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ART SPACE 感 村山秀紀展 吉祥の室礼に遊ぶ|中里楓のアーティスティック探訪 39

投稿:2013年12月27日

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“There are a lot of days called ‘Hare’ in Japanese in our country.”

ある日の午後、ギャラリーの入り口を掃き掃除していたgallery C.A.J.のオーナーさんに勧められて、この個展に行ってきました。

ART SPACE 感 村山秀紀展 
吉祥の室礼に遊ぶ
2013年12月5日[木]-15日[日]
pm.1:00 – pm.7:00

このギャラリーは、堀川通今宮一筋下ル東入ル、にあります。

『表具師』・・・文字や絵をかいた紙または布地をほかの織物や紙・木などにはって、巻物・掛軸にしたてる、表装を生業とする人

この個展の作家・村山秀紀さんは表具師です。
このような表装の個展は初めてです。

そして、

「ハレ」の日、「ケ」の日・・・

日本には、喜び祝う日と、そのほかの日常とを区別する考え方が昔からあります。
そのめでたいハレの日を飾る吉祥文様が、今回の個展のテーマでした。

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「鶴松雲」

空舞う鶴の茜色、灰白色の陸地に松、濃藍の海にかかる霞雲の掛軸。
ここにも日本伝統の色がちりばめられて。

この掛軸を見ていると、近江(おうみ)、尾張(おわり)、上総(かずさ)、伯耆(ほうき)、伊予(いよ)、薩摩(さつま)など、県名で呼ぶ以前の日本の風景を見ている気になります。

その伝統色はボクたち、日本人のDNAに刻まれた記憶を呼び覚ますかのようです。

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「七福神」

この掛軸は、七文字のみ。
その七人の神の個性を文字の形で表しているよう。
これは書家の川尾朋子氏の作品です。

「昨今は日本家屋も少なくなり、新築の家の造り自体も昔のものからだいぶ変わって、
このような表装もあまり活躍の場も少なくなりましたが・・・」

とは、表具師・村山秀紀さんの言葉です。

だけど、展示されている作品を見れば、間違いなく確信します、流行の家に飾っても遜色なく日本美をかもし出す、と。

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「宝船」

「これはマッチのパッケージなんですよ」

とは、ギャラリーのオーナーさんの言葉です。
今ではほとんど目にすることのないマッチ箱。子供の頃にはまだ身の回りにありました。
そのデザインは宝船で、しかも木版画でできている。
さらに名と落款までも記される手の込みよう。

「ほぁ~、すごい・・・」

今回の個展で一番気に入りました。
ちいさなパッケージに籠められた、昔日の職人の遊び心を感じることができたから。

「やぁ~!今日も日本的伝統美を満喫したぁ~!」

 



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