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京都文化博物館 黒田清輝展|中里楓のアーティスティック探訪 74

投稿:2014年8月12日

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“He was the great master of Japanese modern western paintings.”

この画家も、アーティスティック探訪を始めていなければ、きっと知ることのなかったひとりです。

京都文化博物館
没後90年 近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展
平成26年6月7日[土]-7月21日[月・祝]

この展覧会は、この偉大な画家の生涯に沿うように、いくつかの章に分かれて展示されていました。

Ⅰ パリ留学、そして転進

6 田舎家 1888 カンヴァス・油彩
ヨーロッパの片田舎の物置小屋 
入り口の横の干草に現地の生活感がただよう
そのタッチからはバルビゾンを思い起こすことができる

11裸婦習作 1888 紙・木炭
木炭の持つやわらかさによるものなのか
肌の質感 筋肉のもりあがり 体の曲線や丸みに真実味があり
それらの隆起によって現れる影がみごとに描写されている

21 祈祷 1889 カンヴァス・油彩
なめらかなブルネットの髪を清潔に束ね
胸の前で手を合わす
軽くうつむき加減に祈る女性
その表情はおだやかなりて
あたかも若き母 幼きわが子を想う

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(絵葉書から)

第2章 パリからグレー=シュル=ロワンへ

グレー村はフォンテーヌブローの森の南端に位置します。
その地図が会場の壁に描かれていたので、スケッチしてみました。

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特2  グレーの原 1890年 カンヴァス・油彩
近くで見ると絵の具を横に塗りたくったとだけ思えるものが
    2~3歩後ろに下がってみると
    まさしくその野の原の風景が額の中に浮かび上がる

『朝妝(ちょうしょう)』  
この作品は、黒田が「卒業試験の様な心持」で描いた、鏡を前に髪を結う裸婦。
   男は女子の裸が好きで そのなめらかな肌や腰のくねりに
   かすかなエロティシズムを感じ 同時に命を宿す輝きを本能で感じるもの
   この絵にはそれがあり ゆえに惹かれる

第3章 白馬会の時代

95 湖畔 1897年 カンヴァス・油彩
 重さをまったく感じさせない油彩
 黒髪を清潔に和櫛で結い上げ
    髪の生え際の下 眉間に寄せる薄い眉にアンニュイを漂わせ
    その視線の先には 湖のほとり

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(京都文化博物館パネルから)

 智・感・情 1899年 カンヴァス・油彩
  日本人女性3人の裸婦像
  智…それはロダンの考える人を思い起こさせる 理性と知性
  感…自信 誇り それは神々しき観音を髣髴とさせる
  情…後ろめたさ 後悔 恥じらい それは人の背負う罪なのか 
      なれどその手は美しい 長い黒髪をかきあげて

第4章 文展・帝展時代

129 花野 Flowering Field 1907-15年 カンヴァス・油彩
  黒田の師・ラファエル=コランの
  《庭の隅(緑野三美人図)》の影響のある 草原の三女神

人の本質に鬼気とせまるものを感じる…
そんな展覧会でした。



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