Exhibitions展覧会
岸竹堂と今尾景年 明治の千總と京都画壇
千總で下絵を手がけた、京都画壇を代表する日本画家、岸竹堂と今尾景年。2人の作品は、それまでのバラエティに乏しかった友禅染を変え、より美しく絵画的な作品を生み出しました。展覧会では、2人の絵画作品を中心に、京都画壇の画家たちが手がけた友禅染作品の数々をご紹介します。
明治7年(1874)、千總の十二代西村總左衛門は、一人の日本画家を訪ねました。
御所の襖絵も手がけた名門・岸派の岸竹堂です。形骸化した友禅染のデザインを一新したいと考えていた西村は、大胆にもその下絵を日本画家に依頼することにしたのです。
江戸時代から続く友禅染の下絵は、それまでは「画工」と呼ばれる職人の手で描かれていましたが、バラエティに乏しい文様が繰り返し用いられる状態となっていました。その一方で、明治天皇が東京に移られ、廃仏毀釈や急速な西欧化といった社会変動の中、日本画家の多くは仕事を失い、窮地に立たされていました。
実は幼いときに岸竹堂から絵を習っていた西村は、その状況を鑑み、画工たちの顧問という形で竹堂を千總に迎えようと思い立ったのでしょう。
当時、染織品の図案は絵画に比べて軽視される風潮がありましたが、竹堂は写生を重ね、実直に下絵制作に取組んだといいます。
もう一人、千總で最も活躍した日本画家がいます。それは今尾景年。明治24年(1891)、彼は千總のもとで「景年花鳥画譜」を手がけ、好評を博します。折りしも、当時は明治政府の殖産興業施策のもと海外輸出用の製品が盛んに作られ、「図案の絵画化」が推進されるなど、日本の工芸図案が注目された時代でした。
竹堂や景年が下絵を手がけた作品は、万国博覧会や内国勧業博覧会に出品され、多数の賞を獲得。画家としても、2人は京都画壇において不動の地位を築いています。そして、2人をきっかけに当時の錚々たる画家たちが、千總で仕事をするようにもなりました。
今回の展覧会では、岸竹堂と今尾景年の絵画作品を中心に、望月玉泉、梅村景山など京都画壇の画家たちが下絵を手がけた友禅染作品をご紹介します。
展覧会概要
期間 | 2014/02/21(金) 〜 2014/06/10(火) |
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会場・開催場所 |
千總ギャラリー
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時間 | 10:00~19:00 |
休館日 | 水曜日 ※展示替え、特別貸切などで臨時休館となる場合があります。 |
料金 | 無料 |
お問い合わせ |
TEL:075-211-2531075-211-2531
(075-221-3133/SOHYA TAS) |
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