Exhibitions展覧会

黒崎彰「万葉」シリーズより＜近江＞：夕波千鳥／柿本人麻呂 2014年

日本を代表する現代版画家・黒崎彰の個展です。

1937年に旧満州に生まれた黒崎は、1960年代に現代木版画の旗手として華々しく登場し、以後半世紀近くにわたって現代版画界をリードしてきました。浮世絵が完成させた精緻な刷技術と精神を抽象作品の形で現代に蘇らせた黒崎の革新的な版画作品は、国内はもちろん海外でも高い評価を得ています。
この展覧会では、画壇デビューから半世紀近くにわたって現代版画界をリードしてきた黒崎の卓越した創作性を、新作・旧作35点以上でご紹介します。

万葉集からインスピレーションを得た新シリーズ『万葉』では、古代の人々がつむいだ和歌のイメージを時間や固有の文化を超越した普遍的な造形で表現しています。今回の展覧会では、「近江」「大和」の歌から10作を発表します。
また、1980年代から取り組んでいるペーパーワーク作品も新作12点を展示。紙という素材そのものの魅力を堪能できます。

この機会にぜひご高覧ください。

■ レセプション：9月20日（土）17：00～
 

黒崎彰

1937年 旧満州の大連市に生まれる。1962年 京都工芸繊維大学工芸学部意匠工芸学科卒業。1969年より日本版画協会会員。
1970年 東京国際版画ビエンナーレ・文部大臣賞、クラコウ国際版画ビエンナーレ（ポーランド）・国立美術鑑賞受賞。
1972年 第1回フィレンツェ国際版画ビエンナーレ（イタリア）・金賞
1973年 文化庁芸術家在外研修員としてハーバード大学・ハンブルグ造形芸術大学で学ぶ（～74年）。
　　　　　 その後イギリスやアメリカなどの大学にて客員講師を務める
1981年 第3回ソウル国際版画ビエンナーレ・大賞
　　　　　 京都工芸繊維大学工芸学部意匠工芸学科 教授（～87年）
1983年 ハーバード大学客員教授
　　　　　 ブルガリア国際版画ビエンナーレ・1席（バルナ）、サンフランシスコ近代美術館「現代の巨匠」展・世界版画大賞
1987年 京都精華大学芸術学部 教授（～2007年）
1989年 第1回バラトババン国際版画ビエンナーレ（インド）・特別賞
1990年 バンスカ国際木版画ビエンナーレ（チェコスロバキア）・名誉賞
1991年 個展「黒崎彰の木版画」グラスゴー美術大学美術館（イギリス・スコットランド）
1992年 ムンク研究助成選出（ノルウェー・オスロ・ムンク財団）
1999年 京都府文化功労賞
2000年 紫綬褒章受章
2002年 京都市文化功労賞
2005年 第1回北京国際版画ビエンナーレ・優秀賞
　　　　　 ライデン大学日本学研究所（オランダ）客員教授
2006年 個展「黒崎彰の木版画」ヒューストン印刷美術館（アメリカ）
2008年 瑞宝中授章受章
その他国内外で受章・個展・パブリックコレクション多数。