タイトル「通り抜けフープ」は、展覧会自体のテーマでもある「通過すること」を表しています。
「通過すること」とは、ある地点から、何かを通りぬけ、別の地点へと到達するということです。作家は何を通過し、させたのでしょうか? そしてそこにはどんな意味があるのでしょうか?
例えば歯磨き粉はチューブから押し出されるとき、出口の形状になって出てきます。同じように孔版画であるシルクスクリーンは、モチーフを製版し、その製版された穴をインクが通りぬけることで、モチーフが紙の上に定義されたイメージとして現れます。このような物質の通過に限らず、情報や経験、時間などにも「通過すること」に関する現象は見られます。慣れ親しんだ土地において、その場所に関する新しい情報を知覚することで、その土地自体の印象が大きく変わることがあります。その情報を知覚していなかった地点から知覚した地点に至ったことで、その土地が今までのものとは違った存在へと変化して現れてきます。
この展覧会では、8名の作家による様々な「通過すること」の形を鑑賞することができます。 また本展覧会では鑑賞者が、展覧会を鑑賞することで、それぞれの作家の作品を通りぬけ、感受し、考察する機会を提案します。ぜひご高覧ください。
青木加奈/伊山由香/小西景子/斎藤華奈子/藤田紗衣/水谷昌人/宮木亜菜/藪下紘可
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