京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

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学生漫画家 ひぐちさとこ

マンガ/ )

December 01 Sat, 2012

 

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『KYOTO NEW WAVE』 第17回目は京都精華大学3回生のひぐちさとこさんにインタビューさせて頂きました。


取材/井口美穂、北牧加代乃 写真/北牧 テキスト/井口 編集/北牧 

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『 まよらかガール / ピーナッツ 』宙出版のWeb漫画賞「第9回ネクスト大賞」大賞受賞 / 2012

 

現在どのような活動をされていますか?

精華大学のイラストコースに在籍し、課題でイラストを描きながら漫画も描いています。漫画を始めるまでは友達三人と展覧会をしていて、立体作品やイラストを制作していました。小さい頃から趣味で描いていた漫画ですが、ホームページという発表の場を得たのをきっかけにまた描き始めました。今までは自分の好きなように楽しく書いていたのですが、賞を頂いてからは、自分以外の人に見てもらうことを意識するようになりました。また、最近では幼稚園で使う漢字教育の絵本を描かせていただく機会にも恵まれました。

 

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イラスト作品『 食べものシリーズ / ロールケーキヘアー 』

 
 
 
 
 
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漫画作品『 まよらかガールズ / ティッシュ! 』

 
 
 
 

漫画とイラストの魅力を教えてください。

イラストはぱっと見で可愛いとか、欲しいと思える分かりやすさがあります。それと、例えば缶ジュースなどのデザインに使われるイラストだと付加価値がつくところですね。可愛い缶ジュースにしたり、飲み物をおいしそうに見せる引き立て役にもなれる、主張しすぎずにもいられるところが魅力的だと思います。逆に漫画は、それだけで成り立つ、一人立ちできる強さが必要だと思います。私にとって漫画は人の要求に応えやすいものであると同時に、より多くの人に喜んでもらえるという媒体としての魅力もあります。

 

 

京都精華大学を選んだ理由はなんですか?

私は京都出身なのですが、親の都合で小さいころ引っ越して名古屋で思春期を過ごしました。小学生のころはませていて自分を俯瞰して見る癖があり、クラスのみんなとどこか合わないなという意識がいつもありました。中学時代の担任の先生にも、お前は変わっているから本当に合う友達と出会うのは難しいと言われました。そこで美大に行けばもっと変な人がきっとたくさんいるから友達ができるかもしれないと思い、昔住んでいた京都で一人暮らしをしようと決めました。実際入ってみると心から仲良くなれる友達がたくさんいて、今の学生生活はすごく楽しいです。

 

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漫画作品『激烈!ちーたかぷくるちゃん』

 

作品はどんなところから生まれますか?

一番描くのが楽しくて作品数も多いのは『激烈!ちーたかぷくるちゃん』です。美大生のさっちゃんと宇宙人のぷくるが一緒に暮らすシリーズなのですが、これはさっちゃんもぷくるも両方私自身をもとに描いています。私は今一人暮らしをしているので、もし今の生活の中に自分がもう一人いたらどうなるだろうと思って生まれたのが『ちーたかぷくる』です。自分で自分を言いくるめる時ってありますよね。そういう自分の二面性のような、だめな部分とピュアな部分のそれぞれがキャラクターになっています。

 

制作の上で心がけていることはありますか?

普通の漫画だと脇役になるような、美少女でもなく文化祭でも暇そうにしているような女の子たちが多く登場しますが、彼女たちにもそれぞれの人生があると思って敢えて主人公にしています。私自身脇役タイプなのでほとんどが私の体験談のような漫画です。私の高校時代もいつも同じような脇役タイプの子たちと一緒にいて、たいしたネタもないのに何故かいつも楽しかったのでそんな経験をもとに描いています。登場人物の女の子たちと私が本当に話しているような気持ちで描いています。ひとりひとりに当てはまるモデルがいるわけではありませんが、複数の友達を織り交ぜてひとつのキャラクターに託しています。

 

制作の上で影響を受けたものはありますか?

さくらももこさんの『ちびまる子ちゃん』は小さい頃から好きです。ほかに個性豊かなキャラクターがたくさんいるのに主人公のまる子って本当に普通の子で、そんなところから脇役への執着みたいなものは影響を受けていると思います。あの漫画はさくらさんが大人になってから子供の頃の自分を俯瞰して見て描いているものですよね。小さい頃私も同じようなところがあったのでまる子に共感していました。

 

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『 激烈!ちーたかぷくるちゃん』

 

イラスト漫画、制作とはどんな存在ですか?

何かやってないと気が済まない私にとっては生きがいとも言えるかもしれません。 結局自分にできることってなんだろうって考えてみるとやっぱり私にはこれしかできないから、できることを一生懸命やるしかないとは思っています。

 

今後の目標を教えてください。

賞を頂いて、本を出させていただくことが決まっています。今まで自分の楽しみでなんとなく描いていたものを一から新しく作ることの重圧を感じています。賞を頂いたことはゴールでもなんでもなく、ようやくスタート地点に立てたような気持ちでいます。大学卒業後は就職する予定です。私の場合個人的な体験談を主なネタとしているので一日家で漫画を描いているよりちょっと社会に出て嫌なことも日常的に経験したほうがいい漫画が描けると思っていて。私は人間観察が好きだし、漫画にする上でも結局みんな他人の楽しかった話よりも嫌なことや愚痴に分かる分かる!って共感できるほうが好きなのではないかと思うんです。そう意味では私の漫画は楽しいことだけでは作れないと思っています。将来どうなるかはまだ分からないけれど、一冊本を出せるのは大きなチャンスなので、そこから何になるかはまた考えようと思います。今のところは雑誌の後ろのほうの小さな四コマ漫画の連載とかできたらいいなと考えています。

 

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とても楽しそうに漫画のことを語るひぐちさんから、ご自身の作品や登場人物たちへの愛情を強く感じ取ることができました。ご自身の明るい人柄が、ささやかでクスッと笑える漫画作品に表れているように感じられました。

 


 

 

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Artist Profile

ひぐちさとこ - Satoko Higuchi -

1991年9月13日生まれ。

京都精華大学イラストレーションコース3回生。

見る人がくすっと笑ってくれるような

ゆかいでまぬけな作品をイラスト、まんが、立体などで製作中。

 

展覧会歴

2011年2月「××少女展」

2011年11月「食べてみ展」

2012年6月「mokumeBigBang!」

 

賞歴

2012年9月 宙出版主催のweb漫画賞「第9回ネクスト大賞」大賞受賞

作品はこちらからどうぞ http://www.seika-vdi.com/2010/hgt024/

たまにつぶやくブログ http://pukurunotamago315.blog137.fc2.com/

 

 

 

 

 

 


About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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