Exhibitions展覧会

著しい成長のエネルギーに満ちた中国の現代アートは、今や世界市場が熱く注目するジャンルです。
特に上海では文化大革命以降にいち早く前衛藝術の機運が芽生え、現代抽象画作家が大きく頭角を現したエリアといえます。

ギャラリー三条祇園では、この上海を中心とした抽象画の流れを「上海抽象派の現状」のテーマで、シリーズで作家をご紹介します。

第2弾となる今回取り上げるのは、曲豊国(チュウ・ファングォ)。2008年に発表した『世界』シリーズで高い評価を受けた彼は、今年2013年の3月4月には京都と鎌倉で開催されたアートフェア『観○光』にも出展しています。

画面を横切る無数の線と、その下に広がる地図のような色彩は、感情的なものや印象主義的なものを排除し、淡々と描かれています。
一見単調にも見える中に、作家は「時間」を表現しているといいます。見えず、触れられず、それでいて一番近くにあってどんどん過ぎ去っていく「時間」。経過することで様々な事柄が変化し、新しいものが生まれてくる。作家にとっては、線をえがくことそのものが自身が感じる「時間」の最も簡潔な表現方法なのです。

作品を通し、それぞれの「時間」を感じながらお楽しみください。