Exhibitions展覧会

10名+1組（荒木由香里、衣川泰典、木村了子＋安喜万佐子、高木智広、中屋敷智生、花岡伸宏、林勇気、藤井健仁、松山賢、満田晴穂、麥生田兵吾）の現代美術作家による自主企画展です。
ジャンルの異なる作家達が「シュルレアリスム」をテーマに制作した作品を展示します。
共通のテーマの作品制作を通し、自身の表現を深める機会にするとともに、新たな表現展開の可能性を探求し、自らの表現を再確認する機会とすることを目的としています。

「シュルレアリスム」は、戦争や経済恐慌などにより憔悴していた20世紀初頭のヨーロッパにあって、1924年に文学者アンドレ・ブルトンが発した「シュルレアリスム宣言」を起点とする芸術運動です。
無意識や偶然性、夢や本能、幻想、神話、共同性をキーに、既存の論理や理性を超えて自身の内なる 領域を探索し、そこに新たな美や豊かなイメージの世界を発見しました。
それまでの倫理や価値観が大きく転換していく現実を前に、『芸術家は果たして何を考え・何をなすべきか？』という自問に対し、『自らの生み出した 作品そのものによって真摯に現実と向き合う』という当時のシュルレアリスト達の態度は、「不安・恐怖」から目を背けるのではなく、美術家がより自身 （＝人間）の内面へと興味を持ち、そこに揺るぎない真実を見いだそうとしたものであり、それは、当時の時代背景に類似点の多い現在の日本の美術作家たちにとっても、多いに参考となるものといえます。

展覧会のタイトル「溶ける魚」は、アンドレ・ブルトンが1920年代に執筆したシュルレアリスムを代表する文学作品の題名から引用されており、10名＋1組の美術作家が、現実から遊離・逃避した空想や幻想でも、現実そのものの是認や肯定、複製でもなく、自らの精神の内奥を見つめ、そこから汲み上 げた何かにカタチを与えた「つづきの現実」を提示します。
「溶ける魚」「シュルレアリスム」というキーワードに、それぞれの作家が真摯に取り組んだ結果が、鑑賞者の皆様の内に「つづき」の物語を紡ぎだします。

※この展覧会は、京都精華大学ギャラリーフロールとの同時開催です（終了日が異なります）

■ オープニングレセプション：1月12日（土）　（同日に2会場を移動して開催）
京都精華大学ギャラリーフロール 15:00～16:30
Gallery PARC 17:30～19:00