<p> <span style="font-size:0.8em;">(1)神坂雪佳 「漆画人物祭礼之図飾箱」 大正期 京都市美術館蔵<br /> (2)玉村方久斗「猫」昭和初期 京都市美術館所蔵</span><br /> <br /> 桃山時代後期に京都に誕生した「琳派」は、その後、各時代の美術や工芸の中で、降臨するかのごとく新たな継承と創造を繰り返してきました。今日においてもその造形美は甦り、「新たな発見」を導入することで、「琳派」なる世界を形成しています。<br /> <br /> この展覧会では、日本人の美意識のDNAに組み込まれた琳派の美のコード(記号・符号)を探りながら、近世・近代・現代における「琳派コード」を、「自然」「都市」「抽象」の観点から考えます。<br /> <br /> 例えば「自然」における「琳派コード」は、近世においては、意匠や和歌の世界を根底に「鳴く鹿」や「木付梅」そして「寄せる波」などのコードに現れてきます。これらは、日本人の自然観察で、そぎ落としてきた「美のエッセンス」です。では、現代における自然を琳派はどのような「琳派コード」で表現しようとしているのでしょうか。現代に課せられている「琳派」が時代の中で何を観ようとしているのかを展観します。<br /> <br /> 展示作品は約120点。俵屋宗達の「草を食む雌鹿」を思わせる江戸期の彫刻(根付)「立鹿図根付」(作者不明)、明治・大正時代に活躍した神坂雪佳の「四季草花」や「漆画人物祭礼之図飾箱」、近代京都画壇を代表する日本画家のひとり・木島桜谷の「薄」、そして昭和期に前衛日本画家として活動した玉村方久斗「猫」など、江戸時代から現代までの作品が登場します。この機会に時代を超えて受け継がれる琳派の美の世界をご高覧ください。</p>
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