Exhibitions展覧会

鳥彦個展「Cave Party」

2016/12/06(火) 〜 2016/12/18(日)

GALLERY TOMO CONTEMPORARY 

マニエール・ノワールと称される銅版画メゾチントを駆使する若き銅版画家・鳥彦の個展です。人であって人でない鳥人が、光も届かず時間の流れからも見放されたような世界を生きる、実際にあるようでない、しかしもしかしたら、存在しているかもしれない世界の物語が展開します。

銅版画家・鳥彦の個展。ギャラリー知での開催は今回で5度目となります。

これまでも様々なテーマで展覧会を開催してきた鳥彦。そのプロセスにおいて、根底に流れるテーマは揺ぎ無く一貫しています。

彼が用いる技法は、マニエール・ノワールと称される銅版画メゾチント。非常に手間のかかる技法であるため西洋においてはほぼ廃れていましたが、この技法が復刻されたのは実は日本人の手によります。
浜口陽三、岩谷徹に代表されるその技法から黒が特徴とされるメゾチントですが、漆黒の色は基本的に華やかな画面とはなりません。大河のように骨太に続いている日本の美術の文脈の中で、鳥彦の描くタッチは少々特異性を放ちます。鳥人が闇の中をさ迷い、時に立ち止まりまどろむ。その世界はさながらルドンの版画作品のような、寂寥感と夢想性に溢れた独自の世界観によるものです。

漆黒の画面のなかで、怪しげなかがり火を焚きながら周りをダンスする鳥人たちがいて、何かの儀式を行っています。その世界は、大地を焦がすように照り付ける異界の太陽が世界全体の不吉な運命を暗示しているような荒廃した大地を描きます。これらは謂わば“停止”した絵画です。写真のように停止した黒い画面は不思議な魅力を醸し出します。作家の漆黒の皮膚と云ってもよいかもしれません。
画面の膜をめくるように内側に入り込めば、その下層には蠢く熱気を纏った波が飛沫をあげています。ここからは彼が現在を生き、作家として燃焼している温度の相を感じることができます。そしてその究極的に大事な、作家性ともいえる彼の時間を写真のように切断し、自らを鳥人へ置換えて画面のなかに留め置いています。

今回のテーマは“CAVE PARTY”。人であって人でない鳥人が、光も届かず時間の流れからも見放されたような世界を生きる、実際にあるようでない、しかしもしかしたら、存在しているかもしれない世界の物語です。この機会にご高覧ください。

展覧会概要

期間 2016/12/06(火) 〜 2016/12/18(日)
会場・開催場所 GALLERY TOMO CONTEMPORARY
時間 12:00~19:00
※月曜休廊
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-585-4160075-585-4160
E-Mail info@gallery-tomo.com
ホームページ http://gallery-tomo.com/

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