Exhibitions展覧会

染色作家・柏井裕香子さんの個展です。染織作品を用いた空間インスタレーションを展開します。

小作農の家に生まれた亡き祖父は、自身の日記のなかで
「やわらかき若草を背に仰向けば空行く雲と流れたくおもう」と語った。
いま有る自分は祖先や先輩のおかげと感謝し、自らも農業を続けた祖父のその一文が忘れられない。
はるか昔から日本人が生業としてきた米づくりのフィールドである「田」で、人々は何を思い、何を目にしてきたのだろう。
毎日労働に勤しみ、苦しみに心と身を震わせ、祖父のように空を眺め夢を抱き、またそれを土に埋めて…
故郷に広がる田を眺めていると、その土地に身を捧げ、働いてきた人々の残像や痕跡を追いかけてみたくなった。
そんな田で繰り広げられてきた営みを思い、作品制作に取組んだ。（柏井）
 

柏井裕香子

1983年 富山県生まれ
2006年 名古屋芸術大学 デザイン学部デザイン科テキスタイルコース専攻卒業
2010年 名古屋芸術大学大学院 デザイン研究科クラフト研究修了
2013年 富山に帰郷

【主な展覧会】
2009年 ダイテック･アートフェスティバル2009（愛知）
2011年 旧加藤邸アートプロジェクト 2011「記憶の庭で遊ぶ」（国登録有形文化財 旧加藤家住宅／愛知）
2012年 思いをまとうプロジェクト 表現から始まる支援「Noeud」（パリ、リヨン）
2013年 「イルカは大きくなるとクジラになるって本当ですか」（文化の道撞館／愛知）
　　　　　 「染＋ わたしにまつわるそめのはなし」（染・清流館／京都）