樂家の初代・長次郎が千利休の侘茶の思想をくみとり、手捏ねの赤樂茶碗、黒樂茶碗を制作したのは桃山時代天正年間(1573〜1592)のことです。以来今日まで400余年、樂家はその伝統を受け継ぎ、それぞれの時代の茶の湯精神を反映しながら様々な茶の湯の焼き物を制作してきました。
樂美術館では、400余年にわたって樂家に
伝えられた歴代作品を収蔵しています。
それら数々の作品は樂家歴代が手本として後世に大切に伝えてきたものです。歴代は、それらの作品から多くを学び、自らの制作、創造の糧としてきました。樂美術館には樂焼450年の伝統のエッセンスが詰まっています。
今回の春期特別展では、初代・長次郎から15代・吉左衞門(当代)まで、樂歴代の代表作を一堂に展観致します。
特に今回は、利休の娘婿である万代屋宗安所持の知られざる名碗、長次郎作黒樂茶碗と、本願寺伝来として名高い道入作黒樂茶碗「唐衣」の、秘蔵の2作を特別初公開致します。
伝統の陶家に伝えられた樂焼450年の歴史をお楽しみ下さい。