Exhibitions展覧会

ヴァネッサ・フランクリン個展 「Bleu」【KG+】

2014/04/12(土) 〜 2014/05/02(金)

imura art gallery 

日本在住のフランス人写真家、ヴァネッサ・フランクリンの個展。彼女はブルーシートをキーアイテムに、日本人のもつ「生命の儚さ」「日常の中の美」「個性の埋没」などの意識を写真で表面化させます。フランスで育った彼女が挑む日本の心の表現、この機会にご覧ください。(「KG+」参加イベント)

Sayo/Tokyo, March 2013/C-type print /60 x 60cm

ヴァネッサ・フランクリンは、2011年1月から日本に在住しているフランス人の写真家です。

日本で出会った新たな数々のオブジェクトの中で、特に彼女が注目したのは、ブルーのビニール・シートでした。
花見の御座から災害時まで、日常の様々な用途でも用いられるブルーシートは、現代日本文化の具象化といえると彼女は考えています。

色鮮やかな表面の下に、多数の意義を隠蔽しているオブジェクト。ブルー・シートの持つ多種多様な変異性に魅了された彼女は、スタイリストの松田晃斉(マツダ コウセイ)の協力を得て、空色のシートにくるまれた友人達を撮影し、このアイテムが持つ数々のアイデンティティを探索しはじめました。

モデルとシートの間には特別な関係が存在します。頻発する災害や、また桜の花の儚い美しさなどによって、日本人が思いを馳せる「生命の非永続性」に対する深い認識。それらが強調され、写し出されています。
そして同時に、美しい女性たちのより複雑な内面が捉えられ、モデルの優美な強さが表現されています。 

また、ファッションと商業写真の固定観念を超越させ、これらの転換も図る意味も作品は持ち合わせています。
安価で実用的なブル‒シートをエレガントな衣装に変換し、一枚のプラスチック生地をファッション・アイテムとしてリサイクルすることで、ヴァネッサは贅沢品・ブランド品の概念を屈曲させています。それは、彼女自身が属すファッションや広告写真の世界をからかい、ありふれた平凡な物の中に存在する「美」を想起させます。

また、ヴァネッサは日本特有の「制服」の重要性にも焦点を当てています。
個性を打消し、人々を分類するこの慣習的服装が示唆しているのは、集団内の関係に基づき個人を決定する日本人特有の習性であるとも彼女は考えています。
日本の都市がもつ地味な色彩、宗教建築に用いられる朱色や四季折々の柔らかな雲花などとは対照的に、ブルー・シートやピンク色のヘアーがかもし出すコントラストが、視覚的に衝撃を与える作品を生み出します。

生命の美を讃えると同時に、その儚さを表現した彼女の作品には、自然で抑制されたエレガンスが存在します。穏やかであ
りながら誘惑的であり、それでいて風刺的な意思表示を感じさせるのです。
フランスで生まれ育った彼女が、日本を示唆する数々のありきたりの常識を超えて、この美しい国とそこに住む人々の心髄に迫ることに挑戦した作品。ぜひこの機会にご覧ください。

※この展覧会は、「第2回 京都国際写真フェスティバル KYOTO GRAPHIE」(2014/4/19-5/11)のサテライト企画「KG+」の関連イベントです。

■ オープニングレセプション:2014年4月19日(土)16:00~
 

ヴァネッサ・フランクリン

1976年 フランス・パリ生まれ。1997年よりフリーランスのフォトグラファーとして活動を始める。2000年にイギリス・ロンドンへ移住しアシスタントとしてファッション・広告撮影に携わり、2002年に再びパリへ移りフリーランスとしてファッション・広告撮影を手がける。2011年に来日し、東京フォト2012・2013では委員会メンバーに選出。現在東京在住。

展覧会概要

期間 2014/04/12(土) 〜 2014/05/02(金)
会場・開催場所 imura art gallery
時間 11:00~19:00(日・月・祝 休廊)
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-761-7372075-761-7372
FAX:075-761-7362
E-Mail info@imuraart.cm
ホームページ http://www.imuraart.com

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