京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

エントリー詳細

学生漆作家 入澤 あづさ

漆工/ )

October 30 Wed, 2013

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『KYOTO NEW WAVE』第27回目は京都市立芸術大学 大学院で漆専攻の入澤あづささんにインタビュー致しました。


取材/松岡里奈、川久保美桜 写真/川久保 テキスト/川久保 編集/松岡

 

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遥かなる音色 −穹の光ー / 2012

 

一番最近制作した作品は何ですか?

今年の8月、ギャラリー「Kunst Arzt」でのグループ展「無限の数え方」の展示のために制作した「遥かなる音色―穹(きゅう)弦―」という作品です。

 

それはどのようなコンセプトで作りましたか。

グループ展のテーマ「無限の数え方」の"無限"というワードにインスピレーションを得て制作しました。 私にとってそのイメージが宇宙から見た地球の地平線から昇る太陽でした。その永遠に繰り返されてきた時の流れとオウムガイが持つ遥かな時の流れに共通点を見出し、重ね合わせて制作しました。正面から見た時に浮遊感を感じさせるようにしたいと思い、壁面で展示を行いました。

 

 

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遥かなる音色 ー穹 弦ー / 2013

 

作品は本物のオウムガイを使用しているそうですが、選んだ理由や経緯を詳しくお聞かせください。

オウムガイを初めて作品に取り入れたのは大学院の修了制作「遥かなる音色―羽―」と「遥かなる音色―めぶき―」からです。太古からほとんど姿を変えておらず、"生きた化石"と呼ばれることのあるオウムガイを遥かな時の流れの象徴として作品に取り入れたいと思いました。 通常、漆の加飾技法である螺鈿は板状に加工された貝を器物や立体、パネルの表面に貼り付けていき、自分の持つイメージを平面的な加飾として表現します。私は学部生の頃から"形体にともなった加飾とはどのようなものか"ということを考えていたのですが、作品を制作する中でオウムガイの特徴である真珠層や隔室の螺旋構造は、漆の装飾としてそのまま取り入れられるのではないかと考えました。

 

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遥かなる音色 ー羽ー / 2011

 

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遥かなる音色 ーめぶきー / 2011

 

それはどのように製作していますか?

私はダイレクトに素材を触りながら削りだしていき、より自然のかたちであるオウムガイと漆の造形の融合する点を見つけ出すように制作しています。オウムガイから引き出した魅力的な形などを、漆 の造形に融合させることで新たなフォルムを生み出そうとしています。 

 

京都という土地にインスピレーションを受けて作った作品はありますか。

直接的にインスピレーション受けて作ったというわけではありませんが、 学部の卒業制作で「夢幻の響」という組作品を制作した時は、古くから日本で継承されてきた素材などを用いて制作したいと考えました。「宙-太陽」・「宙-月」というハープのような楽器を思わせる作品には絹糸で作られた琵琶の弦を、「地」という太鼓の作品には京都の組紐を用いて制作しました。京都には長年の間に培われた文化や美意識が数多く残されていると感じます。 私もそういった感性を大切に制作をしたいと考えています。

 

漆工の魅力をお聞かせください。

漆の作品は一つの作品を作るのに長い時間と労力を要するので、途中とてもしんどく、もどかしく感じることもあります。しかしその分、完成する瞬間には作品にとても愛着が生まれます。また、漆と いう素材特有の漆黒の艶や光の映り込みによって変化する表情も魅力的です。その他漆は様々な素材との組み合わせが出来るので、表現の幅がとても広いということに可能性を感じます。

 

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遥かなる音色 ー穹の響ー /2012

 

今後の夢、一番挑戦してみたいことなどはありますか?

自分の納得のいく作品をもっと楽しみながら制作して、漆の魅力を発信していけたらいいなと思います。今は、目の前のことをこなすのに精一杯ですが、時間に余裕ができれば海外のレジデンスなどに参加したりして視野を広げていきたいとも思っています。

 




 

艶やかで美しいフォルムが特徴の入澤さんの作品。大好きな漆について熱く語る彼女の話から漆工の多彩な表情を垣間みることができました。これからの作品にも期待です。

 


 

 

プロフィール画像 .jpgのサムネール画像

 
 
Artist Profile

入澤 あづさ - Azusa Irizawa -

 

1983年 大阪府生まれ
現在   京都市立芸術大学 大学院美術研究科 博士(後期)課程在籍

○個展
2011 「URUSHI Exhibition 遥かなる音色」 GALLERYはねうさぎ
○グループ展
2013 「無限の数え方」 KUNST ARZT
2013 「2012年度 京都芸大博士展」 @KCUA
2012 「第24回 創工会企画 五人展」 京都文化博物館
2012 「漆芸の未来を拓く--生新の時2012--」 石川県輪島漆芸美術館

○受賞歴
2012 京都市立芸術大学修了作品展 大学院市長賞
2011 月のアート展vol.6 準優秀賞
2010 第2回 神々への捧げものART competition 京都府神社庁長賞
2010 京都市立芸術大学卒業作品展 奨励賞

○コレクション
京都市立芸術大学 芸術資料館

 

 


About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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