京都の若手アーティスト特集【KYOTO NEW WAVE】

エントリー詳細

学生陶芸家 星野菜月

陶芸/ )

May 29 Tue, 2012

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『 K Y O T O  N E W  W A V E 』 第 12 回目は京都精華大学 大学院に在籍し 、陶芸を 学んでいる学生陶芸家の星野菜月さんにインタビューさせていただきました。


取材/後藤あゆみ、井口美穂 写真/後藤 テキスト/井口  編集/後藤

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京都精華大学 卒業制作作品 /2011

現在どのような活動をされていますか?

京都精華大学院の陶芸科で制作しています。作品を発表する時は企画展やグループ展のお話を頂いて参加することが多いです。今のうちにたくさんの作品を作って経験値を上げて、多くの人の手に私の作品が渡ればいいと思っています。

 

陶芸を始めたきっかけは何ですか?

高校までは絵画をやろうと思っていたんです。でもいざ絵画コースに入って絵ばかり描いているとなんだかいまいちしっくり来なくて。絵から離れたいと思ったこともありました。でも他に何が作りたいのか分からなくて迷っていた時に、友達が使っていた粘土を触らせてもらってなんとなくピンと来たんです。それまで母が趣味で陶芸を習っていて勧められたこともあったのですが、まさか自分が陶芸科に行くとは思いもしませんでした。意味を見出してる。これが終わって、やっぱり私がやりたい事はこんな感じの事やなって、自分の芯みたいなのが出来たんです。

 

進学先で京都精華大学を選んだ理由は何ですか?

親からよく美大時代の話を聞いていて、よく学祭に行ったりしていましたね。その中でも特に精華大学は雰囲気が親しみやすくて高校時代によく行っていました。そして初めて陶芸科の学生や教授と会った時にはっきりと魅力を感じて。教授がとてもいい先生で、それが一番大きかったです。両親から聞いていた美大のイメージにぴったり合っていたのも理由のひとつです。実際入ってみると課題も授業も独特で、ほとんど指示や拘束されないし、器もオブジェも両方やってみればいいじゃないかっていう雰囲気で。その自由さが精華の一番の特長だと思います。

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にゃん鈴(京都アートフェア出展作品)/ 2011

星野さんにとっての陶芸の魅力は何ですか?

なんでもできる、どこまでも行けることです。大きく器とオブジェに分かれていて、実用性やテーマに多様性があります。伝統工芸のイメージが強いけれど、現代的な表現もリアルさを追求した塑像もできて、かつ立体造形とは一線を画しているのが面白いところだと思っています。あとは造形が完了してから一度自分の手を離れて火を通す工程も他にはない魅力です。窯から出すと想像と全然違う仕上がりになっていたりします。思うようにいかなくて悔しい思いもしますけどね。

 

今までの活動で特に印象に残っている作品はありますか?

京都アートフェアに出展してご一緒した日本画の作家さんから、飼い猫の顔で作って欲しいと依頼されて作った土鈴です。土鈴は課題と並行してほとんど趣味で作ることが多いんです。それも頼まれたのはもう亡くなってしまった猫で。これはとても難しかったです。癖で無意識のうちに私が飼っている猫の顔に引きずられてしまって。一度完成はしたのですがやっぱり違うと思って作り直して。そこで全部リセットしてやり直すと上手くいきました。渡した時にとても喜んでもらえて、土鈴の猫の顔を見て「帰って来た」と言ってもらえたのが印象的でした。

 

制作の上で影響を受けたものはありますか?

両親ともイラストレーターで、その影響は大きいです。お勧めの作家を教えてもらったり、作品を見せて駄目出しされたり。作品の構想を練る時にはテレビや雑誌から情報を得て「可愛い」ことへアンテナを張っています。具体的にはミュージックビデオから発想を得ることが多いですね。Salyuとかゆらゆら帝国とか。電車の中でぼんやりしている時に新しい作品の構想が浮かんでくることが多いです。私の好きなミュージックビデオを知っている人が私の作品を見ると納得する部分もきっとあると思います。メロディと歌詞と映像の繋がりが面白いと思うんです。実際私のオブジェ作品の背景にはそれぞれストーリーがあります。着想の時点では音楽に合わせたアニメーションが先に浮かんで来て、そこから新しい作品のアイデアが生まれていくんです。でもそのストーリーはあくまで背景であって、作品を見る人には伝わらなくてもいいと思っています。重要なのは作品に説得力を持たせる役割を担っているということなんです。

 

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My Sweet Nest(Grassland出展作品)/ 2012

作風に関してこだわりはありますか?

今の作風になったのは4回生の終わり頃からですね。2回生の進級課題から今の要素はあったと思いますが、その頃は作風が偏るのが嫌で課題のたびに敢えて全く違うものを作っていたのですが行き当たりばったりは良くないと思うようになって今の作風が出来上がりました。モチーフは動物が多いですね。子どもの時から動物の絵ばかり描いていて、人物を描くことにはそれほど惹かれなかったんです。

京都に対する思いがあれば聞かせてください。

今は奈良の実家に住んでいます。今後はできれば京都に住んで活動したいけれど現実的に考えて難しいので。奈良を拠点に、有名なギャラリーも多くアート活動の盛んな京都へ作品を発信する形で制作していきたいです。

 

今後の目標は何ですか?

変わらずに作り続けることです。卒業しても今のペースを崩さずに、場所を見つけて作品を出し続けたいと思っています。やりたいことはたくさんあって、今みたいな雑貨のようなものも、現代アート寄りのものも両方やってみたいんです。例えば藤井大丸Grasslandの作風のまま器にして実用性を持たせてみたりとか。色んなことを試しながらそれぞれの作品や素材選びに関して、どうしてその表現を選んだのかをもっと突き詰めて考えていかなきゃと思っています。とにかくずっと陶芸をやっていきたいです。
 

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優しい笑顔で活動や制作のお話をしてくださった星野さん、話を聞かせていただいてるこちらも自然と笑顔になってしまうような、とても魅力的な作家さんでした。星野さんが作られる作品にはストーリー性があり、あたたかみのある素材感や動物の優しい表情を見ていると幸せな気持ちになります。 今後とも京都で活動を続けたいと意気込む星野さんを応援し続けたいと思いました。


 

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Artist Profile

星野 菜月 - Hoshino Natsuki -

 

2011 京都精華大学芸術学部素材表現学科陶芸コース 卒業
同年  京都精華大学大学院芸術研究課陶芸先攻 在籍 
 
2011 アートフェア2011 みやこめっせ
2011 土の響きと線の行方 月夜と少年
2011 2011アジア現代陶芸展−新世代交感展
2011 女流作家陶芸展 西宮阪急
2012  贈展 ギャラリー恵風
2012 ART KYOTO meets FUJIIDAIMARU "Grassland" 藤井大丸
 
2011 四万十川カッパ造形大賞 入賞 
2011 第25回四日市萬古焼陶磁器コンペ2011 入選

About

展覧会・イベント企画やフリーペーパー発行など、積極的なアーティスト支援活動を行っている京都・関西の美大生団体「SHAKE ART!」による、「京都で遊ぼうART」特別連載コーナー!京都の新たなアートの波=KYOTO NEW WAVE を生み出す、旬の若手アーティストを毎回ご紹介していきます。

Profile

SHAKE ART!

関西の美大生団体SHAKE ART!は若手アーティストや美大生をプロデュース。人や作品を出会い繋ぐきっかけづくりをしています。イベントや展覧会の企画運営やフリーペーパーを発行しています。



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