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「フェルメールからのラブレター展」とは?

「コミュニケーション」をテーマに読み解く、17世紀オランダ絵画展。

この展覧会は、「17世紀のオランダにおけるコミュニケーションのあり方」にスポットをあて、ヨハネス・フェルメールの作品三点をはじめとした当時のオランダ絵画の巨匠たちによる名品の数々で構成した、ユニークなテーマ展です。

メールも電話もなかった時代。
家族、恋人、また仕事上の知人といった人と人との間では、顔を見合わせた直接的なコミュニケーション、もしくは手紙や伝言のような間接的なコミュニケーションがごく当たり前のものとして存在していました。
そして画家たちは、こうしたコミュニケーションによって引き起こされた人間のあらゆる感情を、自らの作品に描きました。人々が会話の際に見せる一瞬の表情やしぐさ、離れた恋人からの手紙を読んでいる時の素の反応に至るまで、実に幅広い人々の感情を表現しようとしたのです。

また同時に、画家たちは自らの作品の中にしばしば「物語」をひそませました。
作品の中には様々な小道具、例えば壁にかかった地図や絵画、楽器や日用品などが登場しますが、画家たちはそれを人物の表情やしぐさなどと共に絵の物語を解き明かす「鍵」として描きこみました。このような「寓意」の表現は当時のオランダ文化において、演劇や詩の世界にもしばしば用いられました。
その「鍵」を通し、絵画は見る者に語りかけ、「コミュニケーション」をとる力を持ち、その謎解きに私たちを引き込んでいきます。

展覧会では表現や内容別に全体を

人々のやりとり:仕草・視線・表情
家族の絆、家族の空間
学術的コミュニケーション
手紙を通したコミュニケーション

の4つの章に分け、17世紀オランダ美術における「コミュニケーション」のあり方を展観します。

人々の会話ややりとりをはじめ、絵画が伝える宗教的な意味からセクシャルなメッセージ、家族の絆の物語…その表情やしぐさ、細かな描き込みまで注目し、絵とのコミュニケーションを味わって下さい。

フェルメールからのラブレター展

オランダの風俗画


左 : ピーテル・デ・ホーホ《中庭にいる女性と子供》(ワシントン・ナショナル・ギャラリー )1658-60年 / 右 : コルネリウス・デ・マン《薬剤師イスブラント氏の肖像》(個人蔵)1667年頃

17世紀頃のオランダは、スペインから独立し東インド会社を設立して世界貿易に乗り出すなど、大変経済的に発展した時代でした。他の国に比べ王権も強くはなく、当時のヨーロッパでも最も裕福であるといわれ、貿易、文化、技術、学問でも最先端をいっていたといいます。市民の生活レベルも豊かになり、個人の家に絵を飾るようになりました。現実的な生活感覚を持つ市民たちが顧客となったことで、美術にも市民の好みが反映されるようになります。

そのため、豪勢な宗教画よりも、歴史画や肖像画、風景画、静物画、そして人々の日常生活を題材にした風俗画が数多く描かれるようになりました。(当時のオランダはキリスト教の中でもプロテスタントが主流で教会に派手な宗教画を飾らなかったのも理由のようです)

風俗画には、当時の人々の暮らしぶりや、日常に用いる道具や部屋の様子なども描かれています。また、描いた題材にユーモアや風刺の目線も含まれていたり、露骨ではないのに実は宗教的な意味や暗示があったり、と当時の人々のものの考え方なども感じられます。

ぜひ細部まで目を凝らして、じっくりと味わって見てください。

光の画家「フェルメール」とは?

「光の画家」フェルメールの作品三点が集合!

7世紀に活躍したオランダの画家の中で、最も評価の高い巨匠、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632-1675) 。
一瞬の光を捉え、その印象を暖かさまで的確に描き出すその美しい表現力は「光の画家」とも称され、世界的にも、もちろん日本でも大変ファンの多い画家の一人となっています。
しかし彼は才能には恵まれながら若くして亡くなったため、実際に描いた作品は少なく、全世界でも現在30数点しか残されていません。

そんなフェルメールの作品から、今回の展覧会では三点同時に出品、展示されます!

手紙を読む青衣の女」(アムステルダム国立美術館
手紙を書く女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー
手紙を書く女と召使」(アイルランド・ナショナル・ギャラリー

展覧会のテーマにあわせ、どれも「手紙」を画題にした作品となっています。

特に「手紙を読む青衣の女」は、年月経過による変色などを最新技術で修復が行われ、今回が修復後世界初公開となります!フェルメールがこだわりぬいて描いた光の風合いや鮮やかな色彩が蘇ったその姿を、ぜひその目に焼き付けてください。

「手紙を読む青衣の女」
(アムステルダム国立美術館)1663-64年頃

恐らく夫からのものであろう、手紙を熱心に読んでいる女性。衣装や机の布、椅子の青が特に目を引く、フェルメール作品の中でも特に有名な作品のひとつです。背景の地図にも意味合いを感じさせます。この絵にはいったいどのような物語があるのでしょうか。
※実はこの数年前に描かれたそっくりな構図の作品がもう一点、ドイツ・ドレスデンの美術館にあり、連作と考えられています。

フェルメールの愛した「フェルメール・ブルー」


左 : 「手紙を書く女」(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)1665年頃
右 : 「手紙を書く女と召使」(アイルランド・ナショナル・ギャラリー)1670年頃

フェルメールのトレードマークともいえる、鮮やかな青色。フェルメールはこの「青」をとにかく愛し、こだわりました。30数点残るフェルメールの作品のうち、彼はその半分以上の作品に「青」を使用しています。彼の用いた「青」はラピスラズリ(瑠璃)を砕いて作った絵の具から生み出されています。

当時ラピスラズリはアフガニスタンから地中海を越えてヨーロッパに輸入されていたため「ウルトラマリン(海を越えてきた)ブルー」の名で呼ばれていました。大変貴重な鉱物であり、フェルメールが活躍した17世紀、ラピスラズリは金よりも高値がついていたといいます。そのため画家たちは宗教画で聖母マリアの服など本当に重要な部分くらいにしかこの青を用いませんでした。

しかしフェルメールはこの青を全く遠慮なく、ふんだんに作品に用いたのです。お世辞にもそこまで裕福ではなかったのに…それでも彼はこの青でなければ駄目だ、と考えていたのでしょう。フェルメールが亡くなった際には多額の借金があったそうですが、その多くはこの「青」の絵の具のためのものだったのかもしれません。



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