京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

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学生建築家 鰭岡大樹

建築/ )

August 04 Sat, 2012

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『 K Y O T O  N E W  W A V E 』 第 14 回目は京都大学大学院に在籍し 、建築を 学んでいる学生建築家の鰭岡大樹さんにインタビューさせていただきました。


取材/井口美穂、田中淳美 写真/田中 テキスト/井口   編集/後藤あゆみ

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大学で描いた絵

現在どのような活動をされていますか?

京都大学大学院の工学研究科で、建築学を専攻しています。とはいうものの、建築だけにこだわらず他分野の方々とも関わり合いを持ち、多くのことを学んでいます。具体的には、学生主体で木造建築の設計から施行まで行う「加子母木匠塾」という合宿を運営したり、「今晩の京大生」というラジオ放送を通して様々な京大生と深く話をしています。特にこのラジオ番組は、初めて自分のアイデアをゼロから形にしたものなのでとても思い入れが強いです。毎回出会う人たちから、新しいことを学べるのがとても楽しいです。

建築を専攻した理由はなんですか?

小さい頃から絵を描くことが大好きで、高校時代まで画家になりたいと思っていました。世に何かを残したいという思いが強かったんだと思います。けれどその難しさに気付き、絵を描けて、かつ世に何かを残すことが出来る職業を探してみて出会ったのが、建築学科でした。絵も描けそうだし、芸術的だし、デッカいものを残せそうだし、夢があるなぁと思ったんです。そしてある進学雑誌で、建築を学ぶための最高の環境は京都大学だと知ったことが京都大学工学部建築学科を目指すきっかけにもなりました。

 

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卒業設計

 

京都大学ではどんな学生生活を送りましたか。?

京都大学に入学し、自分があまりにも凡人すぎることを思い知り、とても悩みました。1回生の春からずっと熊野寮という京大の学生寮に住んでいるんですが、そこにはとても変わった方が多くて(笑)。周りはみんな京大生だし、頭が良いなんて当たり前で、その上で何を持っているかが問われるんです(笑)。それからは、すすんで他の人とは違うことをしていこう、と考えるようになりました。色んなところに顔を出し、様々な価値観に触れ、自分の在り方を模索し続けました。他大生とグループ設計をする合宿に参加したり、建築の展覧会を運営したり、岐阜県で小さな建物を建ててみたり、理系だけれど敢えて就職活動をしてみたり、IT系のベンチャー企業にインターンに行ったり、twitterを通して沢山の方とお会いしたり、とにかく動きまくりました。そして気づいたのが、人と出会うことの楽しさでした。それと、自分とは違った価値観に触れることの面白さや大切さも同時に知りました。これからの世の中はどんどん、学際的であったり業際的な活動が重要になってきます。きちんと自分の専門を持った上で、これからも分野分け隔てなく興味を持ち続けたいと思います。

 

鰭岡さんにとって建築とはどんな存在ですか?

人と出会い話をすることが大好きな僕にとって、建築は人と出会うための場です。人は建築に集まりますから。それに建築は衣食住の一端を担う存在であり、建築は人に多くの影響を与えます。そんな建築を通して、僕は人に「生きる力」を与えていきたいです。近年自殺者が30,000人をこえる年が続いたりと、何かと生き抜くのが難しい世の中です。生きていると壁にぶち当たることが多い。そんな世の中において、どうすれば人に生きる力を与えられるかを考え、作品を作ってきました。まだまだ模索中ではありますが、ある程度の考えまでには達してきたと思っています。とにかく建築を通して人を幸せにしたいです。建築は、人を幸せにする力を持った存在だと信じています。

 

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NEXTA

 

印象に残っている活動はなんですか。

学部3回生の時に参加した、『NEXTA』という展覧会です。関西の建築学生がそれぞれの大学で設計した課題作品を、合同で展示し、来場者やプロの建築家相手にプレゼンし、講評して頂く展覧会です。その運営は出展者が行うのですが、その時代表を引き受けることになりました。それまで僕は建築に対して逃げ腰だったのですが、この展覧会がきっかけで、真っ正面から向かうようになりました。初めての運営で四苦八苦しながら、死ぬ気で設計しました。代表がヘタな作品を出すようじゃ、展覧会自体も僕自身も駄目だと思ったんです。それまでで一番の情熱を注ぎ、1回生の頃から温めてきたアイデアを形にしました。そんな作品が最優秀賞を受賞したことで、自分の考える建築に対して自信が持てるようになりました。それまでは特に学内でも目立つこともなく、自信の欠片もなかったと思います。絵を描くのが好きで、絵を描くために建築を設計していた節もありましたし。でもこの展覧会がきっかけで、自分の思いを建築で表現したいと強く思うようになりました。そんなきっかけになった活動でしたので、とても印象に残っています。

活動の上で大切にしていることは何ですか。

建築ってただそこにあるだけじゃ地球の負荷になるだけの邪悪な存在であって、何かしらの大きなメリットを持つべきだと考えています。だから、人の生活や世の中を更に良くする建築を作ることを心がけています。そんなことを強く思うようになったのは、学部時代の就職活動でコンサルティング業界に出会ったのが大きかったと思います。一口にコンサルティングと言っても、経営系や人事系やなど様々な種類があるんですが、アプローチは違えど全てに共通して言えるのが、「現状よりもっと良くしよう」という目的を持っていることです。そんな考え方に感銘を受け、建築の設計活動にコンサルティング(的な考え)を応用する方法はないかと思って調べてみたところ、ある建築家の方へのインタビュー記事を見つけたんです。そこには、「建築の設計では、ただ空間を作るだけでも、(企業向けの設計の場合)現状の業務内容に合わせた建築を作るだけでも足りない。人の動きや、業務内容そのものまで改良してしまうことが重要だ。」というようなことが書かれていました。これだと思いました。建築を目の前にすると、この建築があると何がどのように良くなるの?誰が嬉しく思うの?ということを常に考えています。

京都の魅力はなんですか。

伝統が多く残る街であることは勿論のこと、学生が多いことです。そこを上手く活用したプロジェクトを行っていきたいと思っています。ラジオ番組「今 晩の京大生」もそれの一環で、他にも建築的なアプローチからも計画しています。京都といえば、あとは街自体が碁盤の目であること、それに盆地であることは 常に意識しています。地理的イメージが湧きやすいところが魅力的です。

今後の目標はなんですか。

これからもたくさんの人に出会い、お話しをしていきたいです。勉学においても、垣根を作らず多くの分野に関心を持っていきたいです。勿論、自分の専門分野を突き詰めた上での話です。そうしているうちに得たアイデアを、自分なりに形にしていきたいと思っています。形とは建築に限りません。そうすることで世の中をよりよくし、人を幸せにしたい。僕ももっと幸せを感じていきたいです。

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新しく人と出会って価値観に触れることが楽しいと語ってくださった鰭岡さん。この日の取材はまるで講演会のようで、いつの間にかお話に引き込まれてしまいました。人との出会いを大切にしている鰭岡さんだからこそ、多くの人を引き付ける魅力を持っているのだと感じました。 計画のプロジェクトもわくわくするような内容で、是非今後の活動も追っていきたいと思いました。


 

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Artist Profile

鰭岡 大樹  - Hireoka Daiki -

色々と不器用なところもありますが、人と出会い、お話しすること
が大好きです。これからも建築に関わらず、自分のアイデアをカタ
チにし、世の中に貢献していけたらと思います。
twitter:@WAKAMEoka

■経歴
1988年8月 大阪生まれ
2007年3月 清風南海学園高等学校 卒業
2012年3月 京都大学工学部建築学科 卒業
2012年4月 京都大学大学院工学研究科建築学専攻 岸和郎研究室 入学

■活動履歴
2009年3月 建築×合宿09
2009年8月 かしも木匠塾09
2010年3月 建築×合宿10
2010年8月 かしも木匠塾10
2011年6月 NEXTA11 出展 <代表> /「こどもが埋める美術館」最優秀賞
2012年3月 Diploma×KYOTO'12 出展
                 /「温故知新 ーイノベーションが生まれるまでー」
2012年5月 ラジオ番組「今晩の京大生」放送開始
                 <企画運営・MC担当> / twitter: @KU_tonight
2012年8月 かしも木匠塾12 <総幹事>

 

 

 


About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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