Report&Reviewレポート・レビュー

「アートフェア京都 in Hotel Monterey」行ってきました!【イベントレポート】

2010/05/26

「京都で遊ぼうART」のスタッフが、実際に行ってきた展覧会をレポート!
今回は遅くなってしまいましたが(申し訳ない...)、5/7~9までの3日間開催された、こちらのイベントのレポートをお送りします!

「アートフェア京都 in Hotel Monterey」
(2010/05/07・08・09/ホテルモントレ京都)


アートフェア京都チラシ「京都ARTNEWS」でもご紹介させて頂いていたこちらのアートイベント。


京都で活動しているギャラリーを中心に、全国から35のギャラリーが集結し、ホテルの1フロアを借り切って開催という、今までとはちょっと違った、「ホテル型アートフェア」です。

京都の有名ギャラリーは勿論、全国の名だたるギャラリーが一度にまとめて見られる!という、とっても欲張りで贅沢な内容。
でも、ホテル型のアートフェアっていったい何なんでしょう...?



一部屋ごとに一つのギャラリー!ホテルがギャラリーの"集合住宅"に。

アートフェア京都会場図会場図。黄色の字が書かれている部屋、全てギャラリー!ホテルの部屋なのでシングルやツインなど種類があります。


まず驚いたのが、会場の構成。
何と、一部屋ごとに一つのギャラリーが「入居」してしまっているんです!
例えて言うなら、ホテルがギャラリーの「集合住宅」のような状態になっている感じ。それぞれ作品も展示も全く違っているので、部屋ごとが全くの別世界のようです。

作品の見せ方も様々。
もともとかけてあった絵を外してその代わりに作品を展示したり、元々のインテリアの一部のように窓際や机の上に飾ってみたり。ベッドの上も立派な展示台になっています。
かと思えば、家具の配置を変えたり壁全体を作品で覆ったり、作品で床を一杯に埋め尽くしたり...と部屋全体をまるごと空間作品として作り変えてしまっているようなところもあったりします。

artfairkyoto2.jpg artfairkyoto3.jpg よく見ると引き出しの中にも作品が入っていたりするので、油断は禁物。(ギャラリーなかむら[京都])


そして、展示はメインルームだけではありません。
何とクローゼットやバスルームの中にも作品があったりしました!何の気なく扉を開けて、思わず「うわっ!」と声を上げてしまうことも...(笑)
バスルームは湯船を利用して、映像を映し出すインスタレーションや空間展示をしているところが多く見られました。これも、ホテルという空間ならではの演出です。
ついつい、部屋中の扉を開けて回りたくなってしまいました。何だかアトラクション気分。

artfairkyoto4.jpg クローゼットの中に家が!実はこれ、全部インスタント焼きそばの麺で出来てるんだそうです。びっくり!(アートスペース虹[京都]


普段はギャラリーという展示用のスペースを使って作品を見せるのですが、今回は元々展示用に作られたわけではないホテルの部屋が舞台。この箱を使ってどう作品を表現しようか?というポイントで、それぞれのギャラリーやアーティストの個性が特に発揮されていたように思います。

アートフェア京都のもうひとつのポイント、それは「デポジット制」
その場で気に入ったものがあれば、実際に作品を買って、我が家にお持ち帰り!もOK。これは普通の展覧会ではできない、アートフェアならではの特徴です。
でも、普段から慣れている人はともかく、ちょっとアート作品を買う、って勇気が必要な気がします...
そこを後押ししてくれるのがこの「デポジット制」というアートフェア京都ならではのユニークなシステム。
入場料の2000円分、どこのお部屋で何を購入しても、2000円分割引してもらえるんです!
また、置いてある作品も必ずしも高額なものばかりがあるわけではなく、割と手ごろな価格のつけられたものも多くありました。
中には、ちょうど2000円のもの=つまりタダで交換できてしまうものも。

「せっかくこういうイベントに来てもらったのだから、物を持ち帰るところまでいってほしい。お土産感覚で、気軽に作品を手にとって欲しいんです」そんな声をスタッフの方からもお聞きしました。

artfairkyoto6.jpg参加しているのは、ギャラリー・画廊だけではないというところも面白いポイントでした。

←こちらは画廊・ギャラリーで出版されているアートブックが大集合している「books hop」。
表紙だけでもまさに作品!な美術書やデザイン書がずらりと並んでいます。どれもこれも普通の本屋さんではお目にかかれない、ひとつひとつがとても凝ったつくりで目移りしてしまいます。
このお部屋で使われている椅子や本棚もれっきとした作品でした。



artfairkyoto8.jpg
artfairkyoto9.jpg
↑人気漫画「へうげもの」から生まれた若手陶芸家チームも参戦。
こちらは新作の陶芸作品の展示販売のほか、単行本の表紙デザイナーによる映像作品なども展示されていました。もちろん、単行本も(笑)
右 の写真、鏡の前にあるのは今回のアートフェアのために作ったという手作りのキーホルダー。漫画にも登場する古田織部や千利休といった人物をイメージした作 品になっていました。実際の織部の作品を展示している施設も多い京都で、それに発想を得た現代の作品を展示、というのもご縁が感じられます。


artfairkyoto01.jpg実を言えば、正直現代アートのイベント、そもそもギャラリー自体初心者だった私。
ですが、いざ入ってみると本当に刺激的で、一度に沢山のギャラリーやアーティストに出会うことができ、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
これを機会に、ここで出会ったギャラリーさんに今度は足を伸ばして会いに行ってみようかな、そんなきっかけにもなるイベントだったと思います。

京 都は歴史的に見ても、狩野派、琳派などなど、数多くの芸術家や作品を育んできた「アートの街」といえます。そして、今このときも、沢山のアーティストやそ れを育む場所が沢山存在している。フロアいっぱいにひしめき合うギャラリーと作品、そして沢山の人たち...京都の街が持つアートの力は健在だ、というこ とを感じました。

5月はこのアートフェア京都をはじめ、杉本家住宅での「超京都」や「鞍馬口美術界隈」が行われたほか、現在みやこめっせで開催中の「京都芸大アートフェア」、そして5/29、30にせまった「artDive#02」と、本当に沢山の現代アートのイベントが京都で開催されます!
是非、アートの街・京都の今を感じに行ってみては如何でしょうか?

なお、今回のアートフェア京都にて及びお声かけ頂きご案内して下さった皆様、スタッフの方々、本当にありがとうございました!この場を借りて、改めて御礼を申し上げます。

関連リンク

アートフェア京都 公式ホームページ
最近の記事