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雪の日は博物館へ-京都府美術工芸新鋭展を見て-

投稿:2014年2月18日

2月8日、京都文化博物館へ京都府美術工芸新鋭展の鑑賞に行ってきました。

とは言え、メインの目的は京都を拠点として活躍されている現代美術家・ヤノベケンジ氏特別出展の「Sun Sister」という立体作品です。
別館に実物が、本館4階の展示会場に1/10スケールのデッサンが展示されていました。

ヤノベケンジ氏の作品との出会いは2009年に開催された「水都大阪2009」。
まっ黄色のアトムスーツ(放射能防護服)を着た、ちょびヒゲのちっさいおっさん・トラやんはかわいい容姿をしているけれど、その実は「未来の廃墟への時間旅行」~「廃墟からの再生(リバイバル)」というシリアスなコンセプトの元に作られたお人形さんです。
愛嬌の下に隠されたシリアスさ-これがヤノベ作品を好きになったきっかけで、今回の展示もとても楽しみにしていました。

anko201402-1.jpg

今回の「Sun Sister」は3.11後に創られた「Sun Child」という作品の新しい仲間だそうです。
「Sun Child」は「暗雲垂れ込める空に光差し込む入り口を開く存在」として手に太陽を掲げる、アトムスーツを着た男の子です。
ヤノベ氏からSisterの発するメッセージは発表されていないそうですが、歌をうたっているかのような表情(少女ながらに凛とした微笑みをたたえています)、立ち姿、アトムスーツを着用していないところからすると、Childの存在がよい方向に発展しているんじゃないかなと想像します。

新鋭展の方でも、素敵な作品!と思える日本画家さんを発見することができたので帰宅した今、ネットで作品情報や個人サイトを検索してブックマークしているところです。

色の濃淡と繊細な線が印象的で、大河内山荘庭園妙香庵の襖絵を制作された田村葵さん。
もうおひと方は、会場に展示されていたのは下品とアートのすれすれをいくような強烈な絵だったのに、これまでの作品を閲覧したら全く異なる印象の美しい絵も描いていたりと好奇心をぐいぐいそそられる服部しほりさん。(取材記事が掲載されているというトーキングヘッズ2014年1月30日発刊「和風ルネサンス~当世浮世絵絵巻」も注文してしまいました!)
今後の活動をチェックしていこうと思います。

好きな作家さんの作品を見に行った展示会で、また新しい作家さんを好きになる…昨年秋から始めさせていただいた京都で遊ぼうレポートを通じて、こういう出会いをもっとしていきたいものです。

また、この特別展のチケットで3階の「佐藤太清展」、2階の常設展(今は雛人形名品展が開催中)も見ることができ、静かな雪の日、充実した半日を過ごせました。



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