Exhibitions展覧会

トナカイ山のドゥオッジ ふるさかはるか 展

2014/08/30(土) 〜 2014/09/14(日)

Gallery PARC 

版画家・ふるさかはるかによる木版画・インスタレーション展。ノルウェー北極圏に暮らすサーミの人々による手工芸品ドゥオッジ(Duodji)にまつわ る言葉を基にした木版画およそ10点を展示。また、「掘り進み」と呼ばれる独特の版画制作の版木や、土絵具によるインスタレーションなどを展示します。

ふるさかはるか(1976~)は、自然素材の観察から生まれる木版画を制作している作家です。

制作にあたり、ふるさかはまず版木となる無垢の木の持つカタチやフシ、木目などと関わりながら図案を描いていきます。その木版画はいわゆる「彫り進み木版画」とも呼ばれる物で、ひとつの版木を彫って色を刷り、またその版木を彫り進めては刷るを繰り返すものです。
この手法は、最終的に版画が刷り上がった時には版木は最後の刷りの状態に彫られているため、後から同じ版画を刷ることができません。いわゆる量産・複製可能な印刷としての版画の特徴と相反する要素を持つもので、ふるさかはこれまでに多くこの手法を用いて版画制作に取り組んでいます。

また、その版木にのせる絵具は、身近な土を掘り集めて水に溶き、沈殿させて漉した「土絵の具」を多く用いています。「土絵の具」は淡く不確かにも見える色彩が特徴で、ふるさかはこれを少しずつ紙に重ね刷りしていきます。時に、版木の木目さえもが写し取られた画面には、ふるさかが見て・聞いて・感じた経験を基に、木に向き合う制作過程にあった偶然や必然、土や木や紙という自然素材との関わり合いなどの様々な要素が交錯し、そこにひとつの画を結びます。

ふるさかはこれまで、3度に渡ってノルウェー北極圏・ラップランド地域に暮らす北欧の先住民族であるサーミの人々を訪れています。
滞在は時には2ヶ月に及び、彼らと関わり・暮らし、話しをするなかで、ふるさかは「自然から受け取った素材の形を借りて自然に還す」というサーミ人の美学・哲学を強く感じ取りました。サーミ人の考え方は、身近な自然素材に必要最小限に関わり、その要素を最大限に用いるふるさかの制作姿勢と重なります。

今回の展覧会では、ふるさかが関わってきたサーミの文化のひとつで、トナカイの遊牧生活を営む彼らと関わりの深い手工芸品ドゥオッジ(Duodji)にまつわる言葉を書き留めたものを基に、木が版木となって再び木に戻る「彫り進み」による水彩木版画による作品を中心に発表します。
ドゥオッジにみるサーミの美学・哲学に習い、書き留めた言葉を基に、日ごろから収集している土や木を用い、細やかな彫りによる線の集積によって生み出された木版画は約10点。あわせて、その版木、土絵の具によるインスタレーション、トナカイの声、ブーツなどを展示します。
 

ふるさかはるか

1976年 大阪府生まれ。199年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
木版画アトリエ空中山荘 主宰。現在大阪市在住。

【個展】
2002年 「Freezer」 ヴァーサ市立図書館(フィンランド)
2004年 「FROZEN BUSH」 ギャラリーなつかb.p(東京)
2007年 「重力のゆくえ」 ギャラリーなつかb.p(東京)
2011年 「ベスカエダス山とトナカイの数え方」中之島4117ポストギャラリー(大阪)
2012年 「Twinkles on Mountains」 Cafe by the Ruins(フィリピン)

その他グループ展多数

展覧会概要

期間 2014/08/30(土) 〜 2014/09/14(日)
会場・開催場所 Gallery PARC
時間 11:00~19:00(金曜日は20:00まで/最終日は18:00まで)
※月曜休廊
料金 無料
お問い合わせ TEL:075-231-0706075-231-0706
FAX:075-231-0706
E-Mail info@galleryparc.com
ホームページ http://www.galleryparc.com

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