Exhibitions展覧会

2018年は明治維新から150年の節目にあたります。世の中が大きく動いた明治期は、千總にとっても変革を余儀なくされた挑戦の時代であり、それを乗り越えた飛躍の時代でもありました。

明治維新間もない頃、東京遷都により京都の産業界は衰退の一途をたどっていました。そんな中で千總は、美術染織品のパイオニアとして絵画と見紛うばかりの超絶技巧で作られた友禅や刺繍の大作を世に送り出し、国内外の博覧会で数多くの賞牌を獲得。宮内省（当時）のお買い上げになるなど名声を博します。

その飛躍の裏側には、千總の染織下絵を手がけた京都の日本画家の活躍がありました。
千總は以前より交流の有った日本画家たちに美術染織品の下絵を依頼し、彼らの下絵によって高度な描写力と迫力のある画面を実現。友禅染や異臭などの染織品を、世界と渡り合える芸術としてさらなる高みに昇華させたのです。

今回の展覧会では、そんな千總の飛躍とそれを支えた明治の日本画家の活躍がうかがえる屏風作品をご紹介します。
ちょうど会期は祇園祭の宵山期間中にもあたります。京都の大店が秘蔵のコレクションを公開する「屏風祭」として、ぜひ一堂に会した明治の屏風作品をお楽しみください。