Exhibitions展覧会

纏う図案―近代京都と染織図案 Ⅰ

2017/09/25(月) 〜 2017/11/02(木)

京都工芸繊維大学美術工芸資料館 

美術工芸品を作る上で欠かせない下絵。明治期、下絵は「図案」と呼ばれ、新たな意匠を生み出すべく全国で懸賞付の図案募集が行われ、また京都では学校で専門の図案教育が行われました。この展覧会ではこうした「図案」に焦点を当て、明治期を中心に描かれた図案を様々な角度から紹介します。

美術工芸作品や産業製品をつくるためには、アイデアを描いた「下絵」が必要になります。下絵を描くことにより、アイデアをかたちにする準備が進められていくのです。

明治期には下絵のことを「図案」と呼び、政府が主体となって新たな意匠を創出するよう産業界へ働きかけました。政府による奨励や産業界の危機意識もあいまって、懸賞付きの図案募集が各地で開催されるようになりました。
百貨店や呉服店が中心となって染織業の図案募集が盛んに開催されましたが、明治25年(1892)に友禅染業者の団体である友禅図案会(のちの友禅協会)が懸賞付き図案募集を開催したのが早い時期のもので、明治44年(1911)まで継続して図案を募集しました。この資料は、現在は一般財団法人京染会が保存・管理しています。該当の図案群は、文献資料と図案資料とを照合することにより、友禅協会へ応募された図案であることが判明しました。

一方、新たな図案と人材の需要は教育機関の設置へとつながり、明治24年(1891)には京都市立美術工芸学校に工芸図案科が新設され、明治35年(1902)には京都高等工芸学校が機織科、色染科、図案科の三科で設立され、教育を開始しました。専門的な教育を受けた生徒たちは、海外から新しく取り入れられたデザインと日本の伝統的な意匠の両方を習得し、新たな図案へと展開していきました。こうした新たな図案は産業界からも注目され、生徒の中には、在学中から学外の図案募集に入選する者もいて、産学のつながりが浅からぬものであったことを物語っています。

この展覧会では、こうした下絵=図案に焦点をあて、明治期を中心に描かれた図案を産業・教育の両面から紹介し、京都における工芸・産業の発展の一側面をご覧いただきます。また、応募された図案を通じて図案の発展や流行の変化、あわせて同時期に制作された染織品についてもご紹介します。ぜひご高覧ください。

展覧会概要

期間 2017/09/25(月) 〜 2017/11/02(木)
会場・開催場所 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 10月21日(土)・22日(日)
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-724-7024075-724-7024
E-Mail shiryokan@jim.kit.ac.jp
ホームページ http://www.museum.kit.ac.jp

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