京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

エントリー詳細

アーティスト 川崎 夏美

油絵/ )

June 30 Sun, 2013

なっちゃんさん-01.pngのサムネール画像

 

『KYOTO NEW WAVE』 第23回目は京都市立芸術大学出身の川崎夏美さんにインタビューさせて頂きました。


取材/小川智美 写真/小川 テキスト/小川、井口美穂 編集/北牧加代乃

 

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jaco / 2012

 

今の制作スタイルはいつからですか?

今のスタイルになったのは3回生の終わり頃からです。わたしは主に植物や動物などをモチーフにして気に入った要素を抜き出して描き、そこから加筆したり拭き取ったりを繰り返して絵を仕上げています。乗せた色や形を見ながら次の一手を考えるので、完成図は頭になくて、自分でもどんな作品になるのか、仕上がるまでわかりません。 モチーフの一部分を抜き出して描くことは2回生の頃から始めましたが、その頃はモチーフそのものの本来の姿、本質的な部分を探るような気持ちで、そのものらしさが絵の中に残るように描いていたんです。3回後期に牡蠣をモチーフに描きはじめて、牡蠣としての美しさを画面に残すよりも、抜き出した質感、ヒダ、透けた内臓の色などの要素を画面の上でどう展開するかという事の方がおもしろくなってきて。モチーフの記号的意味は重要ではなくなって、描いていくためのとっかかりになるものという捉え方になってから、決まった色や形に縛られず自由に描けるようになりました。


 

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float / 2013

 

 

地元を離れ京都芸大に入学された理由を教えてください。

京都みたいに都会的でかつ伝統もあり、芸術活動が盛ん、そんな都市はなかなかないと思います。 京都で芸術を学ぶことは憧れに近かったように思います。京都芸大を選んだのは国公立の芸大の中でもとてもレベルが高いと思ったし、入学してからじっくり吟味して専攻を決められる点が魅力的だったからです。高校までなんとなく絵を描くことは好きだったけれど、具体的に何をやりたいのかはわかりませんでした。多くの芸大では、受験の時に専攻を決めなければならないし、その専攻に入るための専門的な受験対策をする事に抵抗がありました。京都芸大に来て、様々な課題をこなしたり、先輩方からの話を聞きながら自分のやりたい事をじっくり考える事が出来たのはとても良かったと思っています。

 


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Oyster -high- / 2012
 
 

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Oyster -vivid- / 2012
 
 

作品にはどんな思い入れがありますか?

まず、私が作品をつくりたくなるときは何かにときめいたときです。 小さい頃嫌いだった食べ物とか、ビジュアル的に苦手だったものとかが、急に美しく見えたりかっこいいと思えたりすることがあって、最近はそういうものをモチーフに選んで作品にしています。普段 の生活の中でも、恐れていたものとか醜いと思っていたものが、急に愛おしく思えることがあります。もちろん逆の場合もあるんですけど。それは自分が色んな事を経験して色んなものの見方ができるようになってきた証だと思うので、そのときめきは忘れずに留めていたいという思いがあります。

 
 
 
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scale / 2012

 

作品を描くことを生活にしていく上でどう捉えていますか?

自分と向き合う大事な時間だと思っています。絵を描いてなきゃ生きていけないと思ったことはないんですけど、描けない日が続くとやっぱり息苦しくて。ご飯を食べたり、古くなった服を捨てて新しいものを買ったり、テレビをつけるだけで色んな情報が入ってきたり、そういう受動的な、消費するだけの自分がすごく無意味な人間なんじゃないかと不安に駆られるときがあります。そんな不安を解 消するために自分にしか生み出せないものを求めているのだと思います。そのための行為が今の私にとっては「絵を描く」ということなんです。自分にしか作れないものを作って、その作品と向かい合うことで、相対的にいる自分の存在を確認しているというか。絵の具をねりながら、あー生きてるな 私、って救われるような気持ちになる時があります。

 

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wax / 2013

 

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pork / 2013
 

 

 
 

今後の活動を教えてください。

現在は、地元広島での展覧会を目標に制作しています。学生の頃はあまり外で展示する事がありませんでした。これからもっと多くの人に作品を見てもらえるよう積極的に作品を出していきたいと思っています。



 

 


 

作品の完成を決めず、モチーフの要素を抜き出し加筆を繰り返して描くスタイルを持つ川崎さん。色が浮かんだり沈んだりするように見え、感覚に訴えてくるような作品です。お話を伺い、彼女の描くことの対する思いを知ることができました。今後の地元での作家活動を応援しています。

 


 

 

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Artist Profile

川崎 夏美 - Natsumi Kawasaki -

1989 広島県生まれ

2013 京都市立芸術大学 美術学部 油画専攻 卒業

 

exhibition

2009 「扉」展(グループ展)  未知 展

2010 「ゆかげん」展 瞬 展 京都市立芸術大学作品展

2011 「FLAT」展  京都市立芸術大学作品展

2012 「からんころん」展(グループ展)

    京都市立芸術大学作品展 

2013 「floating and sinking」 個展

 

About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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