京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

エントリー詳細

学生作家 黒木 結

インスタレーション/ )

September 20 Sat, 2014

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「KYOTO NEW WAVE」第34回目は京都市立芸術大学美術学部美術科の黒木 結さんにインタビューさせて頂きました。


取材/松岡里奈、神田遥香、豊増日菜 写真/神田 テキスト/榑谷美玖 編集/国司

 

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「commune balance」 / 2013

 

どのような活動をされていますか。

伝えたいコンセプトが一番分かるような手法を使って制作をしているので、特定の素材を使った制作をしているというよりかは、毎回作品の形態を変えながら制作をしています。 コンセプトとしては、大きな価値観、大衆からの見え方みたいなものから取りこぼされていくものをメインに作っています。

 

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「for grandma」 / 2014

 

恋愛に関する作品だと、婚姻届を使った『love is』が印象的でした。これはどのような作品なんでしょうか。

『love is』は結婚する二人の気持ちと管理されるものとして扱われる婚姻届の事務的な部分とのギャップに対して感じた疑問をその婚姻届自体に書いた作品です。 多様な家族や結婚などの”形態”に、婚姻届などに象徴される”形式”が追い付いてないのではないかという思いがあって。アメリカの文化では、養子をもらって家族になったり、結婚はしてないけど養子をもらったり、普通に子どもを産んだりと、家族形態というのは様々にあって、その様々な形にアメリカ自体も、婚姻届の方が追いついてないという現状があります。

日本も日本で、事実婚をしている方は少なくないのでもはや結婚するという風習自体に意味がなくなってきているのかもしれませんね。

 

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「love is」 / 2014

 

『commune balance』は天秤のイメージで制作されていますが、これはコンセプトが先に構想されたのか、天秤のビジュアルが思い浮かんで作り始めたのかどちらなんでしょうか。

コンセプトが先でした。この作品を作っていた当時、人と人とがコミュニケーションをとることに対してすごく思っていたことがあって。一番最初のファーストコンタクトで、この人とは話が合わないとか価値観が違うと思うと、必要を強いられない限り別にこの人とコミュニケーションをとらなくてもいいやってなることが今まで何回かあったんです。でもそういうことをして時間をおいた後に、コミュニケーションをとってみるとその人の面白さが分かることがあるんですよね。それで最初身の回りにある公園の遊具みたいな、お互いを見ながら人と人とが釣り合う状況とかコミュニケーションがとれてる状況ってどういうことだろうって考えたんです。そのときに天秤の本を読んで、私が考えていた状況ってこの形なのかもしれないなと思って天秤をモチーフにした作品を作ってみようということになったんです。 

天秤は、対等の距離からぶら下がると最初は体重の関係でどちらかにすごく傾いた状態になります。しかし、優位な側(重い方)が不利な側(軽い方)へ歩み寄れば釣り合いの法則で釣り合うことが出来るようになります。その人に好意を持ったときにその人に対して起こすアクションで、関係性が上下にも釣り合いにも変わっていくっていうことを示したかったんです。向かい合って相手の表情を見ながら自分の動きを変えていく。そういったコミュニケーションの様子を可視化しました。

 

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「commune balance」 / 2013

 

黒木さんにとってコミュニケーションはどういうものですか。

他の人の違う生き方に触れたときに、新しい価値観とか自分の違う生き方が見つかったりすることが重要だと思っています。というのも対ヒトになったときに感じる感情は理屈では言い表せない多様性があり、自分だけではなかなか見つけられないものだからです。 コミュニケーションは、それを見つけるための大切なツールだと捉えていますね。

 

『commune balance』以前の作品について教えてください。

初期の頃は主に恋愛をテーマにした作品を作っていました。例えば一年生のときに大学のSQUATという学祭の学外展示企画で制作した作品などがあります。当時付き合っていた人と別れてその人との恋愛を葬り去るという意味でお葬式のパフォーマンスと映像作品を制作しました。

 

心ここに在らず / 2011

 

大学で彫刻科に入られた理由は何ですか。

色んな素材を扱えるし自由度が高いので、私が考えているやり方で作品制作が出来そうだなと思ったからです。中学高校の時はずっと油絵を描いていて、大学に入ってからも油画に行こうと思っていたんです。でも一浪している間に自分の好きな画家とかやりたいことが見つかって、もしかしたら今までの絵を描くことではそのやりたいことや言いたいことを表現するには足りなくなるかもしれないって思ったんです。彫刻専攻に入ってインスタレーションと触れ合う機会があって、絵画には無い鑑賞者が自らその中に入ることができる感覚、作品によって圧を感じたりするリアリティっていうのが面白いなって感じていたので、彫刻でよかったなって思ってますね。

 

今後の目標を教えて下さい。

三回生の後期までは自分の作っているものに共通点が見当たらなくていつもなにか新しいものを作っている気分でした。でも四回生になってからは徐々に共通点が見つかって、作品を作るときに考えることが色々多くなってきました。少しずつ、更新していく形でも良いので、作品で的確に自分の思っていることやしたいことが伝われば良いなと思っています。

 

 


 

「伝える」。ものづくりの基本であり、最も重要なこのことがらを大切にして作品を作る黒木さん。そんな彼女の作品から溢れ出る人間的な感情がこの記事で伝えられたら幸いです。 今後の活躍も楽しみにしています。

 

 

 

 

 

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Artist Profile

黒木 結 - Yui Kuroki -

 

1991 大阪府生まれ
2011 京都市立芸術大学美術学部美術科  入学
2014 京都市立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻 在籍中
 
[グループ展]
2012 京都市立芸術大学2011年度作品展/京都市美術館 別館
2013 京都市立芸術大学2012年度作品展/京都市美術館
彫刻3回生展「親が期待しすぎる」/京都市立芸術大学
2014 京都市立芸術大学2013年度作品展/京都市美術館
colors of@KCUA INVITATION〜浮遊する意識〜/@KCUA

 


About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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