Exhibitions展覧会

平成22年春季企画展 扇の趣(おもむき)展

2010/03/15(月) 〜 2010/07/19(月)

角屋もてなしの文化美術館 

扇には風を送る道具として以外にも、贈答用、観賞用と様々な意味や用途があります。また、おめでたい吉祥文として様々なものの意匠にも用いられました。宴席の場であった角屋の座敷の一つ「扇の間」では、天井や欄間など彼方此方に扇があしらわれており、宴の際は食器なども全て扇尽くしとなりました。展覧会ではそんな扇の意匠に注目し、角屋に伝わる絵画や書籍、食器など様々な「扇」を意識した作品を一堂に展示します。

扇は、日本人が発明したものと言われています。

平安時代、紙の代わりに用いられていた木簡の一部に穴を開け、紐を通して何枚かを綴って持ち歩いていたところに由来するとも言われ、正式な場合には檜の薄板をつないだ檜扇が用いられます。
江戸時代の百科事典とも言える、喜多村筠庭(きたむらいんてい/「いん」は竹冠に均)著『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』(1830)によれば、風俗や身の回り品を解説しているなかで、木の扇の後に紙の扇ができたとされています。

扇は当初、特例として許された者以外は、宮中で用いることはできなかったようです。しかし後世にはむしろ、扇を持つことが礼儀とされるようになりました。その後時代を経るにつれて、扇面は絵や書をしたためた贈答用や、床飾りの鑑賞用などと、用途は様々に広がっていきます。
また、扇は末広やかはほり(蝙蝠(こうもり))とも呼ばれ、風を送るための道具としてだけではなく、
その形から物事が次第に栄えていくという状態を想像させるものでもありました。そこで、吉祥文のひとつとしても家紋や着物の文様、器などに幅広く用いられるようになりました。

角屋は、めでたい宴が催される揚屋でした。そのため、各座敷には必ず吉祥文が配されています。
その中の一つが天井に書画の扇面を貼りつけた「扇の間」。この座敷では、欄間障子の形や襖の引手、燭台の台座も扇形となっています。その上、ここで宴を催す際は食器やお膳まで扇形のものを用いて、全て扇尽くしとしていました。

今回の春季企画展では、この「扇」の意匠の面白さに注目し、角屋の所蔵する作品の中で、扇面や扇形を意識した作品を一堂に展示します。
絵画や書籍、食器、座敷のしつらいにいたるまで、多種多彩な角屋の「扇」の趣をお楽しみ下さい。


※展示物保護のため、書画作品は下記日程において展示替がございます。

1) 3月 14日~4月 18日
2) 4月 20日~5月 16日
3) 5月 18日~6月 20日
4) 6月 22日~7月 19日

展覧会概要

期間 2010/03/15(月) 〜 2010/07/19(月)
会場・開催場所 角屋もてなしの文化美術館
時間 10:00~16:00
休館日 休館:月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
料金 一般:1000円
中学・高校生:800円
小学生:500円
注意事項等 【2階の特別公開の座敷(青貝・扇の間他)について】 ※見学ご希望の際は、事前にお電話にて施設にお申し込み下さい(17:00まで受付) ※入場料の他に別途料金が必要です。大人800円、中・高生600円(小学生以下はお断りさせて頂きます) ※担当者による解説・案内つきです(定員各20名/約30分)   午前 10:15   午後 13:15 14:15 15:15
お問い合わせ TEL:075-351-0024075-351-0024
ホームページ http://www16.ocn.ne.jp/~sumiyaho/page/art_museum.html

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