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江戸の粋・明治の技 「柴田是真の漆×絵」 エドソン・コレクション初帰国

2010/04/03 ~ 2010/06/06


【相国寺承天閣美術館】

相国寺承天閣美術館


柴田是真(1807~1891)は、幕末から明治期に活躍した漆芸家・画家です。

江戸両国に宮彫師(社寺の欄間や柱に彫刻を施す職人)の子として生まれた是真は、11歳で名工・古満寛哉(こま・かんさい)に弟子入りし、蒔絵の技法を習得。その後、画家の鈴木南嶺や岡本豊彦に師事し四条派の画法を学びました。そして天保11年(1840)、王子稲荷に奉納した大絵馬『鬼女図』の迫真的な描写が江戸中の評判となり、是真はまず絵画の分野で才能を開花させました。

その後是真は漆工においても、各種変塗(かわりぬり)の開発・復興を行い、また江戸っ子好みの機知に富むデザインが人気を呼び、江戸随一の蒔絵師の地位を獲得します。さらに彼は漆工、絵画の双方にも才を発揮し、和紙に色漆を用いて絵を描く「漆絵」を発展させ、掛軸や画帖、屏風、額など多くの優れた作品を残しました。



明治維新後には、欧米で開催された万国博覧会に積極的に出品して海外でも高い評価を獲得し、政府の殖産興業政策にも貢献するなど、近代美術工芸の発展に大きく寄与。明治23年(1890)にはついに帝室技芸員にも任命されています。

近年人気を博している江戸時代の画家・伊藤若冲や河鍋暁斎がそうであったように、是真の洒脱なデザインと卓越した技巧は、現在では日本よりもむしろ欧米で高く評価され、多くの是真作品が海外に所蔵されています。
今回の展覧会では、アメリカ・テキサス州サンアントニオ在住のキャサリン&トーマス・エドソン夫妻が収集した是真の漆工と絵画約70点が初めて日本に里帰りします。
これに日本国内で所蔵されている優品約20点をあわせ、計約90点の作品を展示。
江戸の粋の精神と明治の超絶技術を併せ持つ、柴田是真の世界とその魅力を紹介します。



※会期中、一部展示替がございます。


CHECK POINT

絵から工芸まで、粋で洒脱な是真ワールドが一堂に!

大雄院襖絵(部分)(京都・大雄院蔵)
江戸時代、寺院の襖絵を描くことは画家にとって大変名誉なことだった。是真は20代にして四条派の先輩画家を差し置き、妙心寺塔頭・大雄院の方丈五室に襖絵を描いた。墨画の淡彩で、山水・花鳥・人物の三種がある。
※ 京都会場のみの出品です。

左:沢瀉と片喰図印籠(エドソン・コレクション)/The Catherine and Thomas Edson Collection, courtesy of San Antonio Museum of Art
黒漆の地に矢尻形の沢瀉の葉と片喰の葉を添えた斬新なデザインが特徴的。右:瀬戸の意茶入れ(個人蔵)一見陶器のようだが、竹に漆塗りを施した「だまし漆器」。茶人の注文品で、重さは42gしかない。


■「絵」―四条派に磨かれた抜群のセンス
漆職人の道をめざした柴田是真は、11歳の時に江戸の名工・古満寛哉(こま・かんさい)の下で蒔絵の技法を習い始めます。
しかし、是真は蒔絵作りには下絵を描く絵の技術も必要なのだと気づき、16歳で四条派の画家・鈴木南嶺(なんれい)に弟子入り。24歳の時には京都に出て岡本豊彦の下で四条派の技法を4年間学びました。これによって是真の才能は開花し、まずは絵師として世に認められていくことになります。
是真は四条派の軽妙淡白な画風をベースに、江戸っ子らしい洒落の効いた作品を数多く手がけました。後の作品にも、この時に得た絵の技術やセンスは大いに生かされています。

■「漆」―独自の変塗技法としゃれの聞いた「だまし絵」作品
蒔絵といえば金や銀が材料として思い浮かびますが、是真は金や銀をむやみに使うことはしませんでした。
その代わりとして用いたのが様々な変塗(かわりぬり)。変塗とは、漆の中に粉を混ぜるなどして普通の漆の塗りとは違った効果を出す技法で、是真は様々な変塗技法を研究し、開発や復興を行いました。とりわけ彼が得意としたのは青海波塗(せいがいはぬり)。これは幕府御用達商人・松本兵四郎から頼まれて元禄時代に活躍した職人・青海勘七(せいかいかんしち)以来途絶えていた製法を復元したものでした。また、このほかにも紫檀塗(したんぬり)、青銅塗(せいどうぬり)、鉄錆塗(てつさびぬり)、砂張塗(さはりぬり)、四分一塗(しぶいちぬり)、墨形塗(すみがたぬり)などの変塗を創り、復興しています。
変塗を使った是真の作品の中は、「一見木材のようで、実は和紙製」「陶器に見えるけれど実は竹製」などの「だまし」の作品があります。人々の意表を突くこれらの作品は、高い技術力と共に江戸っ子の是真らしい洒落っ気・ユーモア精神を感じさせます。
驚く人々の姿を見るのが、是真にとっては楽しみのひとつだったのかもしれません。

■「漆絵」―職人と画家のはざまで
漆工と絵画の両方で才能を発揮した是真がたどり着いたのが「漆絵」でした。
これは和紙に色漆や透漆(すきうるし)を用いて絵を描き、額や屏風、襖などに仕立てたもので、漆独特の光沢と濃厚な色彩により、油絵に勝る耐久性がある漆を用いて西洋絵画に近づけたい、という考えがありました。
さらに是真は明治5年には博覧会事務局審査官の塩田真に、これを掛軸にできないかといわれ、数日後には巻いても漆にひびが入らない掛軸用の漆絵を完成させて贈ったと伝えられています。
非常に粘りのある漆を使って絵を描写することだけでも非常に高い技術が要求される中で、通常の絵と変わらない、それ以上の表現を生み出す「漆絵」は、まさに漆を知り尽くした是真ならではの作品といえるでしょう。

■エドソン・コレクション―海外で高評価を受ける是真作品
17世紀の英語で、China=陶器に対し、Japanedは漆塗りやそれを真似たものを指していました。それほど、日本の漆器の技術は他国の追随を許さないものだったのです。
アメリカ・テキサス在住のエドソン夫妻は1960年代に日本の屏風と出会ったことをきっかけに日本美術のコレクションをはじめ、すぐに漆器の魅力に取り付かれました。
その中で夫妻は柴田是真の作品に出会い、是真の卓越した技術力だけでなく、遊び心や気まぐれさ、そして自然に対する敬愛の念にも心動かされ、絵画から始まり漆器、そして漆絵と代表作を蒐集していきました。とりわけ漆絵は是真の創造性が特に発揮されたものとして、夫妻が最も親しみ、貴重な掛け軸や画帖もコレクションに加えられています。是真の豊かな創造性を表す、エドソンコレクション。その奥深く魅力的な世界が、この度初めて日本に「里帰り」します。

関連イベント:記念講演会&特別対談

【記念講演会】
1) 2010年4月3日(土) 14:00~15:30
「最後の江戸職人―柴田是真全仕事」
講師:安村 敏信 氏(板橋区立美術館館長)

2) 2010年4月25日(日) 14:00~15:30
「柴田是真の絵画―円山四条派をめぐって」
講師:冷泉 為人 氏(冷泉家25代当主/立命館大学特別招聘教授)

会場:相国寺承天閣美術館 2階 講堂
※聴講無料(定員100名/入場料が別途必要となります)
※受付は先着順。当日13:00より入場整理券を配布致します

【特別対談「是真の夕べ」】
2010年5月8日(土) 17:00~18:30
講師:有馬 頼底 師(臨済宗相国寺派管長)× 千 宗屋 氏(武者小路千家15代家元後嗣)
会場:相国寺承天閣美術館 2階 講堂
※聴講無料(定員100名)
※事前のお申し込みが必要です

《申し込み方法》
往復はがき(参加希望者1名につき1枚)に
住所、氏名(返信面にもご記入下さい)、電話番号を明記の上、下の宛先までお送り下さい。
※締切:2010年4月23日(金) 当日消印有効

〒504-8588 大阪市中央区大手前1-1-1 日本経済新聞社企画事業部「是真の夕べ」係

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