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国宝十二天像と密教法会の世界 京都国立博物館

投稿:2013年2月12日

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国宝・重要文化財・初公開などの作品が【特別展観】『国宝 十二天像と密教法会の世界』というテーマで一堂に集まっています。
それはもう素晴らしかったです。
最初から惹きつけられて最後までぐぐっと魅せられ続けます。

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今回の展覧会は「後七日御修法(ごしちにちのみしほ)」(国の幸せを祈る)と「灌頂(かんじょう)」(ご縁を結ぶ)という密教法会の世界を歴史的にわかりやすく説明されていました。
「後七日御修法」というのは平安時代に真言宗の開祖弘法大師空海によって始められた宮中行事です。
お正月の宮中行事終了後、1月8日から7日間行われるので「後七日」と呼ばれるそうです。

【第一部】国宝 国宝十二天像と後七日後修法
第1章 国宝十二天像
第2章 空海帰朝
第3章 後七日後修法のはじまり
第4章 後七日御修法の荘厳
第5章 後七日御修法のあゆみ

【第二部】灌頂とその荘厳
山水屏風と十二天屏風を中心に

展覧会場に入ってすぐ国宝十二天像(閻魔天、火天、帝釈天、伊舎那天、毘沙門天、梵天、地天、羅刹天、水天、風天、日天、月天)の姿にまず圧倒されます。
大治二年三月十三日火災焼失したので新調されたものだそうです。

第2章『空海帰朝』では、遣唐使に従い唐へ渡り密教を学び、中国密教の第一人者である恵果との出会い。
空海像や恵果像で見る当時の服装、装飾品、履物にも興味深いものがたくさんありました。
『金剛般若経開題残巻』などの空海筆の作品も素晴らしかったです。

第3章『後七日後修法のはじまり』では、『年中行事絵巻(模本)』のうち『大極殿御齋会』(京都文学研究科図書館)の京都吉田神社の禰宜で有職故実研究で知られた山田以文(1762-1835)による模本があり、これがまたおもしろいんです。
正月8日から14日まで全宗派が参列して大極殿で最勝王経を講説する法会する絵巻です。
すごい数のお坊様の1人1人の表情や姿形がみんな違うんです。
じぃっと眺めているとまるで声が聞こえて来そうで動き出しそうで、実際に目の前で祭事が行われているかのような絵巻物でした。

第4章『後七日御修法の荘厳』
「荘厳」とは飾り付けという意味だそうです。
密教では修法によって荘厳を変える為、それはそれぞれに意味のある飾りつけになっているんだそうです。
そして、密教の法具は煩悩を打ち砕くと言う意味で、インドの武器に由来する形を持つんだとか。
『後七日御修法』では、空海が唐から持ち帰った法具が今日もなお用いられているそうです。
ここでは怒りの姿で鎮め護る『五大尊像』が初公開されていました。

第5章『後七日御修法のあゆみ』
『十二天唐櫃』江戸時代のものですがとても美しい。
『後七日差図』「真言院」・「金剛界」・「胎蔵界」(初公開)
「胎蔵界」、「金剛界」は毎年交互に行われ、金剛界の年は地天と梵天が入れ替わるそうです。

第二部 灌頂とその荘厳
灌頂とは、ご縁を結ぶこと。
ご縁にも「伝法灌頂」(師と弟子を結ぶ)と、「結縁灌頂」(人々と仏を結ぶ)があり、その灌頂の儀式の場で立てられる屏風が展示されていました。

同時開催は『成立八〇〇年記念方丈記
『方丈記』鴨長明執筆
今回は巻首から巻末まで全文公開となっています。

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