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Report & Review ボランティアライター・ブロガーの皆様からお寄せいただきました
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楽吉左衛門還暦記念展に行ってました☆

投稿:2011年3月18日


まず、東日本大震災の被災者、および地域の皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

京都という離れた地域に自分は住んでいますので、
出来る支援といえば、募金と、祈りをささげる事くらいですが、心から応援しています。

原発の件、とても心配しています。
これもまた、祈る事しか出来ませんが、対応されている方、心から応援しています。

そして、自衛隊、医療関係者、消防隊員、警察官の皆様、
支援ボランティアの皆様、頑張って乗り切ってください。

京都は平穏無事です。
今こそ、日本国民のまとまりと思いやりが試されていると思います。
自分も末端の一人として繋がっていたいと思います。


今回は「樂吉左衛門還暦記念展特別展 樂吉左衞門還暦記念Ⅱ個展「天問」以後今日まで」の感想を記載いたします。

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この樂美術館は入場料900円と言う高額美術館です。
立地は三千家と呼ばれる表千家、裏千家、武者小路千家近隣に位置します。
近くには茶道具屋さんや、お菓子屋さんもあるので、散策もお楽しみいただけますよ☆


一応近隣のお勧めスポットは茶道資料館です。

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ちなみにこの茶道資料館は400円で、展示品とお茶がいただけます☆
まぐれでミコ先生とも会えるかも知れませんYO☆

話は戻って、これが樂美術館の入り口です。ごきげんよう☆

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樂美術館リンク☆

そもそも樂とは、「千家十職」という、いわばお茶道具の職人の中でも
選りすぐりのエリートグループ10人のその1人です。
このエリートグループは長年ずっと保たれている歴史のあるグループで、
今回訪れた樂美術館は樂焼というお茶碗が有名です。

いわゆる、伝統と格式という一般ピープルには全くなじみの無い世界があるわけですが、
伝統と格式という京都人の大好きな「ええカッコしい」という側面から見ても
今回の当代(十五代)の吉左衛門の展示会はとても面白かったです。

当日はアンラッキーにも美術館で茶会が行われていたので
エントランス部分には着物着たババアが寿司詰めに座っていて展示室も全くゆっくり見れませんでした。
何なんでしょうね、うざいっす。

まあ、それは大人の部分で我慢して頂いて、仕方ないとして、
冒頭には当代のプロフィールとご挨拶が表記されており、彼の想いが伝わってきました。
意識も高く、作風も千家十職という冠ポストに酔っていなくて、
価値観も若いので、大学で教鞭を取るに適任の良い方だと思います。

ご挨拶の言葉には
自分が樂の長男と生まれて
周りから「かわいそう」や「良かったね」など様々な言葉を大人から掛けられた幼少時代、
上京し、京都から離れてみて自分の身の振り方に迷った学生時代、
常に迷い、「自分はどうなっているのだろう?」という疑問と不安があり、
還暦を過ぎて振り返ると、
伝統と格式という型の中で自分はどう主張できるのかという挑戦であったと、
では自分の挑戦をご覧ください。ということでした。

自分が思うに、当代は亡き清水九兵衛(1922-2006 彫刻家・陶芸家)を意識しているとも感じました。
それは当代の経歴(九兵衛は東京芸大図案科卒、樂当代は東京芸大彫刻科卒)や、現在の創作活動から感じるものがありました。

もちろん、作風は全く違います。
ただ、陶芸を陶芸として扱う事に限界を感じて、
別の角度から自分なりに消化してみよう、といった試みが似ていると感じました。
そもそも、十四代(先代)の吉左衛門も東京芸大彫刻科卒なのでそのレールに乗っているとも考えられますが。

さて、今回の作品展では
アフリカやインドネシアなどに行ってインスピレーションを受けているみたいで、
当代はエッセイのような自分の身の丈にあった言葉を
作品(といっても基本茶碗なのですが)に添えているのも印象的でした。
もっとブログなどを通して言葉での自分の表現などを
伝えて欲しいくらい魅力的な文章でした(役職柄困難とは思いますが)。
情熱的で意欲のある言葉なので、ぜひ大学生等の若者に見て欲しいと自分は思いました。

良い意味で楽の「土臭い」感じのテクスチャーが生涯の彼のテーマのようです。
この「土臭い」テクスチャーを、土と、釉薬のマチェールで表現する、
大変、面白い試みです。
このマチェールをうまく生かすことによって、
彼のお茶碗でお抹茶を立てたときに、
緑を頂く、自然を頂く、という力強いネイチャーな気持ちになると思います。
「野趣」とでも言いましょうか?大地のエナジーを表現しています。

自分は「アフリカンドリーム」っていう作品が好きでした。
相当、釉薬に研究した形跡が分かる情熱的でまっすぐな作品です。

もちろん、当代は、はっきり行ってしまえば、茶道具として使いやすいとか、
変革派とかいう言葉では図ってはいけません。
彼は、千家十職であると平行してアーティストなので、
アーティストとしての自由な挑戦は素晴らしいものがあります。

いかがですか?伝統と格式、型の決まった茶道という業界の中で
その範囲に嵌らずに挑戦される当代樂吉左衛門さん、
今後も大注目です☆

文責:目々沢ミコ 編集:京都で遊ぼうART

このレポートは、こちらの記事より抜粋させて頂きました(目々沢さんのブログへ)

関連リンク

特別展 樂吉左衞門 還暦記念II 個展「天問」以後今日まで
樂美術館
茶道資料館

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