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リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の至宝(京都市美術館)

投稿:2013年4月22日

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閉館40分前に飛び込んだエントランス的な第一室は人の気配がなく、ブロンズ製の「メディチ家のビーナス」が部屋の中央から私を見降ろしていて、なんだかイタリア貴族の屋敷の中庭に迷い込んだ感じだった。
しかし、次の部屋からは圧倒される大きさと雰囲気の宗教画、肖像画の洗礼を受けることになる。

リヒテンシュタイン、知っている人は知っているだろう。しかし知らない人もいるだろう。リヒテンシュタイン公国が正式名称だ。バチカン市国もさることながら、キプロスといい、モナコといい、以外にヨーロッパには小国が多い。

リヒテンシュタイン…
スイスとオーストリアに囲まれた立憲君主制の小国。非武装中立をとり、欧州自由貿易連盟(EFTA)加盟国。面積160k㎡、人口34761人(2009年)。その歴史は、国家元首たる侯爵家のリヒテンシュタイン家がハプスブルク家の臣下として現領地を与えられ、神聖ローマ帝国に属する領邦国家リヒテンシュタイン侯国として成立した1719年に始まる。

侯爵家はリヒテンシュタインの首都、ファドゥーツの城よりも主にオーストリアのウィーンに住んでいた。ファドゥーツ城に住むようになったのは1938年からである。
侯爵家は代々優れた美術品収集に力を注ぎ、コレクションはウィーンにあったが、第二次世界大戦を機にこの城へ運び、以来秘宝のようになっていた。2004年以後、侯爵家の避暑用の住まい、ウィーンの「夏の離宮」で予約制で公開されるようになった。
今回の展覧会では、ここに展示されている作品が多く公開されている。(朝日新聞、記念号外より)

私はリヒテンシュタインの歴史を知らず、国であることすら知らずに、ただ「ヨーロッパ貴族のコレクションだ」くらいの無知状態で、閉館40分前に飛び込んだ。

これが全くの失策だった。基礎知識を持ってから鑑賞するべきであった。だが負け惜しみではなく、基礎知識と鑑賞が逆になってしまっても、素晴らしいものはすばらしい。

特に第二室の「バロック・サロン」は作品に全くキャプションがなく、予備知識のない私でも、説明のない事が不思議に思えた。後で知ったが、夏の離宮で飾られていると同じ雰囲気を味わってもらうためのこころにくい演出であった。金の縁取りの豪華な四角い鏡に映る自分にも楽しめた。テーブルもタペストリーも貴族の生活を垣間見たようだ。

肖像画もすばらしいものばかりだった。チケットやポスターに使われているルーベンスの「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」。小さな絵であったが、少女のまっすぐにこちらを見ている愛らしい目、白い肌に何ともほのかに赤い頬。また、ファン・ダイクの描いた肖像画も気品に満ちていて、素晴らしいものだった。

もし展覧会に行かれる人があったら、会場内に置かれている展示目録とその横にある「バロック・サロン」とある説明書、出口付近にある「朝日新聞記念号外」を持ちかえっていただけたら、鑑賞後により深い感慨を持って余韻に浸れることだろう。

文責:虹のSIKA

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の至宝



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