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無窮螺線 オガサワラミチ展(gallery near)| 中里楓のアーティスティック探訪 18

投稿:2013年10月15日

nakasato201310-6(1).jpg
“You will take a fancy to the fantastic works of this female artist.”


秋とはいえ、京都の街中を歩けばまだまだ少しは汗ばむ陽気です。
そんななか、

gallery near
無窮螺線  オガサワラミチ展
2013.9.27 fri. – 10.9 wed
12:00 – 22:00

を見てきました。

「なんだか不思議な絵があるみたい」

ということで、これは実際に本物を見なければと。
地下に続く階段をとことこ降りて、ギャラリーのなかに入ってみると、床の間形式の展示場の壁にいくつかの作品が掛けられています。


nakasato201310-6(2).jpg
「スパイラル」 2013年 297×420mm ミクストメディア  (左から四つ目)

「ほぉ~…これかぁ~…」

とお目当ての作品を見ていると、

「あ、ありがとうございます」

と作家のオガサワラミチさんご本人が挨拶してくれました。
ここのギャラリーは作家さんがいつもいらっしゃるので、直接お話を聞くことができてうれしい限りです。

そのオガサワラミチさんが言うには、

「これらの絵は、自分の中にあるものを吐き出してできたんです」

とのこと。

「わたしの体に任せて、自分の手にゆだねて線を描いてます…
最初に完成形があるというわけではなく、予想外のものができるんじゃないかという楽しさを感じながら…」

そしてこれらの作品の生まれるきっかけとなったのが、「起」という作品で、それは『線』から『立体』への架け橋になったそうです。
この小さなキャンパスが、その他の作品の母体になってます。
アーティストとしての原点…とても大切です。

そして、


nakasato201310-6(3).jpg
「起」 2013年 180 × 140 mm  ジェッソ  (左から二つ目)

「自分のシバリから解放されてこれらの絵を描きました」

というミチさんの代表作・「スパイラル」を見ていると、その独特な世界観に魅了されます。

「…北欧のおとぎの国の妖精たちが遊ぶ…ようにも見え…
カンブリア大爆発の深海生物…のようにも見えて…」

アーティストの才能が解放されたときの芸術的表現なるものは、
ボクらの脳に、

「自由に遊べ!無限を感じよ!可能性に限界はない!」

と訴えているように思えます。

nakasato201310-6(4).jpg
「無窮螺線」 2013年 2600 × 3000 mm  2600 × 2000 mm ミクストメディア

ギャラリー入り口の左横の小部屋には、その三面の壁一面に大胆なそして豪快な壁画
が描かれてます。

その壁画部屋の真ん中に立つと、作品に囲まれたときの心地よさを感じます。
そして、この大きな作品を見ているうちに、

「…線…とは…何だ?…」

と考えてみたり。
アーティストが取り付かれたように線を描くのはなぜ?

この答えは簡単には見つけられないとは思うけど、
その先の何万年後に、線が意味を持って文字になったんじゃないか、なんて思ったり。

nakasato201310-6(5).jpg

地下のギャラリーから階段をとことこ上がって外へ出て、陽の光を浴びて一言。

「ほぉ~!今日もいいもの見た~!」


(注)カンブリア爆発:5億4200万年前から5億3000万年前の古生代カンブリア紀に起こった、
今日見られる生物分類の階級のひとつ「門」が出揃った現象のこと。



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