてこともあったとか。
本物の虫もだまされるほどの、リアルな「切紙虫」たちが、歴史ある古民家のあちこちに潜んでいます。いつかは、家の中に虫が入ってくるのは当たり前だった時代もありました。
そのすこし懐かしい雰囲気を味わいつつ、虫たちを探しに行ってみてはいかがでしょうか?

前回の小林和史さんの展覧会「虫展」の様子はこちら。リアル...!

小林和史「切紙虫の家」

日時:2010年10月25日(月)~31日(日) 12:00~18:00
会場:遊狐草舎
〒603-8206 京都市北区紫竹西南町17-3(今宮大徳寺西入る)

《アクセス》
市バス「大徳寺前」下車、徒歩約10分
市営地下鉄烏丸線「北大路」駅下車、徒歩約16分

《お問合せ》
TEL/FAX:075-493-9369
E-Mail:yukososha@hotmail.com
BLOG:http://www.yukososha.blogspot.com

実際の展覧会の様子をご紹介している展覧会レポート。
今回は、こちらの展覧会に関して、投稿いただきましたご感想をご紹介致します。
投稿してくださったdenさん、どうもありがとうございます!

金 理有(きむ・りゆ) 展 「麒麟幽」 @neutron kyoto
(2010/10/11-10/24)


射抜く眼の内側に潜むもの...「 金 理有 - 麒麟幽 - 」

Riyo-Kim.jpg『醜鶩発起』(2010)© RIYOO KIM
未知の星に降り立つ。
砂塵舞う彼方にうすぼんやりと見えるものは
スフィンクスのように鎮座する要塞。
大きく突き出た角のような土台の中央に
こちらをじっと見る目がある。
それ自体が巨大な生き物として機能しているような
艶かしいディテール。
ここはいつの時代なのか...
これは永遠に朽ちることのない過去の造形か、
それとも我々が想像もし得ない未来からの警告か...
などと思いを巡らしてみる。

「たじろがせる陶芸」、
そんな言い表し方もまたふさわしい作品である。

その成り立ちがなんであるかは
当然会場に来る前に承知しているはずなのだが
こと、これらの作品について言えばそれすら考える余地を
与えないほどに重く、険しく、鋭く、シビアである。
陶芸というプロセスを経たという想像を
吹っ飛ばしてしまう一撃の力がある。
それというのもこんな陶芸は見たことがないからだ。
しかし、この力は内に向かっている。
威圧的な外観は、まるで触ると身を頑に守るアルマジロか
ハリネズミのように厚い甲冑のようである。
僕などはそう、ウィッシュボーン・アッシュの
1972年発表のアルバム「アーガス」のジャケットを
思い出してしまった。
アーガスはギリシャ神話に出て来る
これとは全く逆の"百の目を持つ巨人"だが、逆もまた真なり。
堅牢な外側とそして"何もないが有る"内側。
陶芸の持つ宿命的な構造が
内的なものへの作家の強い思いのために意味を成してくる。

作家にとっての一親等(法律用語で言う)が
日本人の父であり、韓国人の母であることを受け入れ、
それを自分の中で撹拌する。
すると分離するものが内包されている...これが
インタビューで作家が言う「自我とは幅広く分散した、目には見えない
量感のような、たっぷりとした存在感」なのではないかと
勝手ながら憶測したりするのである。

美的なるものへの憧憬や、それを作り出そうとする情熱とは
また別の強い欲望が、このような一見厳しく、突き放したような
風采の作品となるのではないかとも思う。

この独特の文様は作家によれば陶芸を始める以前に影響を受けていた
ストリートカルチャーであるグラフティやタトゥー、
あるいはSFアニメや映画に現れるモチーフとシンクロしている。
それは古代と未来のどちらにも通用する
時を超えた配列記号なのかも知れない。

この作風をすでに20代で確立した作家の向かうところへ目が話せない。


文責:den 編集:京都で遊ぼうART

金 理有(きむ・りゆ) 展 「麒麟幽」は、今週末10/24(日)までneutron kyotoで開催されています。 残り期間はあとわずか、気になった方は是非足を運んでみて下さい。 denさん、素敵なレポートをどうもありがとうございました!


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関連リンク

金 理有(きむ・りゆ) 展 「麒麟幽」
neutron kyoto
kondotakahiro_mingei.jpg今回は京都での開催ではないのですが、関連した内容の展覧会が京都でも開催されているのと、ゲストが京都にゆかりのある方ということで、番外編としてこちらのイベントをご紹介します。

現在、兵庫県の伊丹市立工芸センターにて、「近藤高弘 セルフポートレート」展が開催されています。
この関連企画「シンポジウム 工芸のゆくえ」の一環として、10月24日(日)にトークイベント・鼎談「ポスト民藝」が開催されます。

出演は、展覧会の出展作家である陶芸作家の近藤高弘さんと、京都・三条烏丸の「flowing KARASUMA」の設計デザインを手がけた「graf」の服部滋樹さん
そして、環境問題を暮らしや思想から探る連続講演会「人と自然:環境思想セミナー」を主催された、総合地球研の鞍田崇さんです。

近藤さんの祖父は、京都ゆかりの人間国宝で染付の大家・陶芸家の近藤悠三。
しかし彼は「器」から意図的に離れ、「使うこと」とは離れた造形美術を手がけています。ですが同時に、「器⇔オブジェ」という図式に縛られず、陶芸、さらには工芸のあるべき姿を探究されています。
その一方で、大量生産・大量消費のあおりを受け、オブジェはおろか日常の器についても無関心となりつつある社会的傾向にも危機感を覚え、作品制作とは別にワークショップをはじめとした様々な活動も行っていらっしゃいます。

その取り組みは、服部滋樹さんが目指してこられた「個々の商品や空間だけでなく、暮らしそのものを豊かにするためのデザイン」、そして、「暮らしのカタチを問いなおす」という視点があります。

「民藝」には日常で何気なく用いているもの、暮らしそのもののスタイルに合っている品に「美しさ」を見出すのが基本的な考え方。
現代アート・デザイン・環境思想、それぞれジャンルやスタンスは異なっていますが、三者の関心は同じく「暮らし」、そして「民藝」の考え方に向いています。

近年、再び話題となりつつある「民藝」。これをふまえつつ、ライフスタイル・デザインとしてのその可能性を語り合います。


伊丹市立工芸センター
「近藤高弘 セルフポートレート」展関連企画
鼎談「ポスト民藝」

日時:2010年10月24日(日) 14:00~16:00
出演:近藤高弘(陶・造形美術家)、服部滋樹(デザイナー、graf.代表)、鞍田 崇(哲学者 、総合地球環境学研究所 特任准教授)
※聴講無料・事前申し込みは不要です。
《会場・アクセス》
旧岡田家住宅・酒蔵(伊丹市宮ノ前2丁目5番28号)
阪急伊丹駅・JR伊丹駅から徒歩5分
http://www.city.itami.lg.jp/SHISETSU/_8276/0003878.html

《お問合せ》
伊丹市立工芸センター
TEL 072-772-5557/FAX 072-772-5558
ホームページ:http://mac-itami.com

■ 京都でも「民藝」の関連展が開催中!
民藝誕生アサヒビール大山崎山荘美術館
2010年度 高麗美術館コレクション名品展 「みんなで学ぶ 朝鮮・韓国の歴史と思想」高麗美術館

こちらもチェック!
河井寛次郎 生誕120周年(全国で巡回展開催中)
河井寛次郎記念館


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