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京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

エントリー詳細

学生アーティスト 西村真琴/吉川輝 pom-pot展

展覧会油絵陶芸/ )

October 12 Fri, 2012

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『KYOTO NEW WAVE』 第16回目は京都市立芸術大学4年生の吉川輝さん(美術学部油画専攻)西村真琴さん(美術学部陶磁器専攻)にインタビューさせていただきました。


取材/後藤あゆみ、野口咲綾 写真/後藤 テキスト/野口 編集/後藤 

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新風館 TOKYO HANDS TRUCK MARKET gallery『pom-pot』展示風景/2012

 

TOKYU HANDS TRUCK MARKET galleryで9月1日から30日かけて(土、日祝日のみ)西村真琴・吉川輝 2人展「pom-pot」が行われました。

 

 

現在どのような活動をされていますか?

吉川 今年が学生最後の年となるので、卒業するまでに自分の絵をもっと成長させたくて、朝10時位から夜10時まで制作室に入って、ひたすら日々制作活動打ち込んでいます。私が入っているゼミにはレベルが高い人ばかりが集まっていて、制作スピードもみんな早く、制作室に行っておかないと遅れてしまいそうなので、行くことで自分にプレッシャーをかけています。この先にも友達と個展をする約束があるので、そちらに向けても、制作を進めています。

西村 私は陶磁器なのにオブジェばっかり作っているのです。けれども、やっぱり陶磁器として器やお花の一輪ざしなどの、使える器にも興味があるんですね。なので今はちょっとオブジェを作る手は休めて、使える物だけど自分の持っている何かを表現できるものを作れたらと思い、制作を進めていってます。毎月やっている展覧会は基本毎回新作でやっています。今回の展示では学校の前期展で出したものと7月の末にグループ展で作ったもの以外、他は全部新作です。

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Nishimura Makoto「Pカラカラモクシャ」/2011

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Nishimura Makoto「PimpleⅡ」/2012

2人で展示をする事になったきっかけは?

西村 7月の末に陶磁器のメンバーだけでグループ展をしました。その時にGallery Ort Projectの村田さんが見に来てくれたんです。その時初めて村田さんにお会いしたのですが、新風館にあるtruck market galleryが6月から1ヶ月間ごとに交代で展示をやっていて、その9月の分をしてみないか、というお話を頂きました。そのまま会場を見に行ったんですけど、一人じゃ広すぎて、せっかくやるならこれまで一緒に展示をした事のない人とやってみたいと思ったんです。その時一番一緒にやってみたいなと思ったのが吉川さんの作品の色や雰囲気だったんです。

吉川 西村さんの方に声がかかっていて、西村さんがアポを取って制作展の話がもらえて、彼女から私も誘われたという感じですね。私も西村さんとは1年生の時からずっとお友達だったから、彼女の作品がどういう雰囲気のものかは知っていたし、二人ともパステル調の明るい色合いで作品を作るってことも分かっていたので、もうこれは一緒に展示をしてもいい空間になるだろうなって思って喜んで引き受けました。展示されている大きい絵画と小さい絵画の1点は新作です。

西村 pom-potの話が来てから始まるまで1ヶ月しかなくて初めて3人で顔合わせした帰り道にもうDMの話が出ていました。
 

実際pom-potを行ってみてどうですか?

西村 今までは学生の身内だけでグループ展をしていたのですが、やっぱりtruck market galleryで展示されている方っていうのはほとんど卒業されている方ばかりで、学生だからじゃなくて、みんな対等な位置で1つの場所で展示できるっていうのはある意味凄く不思議な感じでしたね。

吉川 結構ギャラリーって静かな場所にあることが多いので、普段だったらお誘いした人が来てくれるのですが、今回展示させていただいた新風館はショッピング街でもあり、たまたま店に入ってきてくれた人が感想をくれることもあったんですね。pom-potを通して、普段見てもらえないお客さんに見てもらえたことが、自分の中で刺激にもなりましたし、普段アートに関わっていない人からの意見が聞けたので、凄く貴重な体験でした。

西村 ギャラリーとかで作品を展示していたら触ったらダメって誰でもわかるじゃないですか。けど私の作品、結構小っちゃい子ども達がおもちゃやと思って「わあー」って抱き着くらしいんです。それを聞いて凄く嬉しかったです。

吉川 私の作品も「顔がない。わぁ面白い」って子どもが大はしゃぎしたらしいです。後、今回の展示空間がホワイトキューブじゃなかった事も面白かったです。普段はホワイトキューブで展示することが多いんで、そういった空間以外のところでやらせてもらったら絵の見え方がいつもと違いました。普段と違い照明がすごく沢山あったし、こういう所で展示することで新しい見方ができて発見が増えました。

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『Yoshikawa Hikaru「trance」/2012

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『Yoshikawa Hikaru「世界の60%はピンクでできている #1」/2012

 

今の表現に至るまでの経緯は?

西村 4回生の春頃に、自分の中に思い浮かんでくるイメージからしか形が作れないってことに気付き初めて、凄く悩みました。先生とも何回か話を重ねて、その時初めて始めたのが、動物や植物を観察してスケッチをするってことなんですよ。やっぱり観察してみると自分では思い浮かべないような不思議な構造体がいっぱいあって、それから自分の「いいないいな」と思うのを引きだして、いいなと思うものと自分の中にある好きな形を組み合わせて、自分の表現ではあるけれども、一歩先の表現が生まれるようにしていきました。pom-potの展覧会でもそのことに意識して制作しました。

吉川 私も絵について考えるのが本当に遅かったですね。3回生の頃までずっと、女性雑誌を切り抜いて、目や手のパーツとかを組み合わせて一人の人間を作り、それを手元に持って、キャンバスに書き写すというコラージュ作品を作っていました。ずっとそれで満足していたんですけど、ある時に「これって模写しているだけじゃないかな」って思って、自分でもつまらないと思っているときに、先生からもつまらないって言われてしまって、凄く悩みました。他の学生の作品を見たら、筆使いや色合いなど写真から描いていてもオリジナリティーがあるんですよ。そこから、自分も「オリジナリティー」というものについて考えるようになって、それから自分の好きなものに向かい合うようになりました。同じ雑誌を見ていても、前はコラージュで切った女の人が茶髪だったら茶色で塗ってどれだけ似せるかで描いていたんですけど、そこから一旦離れて、日本のアニメのようなポップな紫とかピンクで塗ってみたんです。それが凄く楽しくて、ずっと描き続けたら「私ってこういう色が好きだったんだな」って気付いて、今はずっと自分の好きな色を使って描いているので、絵を描くのが楽しくなりました。

 

面白さを感じるときは?

吉川 作品の中に調和が生まれた時ですね。作品を描くときは山登りみたいなものなんです。最初はワクワクしながら描いて、頭に絵が出来上がっていて、「よし、こんな感じでいこう」って思うんです。けれども、やっぱり描いている時に自分の中で曖昧なところがあって上手くいかないんですよね。上手くいかないなりに、何となく続けていって、ある時その中で一回色を足しただけで、バシッと決まる時があるんです。その瞬間の頂上で、その時の「よし出来た」っていう爽快感が楽しくてやめられないですね。

西村 私はずっと陶磁器で生き物の形を作っているんですけど、手びねりという手法がこねている時点からどんどんどんどん積み重ねて作っていくので、本当に育てている感じで、作っている最中から凄くワクワクしているんですよ。楽しくて楽しくてしょうがなくて。反対に上手くいかなかったり、思い通りにいかなかったら本当に我が子を殺してしてしまったような気持ちになります。私は結構作る過程の方が好きですね。

 

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『新風館 TOKYO HANDS TRUCK MARKET gallery『pom-pot』展示風景/2012

 

影響を受けたものは何ですか?

吉川 小山登美夫ギャラリーに所属していらっしゃる長井朋子さんの作品ですね。ファンシーなんだけど、絵画空間になっていて「こんなかわいらしい絵でも絵画になるんだ」って自分の中の価値観を崩してくれた人ですね。長井さんには筆使いや色合いも影響を受けました。また、絵を描くことっていいなって思った最初のきっかけは、中学の頃、友達の誕生日に絵付きのポストカードをあげた時に、とても喜ばれたことですね。凄く感動しましたし、それから絵の仕事に興味を持ち始めました。

西村 私はお母さんですね。小さい頃から「あんたは絵の学校に行くんやろうな」って言われてました。兄弟三人の中で言ったら絵をよく描く子で、私は将来、絵の道に進むのだろうなと思いました。だから、表現に影響を受けたり、考えるきっかけになったアーティストはたくさんいらっしゃいますが、アーティストに影響を受けたことはそんなにないんです。今、私がこの道に進めることになったのも、身近なお母さんが大きいです。それから、京芸の受験に必要なので、予備校で初めて立体をやったんですが、凄く楽しくて、立体が学べるコースに進みました。

今後の目標をお聞かせ願います。

吉川 絵に全然興味のない友達に私の絵を買ってもらうっていう私の小さい目標は最近叶ったので、次はキャンバスの作品を友達に買わせます(笑)。押し売りじゃなくて、100万位持って来て「これで買わしてくれ」と友達が言ってくれるような作品を描きたいです。

西村 美術館でドーンっと発表できる作家というよりは、普通の人の家の中にポツっと自分の作品を置いてくれるような作家になれたらいいなと思っています。今は器にせよ、オブジェにせよもっと技術を身に着けて、ふと手に取ってくれるような作家になりたいです。
 

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大学1年生の時に出会った2人は、4年間でお互い技術も表現力も成長し、一緒に展覧会を行うまでになりました。とてもカラフルで印象的な作品を作る2人、これからもそれぞれの目標に向かい頑張って進んでほしいです。そしていつか、また西村さんと吉川さんの2人展を拝見できる日が来ることが楽しみにしています。


 

 

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Artist Profile

西村真琴 - Nishimura Makoto -

1989 京都府生まれ
2009 京都市立芸術大学 入学
現在 京都市立芸術大学 陶磁器専攻 在籍
 
<活動経歴>
2010 春に逢える (Miracle cafe & gallery 京都)
2011 京都市立芸術大学作品展 (京都市美術館)
         デザイン・フェスタvol.33 <tmp+>に参加 (東京)
         陶磁器専攻前期展 (京都市立芸術大学)
         四人焼 (cherry's GALLERY 大阪)
2012 京都市立芸術大学作品展 (京都市美術館)
        陶のかたち (GALLERY北野坂 兵庫)
         陶磁器専攻前期展 (京都市立芸術大学)
         陶っ子 (ギャラリー集 京都)
         pom-pot (新風館 京都)
         京都同時代学生陶芸展 (元・立誠小学校 京都)
 

 

 

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Artist Profile

吉川 輝 - Yoshikawa Hikaru -

1990 大阪生まれ
2009 京都市立芸術大学 美術学部 油画専攻 入学

<活動経歴>
2012.2 「京都市立芸術大学作品展」 / 京都市美術館
   .3 「風雅 第13回絵画/第7回版画展」 / ギャラリー風雅
   .7 「kidding kitty」  / 喫茶『リ・ブラン 京都中京』
         「GOZA」展   / 京都市立芸術大学 4F
2011.2  「京都市立芸術大学作品展」 / 京都市美術館
      「ミカクニン」展 / cafe&gallery うめぞの
  .5   デザインフェスタ#33 出展   
     .7  「HAKKOU」展 / 京都市立芸術大学 4F  
     .10 「女子高生」展 / 京都市立芸術大学 小ギャラリー
     「SQUAT」 / Zest 御池
  .11 「TOO MUCH GIRL」 / 京都市立芸術大学
2010.7 「ゆかげん」展 / 京都市立芸術大学 4F 
      堺アートワールド2010 出展
   .8  「POST ART MEDIA」/ namura museum

HP:http://terukuma.jimdo.com/
Facebook:http://www.facebook.com/?ref=logo#!/terukuma.8390


About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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