京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

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学生建築作家 太田 慎也

建築/ )

May 10 Sat, 2014

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「KYOTO NEW WAVE」第32回目は京都精華大学の太田慎也さんにインタビュー致しました。


取材/水澤知里、国司奈緒 写真/水澤 テキスト/佐賀遥菜 編集/国司

 

 

 

今までどのような活動をされていますか。

僕が尊敬している隈研吾っていう建築家がいるんですけど、その建築家の設計事務所が「800年後の方丈庵」というタイトルのプロジェクトで下賀茂神社に現代版の方丈庵を制作していて。そのプロジェクトに参加したり、クリエイティブイベントTOKYO DESIGNERS WEEKに参加したりしました。

TOKYO DESIGNERS WEEKは作業自体は単純だけどインパクトがすごくありましたね。今はやっていないけど、院生の人と一緒に上賀茂神社で照明も作りました。 iPhoneケースとかヘルメットとか自分が欲しいものを自分のやりたいように作って使ってたりもしているので、自分の作ったものが周りの人の目に触れる機会は多いです。

夏に院生のワークショップで北京に連れていってもらって、フィンランドと中国の人と一緒に建築のグループワークをしました。出来ることはかなり限られていたけれど、とても経験になりました。

 

Facebookでヘルメットの写真をたくさんあげていましたがなぜですか?

バイクが大好きなんです(笑)。

イメージしたものが形になるリアリティが面白くて、ヘルメットだけじゃなく色んなものを作っています。

 

建築を学んでいて一番楽しい作業はなんですか?

形になるときがやっぱり面白いです。実際に手を動かして形を作っていくのは楽しい。図面を描いていて徹夜をするのは疲れてくるけど、模型を組み立てるのを徹夜でしていると気づいたら朝!

仕事で手伝わせてもらっている模型などの、自分が考えたものではないものを組み立てるのも面白い。ゾーニング(※)や図面を描くことはそんなに楽しくないですが、結果的には楽しいものになりますね。

 

※ゾーニング・・・建物の空間を機能や用途別にまとめて、効率的に配置すること。

 

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ヘルメット / 2013

 

作業するにあたってこだわりや自分の姿勢として決めていることはありますか?

建築の模型を作る時の姿勢は作るものによって違っています。その模型を見る人になにを伝えたいかで全く違う。

例えば庭園の模型だったら、見る人の視線を誘導してリアルにイメージが湧くように色も形もできるだけリアリティを求めて作ったし、そうかと思えばアルミ板でつくった集合住宅の模型は車好きの人が住むための車が中心の部屋。

住むためのスペースが2m×3mに収まっていて、あとは全て車のための空間になっています。居住空間からガレージ側がガラス張りになっていて、部屋からは車が見える。人が住んでいる部屋はちゃんとガラスが閉まってるんだけど、車の空間は隙間が開いていてエンジンをカウルが包んでいるイメージで設計しました。

 

庭園の作品はどのように作られましたか?

地域を活性化するような機能を持ったもの・5m×5m×5mのキューブで一面だけオープンになっている・穴をあけたらいけない、という課題で作った模型です。

想定する敷地が植物園の裏門側という設定なので、お茶室という機能をいれて休憩できるような場所にしました。

一つのキューブを置くにしてもその他の土地の部分をどうやって使うのかと考えた時に、僕は庭も建築の一つだと考えられていることを利用しました。砂利が敷かれてて飛び石が並んでいればおそらく人はそこを歩く。その時に人は下を見て歩く。じゃあもし飛び石が終わっていたらそこで顔をあげて、自由に見れる瞬間になったりする。その次には折り返し地点の待ち合いを用意してそこに座ったら次はこういう風景が広がっている、そういうのをやってみたかったんです。

あとお茶室には茶室門という門があるのですが、まず僕の門に対する印象は、「何かしらのスイッチを切り替えてくれているもの」。門から先はお茶室というイメージで、庭でアプローチを用意して人の動きを操作する空間をつくりました。

二階のお茶室からは庭は見えなくて、北山の住宅街や山が広がっている。一階は北山の植物園での記憶を思い出したり、植物園に行ってない人が庭を回っていろんなことを追憶するお茶室です。

 

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車の集合住宅 / 2013

 

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偲庵 / 2012

 

京都で好きな建物はありますか?

王道的な答えになっちゃうんですけど、桂離宮が好きですね。

建物もそうだけど桂離宮を囲う自然は人が昔に作ったもの、それを今まで人が守っている。学ぶ部分がたくさんあります。僕の作るものはモダンな形というか近代建築だし、直接的に学ぶというよりもそこにある意味や背景的なものから学び取ることが多いです。まだまだ深くて、何回も行かないとなと思っています。

 

建築の中で一番興味があるのが住宅だと聞きました。

住宅はそこに住む家族の特色を反映していて、「この家族だからこの形がある」もの。

誰の言葉か忘れたけど「人は家をつくり、家は人をつくる」という言葉があって、例えば今は二人の家族でも家族が増えるかもしれない。ということは家族が増えたときに、部屋の用途が変化するだけでその部屋の印象が変わったり、家具も変わったりする。

建築は動かないものとしてあるけど、その感覚的な動きをどのように建築の力でもって形にするのか。建築の先生の言葉で「建築は唯一、人を動かすことのできる芸術なんだ」と聞いたときに歩かせるとか見上げさせるとか、要は作品の中に入らせるわけでそういうところがすごく面白いと感じています。

 

建築の魅力とは?

世界的に有名で評価の高い建築は確かに素晴らしくて、その時の時代背景とかとも密接に関わっている。

京都の町家を例にしても、間口の広さで税金が決まるからできるだけ狭いほうがいい。でもあまりにも狭かったら、住めない。狭く広くとるには奥を長くするしかない。だからうなぎの寝床と言われる形が生まれたのです。

それを単純に並べたら光の問題や衛生的な問題が起きるけど、それを巧みにデザインの力でもって解決する。そこが建築の魅力の醍醐味だと思います。

 

 

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みんなの森のいえ / 2014

 

建築の道を選んだきっかけは?

「物作りの最終ってなんやろな」って小学生の時に考えて、建築なのではないかと思ったのが一番の始まりです。その時から建築家か小学校の先生になりたかった。

その後の高校受験の時の作文で書いたテーマが『私の夢と高校生活』。そこでノリにのって書けたので、建築家になることを決めました。その後、建築家になりたかったわりには何もしていない普通の高校を卒業して、近畿大学を目指しました。紆余曲折もあり、昔から何かを作るのは好きだったので、精華大学に来たのですが卒業した中学も高校も自然に近いところだったので、そこで受けた影響もあって精華の山の中にある風光館は僕に合っているかなと感じます。

 

今後の活動を教えて下さい。

大学に入学する前は狭い世界で生きてきたし、考えてたことも今から考えれば浅はかなもので。だけど入学して建築をちょっとずつ勉強していく中でどんどん広がってきて、これからはメインが住宅で色んなデザインもやっていけたらと考えています。

精華を出たら、よく分からないものやとにかくすごいものを作れるようになりたい。修行をして後々は自分の事務所を持ちたいです。苦労はあってもそれを上回る楽しさがあればできるんじゃないかと思っています。

 

 

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夢見雲 / 2013

 

 

 

 



 

モノを作ることが大好きで、人を喜ばせることが大好きな太田さん。

お話を伺い、その人柄の良さと建築に対する熱い思いにこちらも学ばせて頂きました。 今後も活動を応援しています。

 


 

 

 

 

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Artist Profile

太田 慎也  - Shinya Ota -

 

1993年京都府生まれ
2012年京都精華大学 建築学科 入学
2013年ブロックガレージコンペメーカー賞 受賞

     Guoao Group design workshop 参加
     TOKYO DESIGNERS WEEK 参加
2014年野村工務店住宅設計コンペ 参加     
     Whales Design Works代表

 

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About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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